ARアプリの開発方法、開発言語や環境 注意点を解説

近年、ARを活用したマーケティングに注目する企業が増えています。

この記事では、ARアプリを開発し、自社のマーケティング戦略に活用したいという企業のマーケティング担当者や新規事業の担当者に向けて、AR開発に必要なものや、ツール、開発の具体的な手順などについて解説します。自社でのARアプリを開発する際の参考にしてください。

AR/VR市場について

ARが企業に注目されている要因の一つとして、まずはその市場の成長率が挙げられます。

世界のAR/VRの市場規模は、2021年に494億ドル(6兆円)でした。

すでに大きな市場に成長しつつありますが、なんと2022年から2030年までの期間で年間成長率(CAGR)40.7%を記録し、2030年には4,535億ドル(55兆円)に達すると予測されています。

国内と海外のAR/VR市場規模予測と本格普及への課題 – XR-Hub
出典:世界AR/VR 市場規模予測、2015年~2025年

比較対象となる「世界のスマートフォン市場」は2027年までに7,953億ドル(98兆円)に達し、2020年から2027年にかけて毎年9.5%成長すると言われており、

つまり成長率はAR/VRの方がはるかに速度が速く、これはAR/VRが次の10〜20年でスマホを超えていくような世界最大級の巨大産業に発展していくと期待されるゆえんでしょう。

ARグラスやVRゴーグルをかけて、空間に対してバーチャルな情報が表示されることで、人々は手元に持っていた小さなディスプレイ(スマホ)から解放されることになるはずです。

ARに期待される主な活用方法

ARはすでにさまざまな方法で活用されていますが、その中でも特にメジャーな活用方法を紹介します。

①ブランドのこだわりやストーリーを伝える

1つ目は、企業やブランドの沿革やこだわりなどの抽象的な情報をわかりやすく消費者に伝えるという点です。

ARを活用し、消費者の目の前に存在するような映像をうつしだせれば、企業やブランドをより身近に感じてもらえるようになるでしょう。たとえば、ドミノ・ピザでは、「ワールド10AR」というARゲームを新商品のピザのプロモーションとして活用し、ユーザーに楽しい経験を提供しています。さらにARとインフルエンサーを組み合わせた展開をすることで、大きな話題を集めました。

②試着や試し置き

2つ目は、ファッションアイテムや家具などの試着・試し置きを体験してもらうためです。3Dによって、自宅に家具を出現させる、洋服の試着イメージを確認できるなどの体験を与えることによって、購買率の向上や購入後の返品率の低下も期待できるでしょう。

ニトリが運営する生活雑貨ブランド「デコホーム」では、好みのデザインのエプロンを自由に試着体験できるARアプリを提供しています。このように、ECサイトや小売ビジネスのネット販売などの分野では、コロナ禍で実店舗での買い物ができない消費者の囲い込み施策として、ARの需要が高まっています。

3D家具の試着体験を活用すれば、家具や家電をどのように配置するかシミュレーションできるため、より商品購入に対するイメージが湧きやすくなります。

参考:6つの業界におけるARの「試着」への活用事例。ECサイトでの販売促進からNFT活用まで

③観光・イベント

3つ目は、観光やイベントでのAR活用です。

こちらは神奈川県の鉄道会社、相模鉄道が2022年3月に実施したARスタンプラリーのイベント「春のそうにゃんスタンプラリー」の事例です。

横浜駅など、相模鉄道の沿線にある3つの大型商業施設の中にARコンテンツを仕込み、それぞれを体験して巡りスタンプラリーをクリアすると特典がもらえるというイベントになっています。 

人口が減少する日本においてはどの地域でも人を惹きつけるコンテンツの制作は重要な課題となっています。

有名な観光資源がない場所でも、ARのようなデジタルコンテンツを活かして場所や地域の魅力を高めていくことは今後益々重要になるでしょう。

参考:ARで「観光・旅行」を楽しく、便利に!最新の観光ARの事例11選と活用方法を解説

④医療

4つ目は、医療分野です。

医療分野では、ミスが許されない「手術」にARが導入される機会が増えています。

MicroSystemsが開発している医療用デバイス「GLOW800」では、患者の器官をARによって認識し、実際に手術を行う術部の器官だけ色を変えて表示することを実現しています。

術部の器官の色を変更することでメスを入れる場所がよりわかりやすくなり、他器官を傷つけてしまうリスクを減らすことができます。

GLOW800

また、執刀経験が浅い医師に対して熟練医師が遠隔で指示を出す際にも、ARで実際の映像を表示すればより詳細な指示を出すことができるようになります。

命を救う重要な医療分野でも、ARの技術は今後ますます導入されていくことが期待されています。

参考:医療分野でのAR技術活用事例8選!診察、手術、学習における利用に期待

ARの代表的な認識方法

ARを現実世界に出現させる条件の違いによって、主に「画像認識型」や「空間認識型」などに分類できます。それぞれの特徴について解説します。

①画像認識型(マーカー型)

画像認識型とは、動き出すトリガーとなる画像やバーコードを「ARマーカー」として設定し、マーカーに向けてカメラをかざして認識させることで、プログラムされた情報を表示させるARのことです。

以下の動画のように、静止画の画像で表現されたTシャツの柄がきっかけ(マーカー)となって立体的なオブジェクトが表示されるなど、印象的な体験を提供することができます。

3Dアニメーションの表示だけでなく、静止画が動画になったり、静止画を認識して音声を流したりすることも可能です。

マーカー型は、以前はQRコードのように四角形などの形状をした以下のような特定のマーカーを読み込ませることでARを出現させていました。

ARマーカー

ですが、2021年現在ではマーカーとなる画像の自由度が低くなってしまうのであまり使われていません。

現在は、上記の動画のように風景などの写真や印象的な画像を認識してARを出現させる方法が主流になってきています。静止画であればある程度は何でもARを出現させるきっかけとできるため、比較的自由度が高い方法といえます。ただし、旧来のマーカー型に比べると画像の特徴点が不十分(シンプルすぎる)だと体験が起動しないなどの問題が生じたり、あるいはARの出現までに時間がかかる傾向にあるなど注意点もあります。

そのため、自由度の高い画像データを活用した画像認識AR(マーカー型)を開発する場合には一般向けにリリースする前に入念なテストをすることをお勧めしています。

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ARで活用するマーカーについてより詳しくお知りになりたいという方は、こちらのマーカー解説記事をご覧ください。

②空間認識型(マーカーレス型)

空間認識型とは、手元のスマートフォンで現在撮影している現実空間の机や壁などを認識して、その地形に合うように情報を表示するARです。

特別なマーカーなどを必要とせずに目の前の空間情報を認識して立体的な表現ができるため、ユーザーがどこにいてもすぐに体験できる手軽なコンテンツに向いている他、家具などのお試しに最適です。家具最大手のIKEAでは、いち早く空間認識を活用した家具の試し置きARを提供しています。

デメリットとしては、白い背景や単色の表面など認識しずらいケースがあることです。そのため、空間認識のARにおいても一般向けにリリースする前に入念なテストが重要です。

③空間認識型(LiDAR型)

なかでも、「LiDAR(ライダー)」は、空間認識において注目を集めている技術の1つです。

LiDARには、センサーを使用して対象物との距離や空間上の配置場所、形状などを正確に把握できるという特徴があります。これまでのカメラの性能では把握できなかったほど詳細に空間を認識できるため、例えばTiktokでは以下のように人の肩やソファに紙吹雪が乗っかるような演出をLiDARを活用したARで展開して話題を集めました。

LiDARのメリットとしては、空間にどのようなものがあるのかを把握するためにこれまで必要だった「十分な明るさ」さえも必要とせずに空間を把握できるようなメリットもあります。iPhone12proではLiDAR技術が搭載されており、これからiPhoneやiPad端末を中心にLiDARを活用したさまざまなアプリケーションが登場してくるでしょう。

④ロケーションベース(GPS型)

ロケーションベース型とは、その場所ならではの場所に紐づくAR体験を提供する方法です。GPSにより提供された位置情報を活用してARを出現させる方法が主なアプローチになります。実店舗を訪れた人を対象とした店舗限定のAR体験などでよく活用されています。そのほかでは、観光名所などの出現エリアを絞り込んでARを出現させる観光目的のコンテンツや、道案内アプリなどにも使われやすいです。

Googleマップではすでに高精度なARを活用したナビゲーション機能も搭載されており、未来を感じさせます。

⑤ロケーションベース(VPS型)

これまではGPSにより提供された位置情報を活用してARを出現させる方法がメインでしたが、さらに「VPS」と呼ばれる画像から位置を特定する技術にも近年注目が集まっています。以下は株式会社OnePlanetによる「住宅街にくじらが出現し、建物につっこんでいく」というAR体験のサンプル動画です。高度な技術を取扱いできる専門業者と連携することで、こちらの動画のように、これまで体験したこともないような高度なロケーションベースのAR体験を提供できるようになってきています。

AR開発に必要な開発環境・使用される言語

ARの開発環境は、AR以外の通常のアプリケーションの開発環境と基本的に変わらず使用する言語に合わせて利用する開発環境を選択します。

例えばスマホ向けのARアプリの開発であればAppleが提供するXcodeや、Googleが提供するAndroid Studioのほか、もともとはゲーム開発の用途が主だったUnityやUnreal EngineもVR・ARに強みを持っていたり、あるいはMicrosoftが提供するVisual Studioなども挙げられます。

①Xcode

XcodeはApple社が提供する開発者向けの開発環境です。MacやiPhone、iPad向けのアプリ開発に向いています。Xcodeの対応機種はMacのみです。Macを所有している人であれば、無料でダウンロードできます。

②Android Studio

Android StudioはGoogleが提供する開発環境です。Androidアプリを開発する際に便利です。WindowsだけでなくMacでも使用できるため、新たにパソコンやOSのパッケージなどを購入する必要がありません。

③Unity

UnityはUnity社により提供されているゲーム開発のための開発環境です。使用できるOSの種類に制限はありません。C#や、JavaScript、Booなどの言語で開発できます。年商10万ドル以下の小規模の企業までは、無料で利用可能です。

④Unreal Engine

Unreal EngineもUnityと同じくゲーム開発のための開発環境です。Epic Games社より開発されたゲームエンジンです。Unreal Engine を使用して AR アプリケーションを構築するための「Unreal Engine AR フレームワーク」が提供されており、iOS と Android の両方に対応しています。

⑤ARの開発に使用される言語

ARの開発に使用される言語は、iOS向けにはSwift、Android向けにはKotlinやJavaが挙げられます。またUnityを使用する場合はC#、アプリではなくWebでARを実装するWeb ARの場合はHTML+JavaScriptが主になります。

開発するARによって使用する開発環境が変わるため、まずはAR開発の目的や、ターゲットとなるデバイスを明確にしましょう。

なお、Web ARについてはAR.jsや8th wallなど様々な方法があり、詳しくは以下の解説していますので併せてご確認ください。

参考:WebARとは?国内外の最新事例12選と共に、WebARの概要やメリット・作り方まで詳しく解説

AR開発に必要なライブラリ

ARの開発には開発環境のほかに、汎用的に使うプログラムをまとめた「ライブラリ」と呼ばれるものも必要です。

ARスマホアプリを開発するのか、ARグラスのアプリケーションを開発するのか、WEB ARを開発するのか、開発予定のARの用途に併せてライブラリを選択する必要があります。また、開発予定のARが決まったとしても、ライブラリによって機能面での特徴が異なるため、慎重にライブラリを選んでいく必要があるでしょう。

特別に複雑な機能を搭載したいなどの理由がなければ、まずはプラットフォームを提供する企業の公式ライブラリを利用するのをおすすめします。

以下ではAR開発に関するおもなライブラリを紹介します。

①ARKit

ARKitはApple社が提供するiPhoneやiPadなどのiOS端末を対象としたARライブラリです。床や壁、天井などを認識したうえで、ラベル付けします。また、人の動きを自動で感知してキャプチャできる機能のほか、ARコンテンツが人の前や背後を通り過ぎるなどの動作を可能にする機能などがあり、リアリティのあるARを実現できます。

参考:AR Kitの使い方をわかりやすく解説!iPhone(iOS)のARアプリ開発キット

②ARCore

ARCoreはGoogleが提供するARプラットフォームです。モーショントラッキング機能により、壁やテーブル、床などがある空間を正確に把握できます。光の量を表す光度も測定できるため、照明の明るさによって異なる表現の提案も可能です。ARCoreは、Androidだけでなく、iOSにも対応しています。

③Amazon Sumerian

Amazon SumerianはAWSが提供するARコンテンツを作成するためのライブラリで、Webページに埋め込めば、仮想ルームなどの3Dシーンの作成が可能です。必要なものはブラウザだけで、ソフトウェアやプログラミングなどの専門知識も不要です。AndroidとiOSで利用できます。

④Vuforia

Vuforiaは画像認識型のマーカー型、マーカーレス型の両方に対応しているライブラリです。サンプルの種類が豊富なため、誰でも作成しやすいという特徴があります。マーカーを自由に変えるなどのカスタマイズも可能です。さまざまなOSに対応しており、自動で変換されるため、OSごとに開発するなどの手間を省けます。

⑤Magic Leap Toolkit

ARグラス、MRグラスなどと呼ばれるヘッドマウント型のデバイス「Magic Leap」専用のARライブラリです。Magic Leap向けのコンテンツを開発する際に必要となる機能が最適化されており、Unityに取り込んで使用します。

Magic Leap向けコンテンツの開発はC系言語やHTML+JavaScriptにも対応していますが、提供されているライブラリはUnityのみになります。

⑥Mixed Reality Toolkit

Microsoftが提供するヘッドマウント型のAR/MRデバイス「HoloLens」のために用意された開発フレームワークです。

HoloLens向けのコンテンツはUnrealまたはUnityで行ないますが、HoloLens向けのフレームワークはUnity版のみ公開されているため、HoloLens向けのARコンテンツを作成する際には使用する開発言語はUnityがほぼ必須となります。

⑦Spark AR

Spark ARはFacebookによってオープンソースが公開されているAR開発用のアプリケーションです。

FacebookやInstagram、Messengerでの使用を目的としたAR開発を想定しています。高度なコーディングの知識や技術が不要なうえに、直感的な操作が可能です。なかでも顔認識に優れており、顔の動きを再現できるオブジェクトを作成できます。

参考:【入門】Spark ARとは?|IVAN|note

⑧Snapchat Lens Studio

Snapchat Lens StudioはSnapchatというアプリを提供しているSnap社が開発したAR専用のソフトウェアで、SNS「Snapchat」の上での利用が可能です。Snapchatとは、自分の顔を変形させたり、画像を装飾したりするなどの機能を楽しめるAR開発ツールです。アプリ内のARフィルターの作成に活用できます。スマートフォンだけでなく、パソコンでも使えます。

Snap社はARグラスの開発にも積極的です。同社のARの動向を知りたい方は、以下の記事も参考になります。

参考:SnapのARグラス「Spectacles」を紹介|ニューロテック企業の買収や最新動向まで

⑨AR.js

AR.jsは、これまで紹介してきたスマホアプリ用のライブラリや、ARグラスのアプリケーション開発のためのライブラリとは異なり、Web ARを開発することができるjavascriptのライブラリです。誰でも完全無料で使用できます。

AR.jsでマーカーにカメラを向けると、専用アプリなど必要とせずにWEBブラウザ上でオブジェクトを動かしたり、表示したりすることができます。他にも、360度動画再生やobjファイル表示が可能になります。それぞれを組み合わせてアニメーション制作も可能です。

AR.js以外にもWeb ARの開発でよく用いられるライブラリとしてA-Frameなどのライブラリも存在します。

ARアプリ開発の手順

AR開発にはどのような流れで行われるのでしょうか。開発における手順について解説します。

①目的にあった開発環境とライブラリを準備する

先述の通り、AR開発には開発環境、開発言語、ライブラリにそれぞれ様々なものがあります。そのため、まずはAR開発の目的に沿って最適な組み合わせを選ぶ必要があります。

開発環境やライブラリは、既存のOSに合うものを選択します。MacなどのiOS向けのARアプリを開発するなら、Apple社のものが有効です。iOSだけでなくAndroidなどの端末に対応できるものを開発する場合は、対象端末の広い開発環境やライブラリを検討しましょう。

②AR体験のデザイン / 企画に沿ったプログラミング

AR開発の目的に沿って開発環境、言語、ライブラリなどを選定したあとは、次に「どのようなARを提供するのか」というAR体験の詳細設計が必要です。その体験デザインに沿ってプログラミングを行います。

なかにはコーディング/プログラミング不要で開発できるARもあるため、自社で開発をしたい場合には社内の能力にあったARを企画することをおすすめします。簡易なARではなくある程度高度なARを提供したい場合には、プログラミング/コーディングが必須になると考えて良いでしょう。

③アプリとして公開する

アプリを開発したら、テスト公開を実施しましょう。対象とする端末のすべてでバグなどが起こっていないかを確認します。テスト公開を行い動作に問題がなければ、正式にアプリを公開できる段階にたどり着きます。

スマホアプリであればAppStoreに公開申請をしますが、スマホではなくMRグラスであっても同様です。

例えば「Magic Leap 1」であれば、スマホアプリと同じように「Magic Leap World」と呼ばれるアプリストアに公開申請を行い、Magic Leap社の審査を経てアプリが公開されるような手順となります。

実際に体験できるARアプリを紹介

ここからは、実際にすぐに使えるおすすめのARアプリを7つ紹介していきます。

おすすめARアプリ
  1. IKEA Place
  2. ポケモンGO
  3. Measure
  4. 日経AR
  5. Wanna Kicks
  6. Adobe Aero
  7. アメミル

おすすめアプリ①:IKEA Place

不動産・家具メーカーに衝撃を与えたARアプリといっても過言ではない「IKEA Place」。

世界的な大手家具メーカーがARの技術を使って、家具をARコンテンツとして配置できるアプリを作ったことは大きく取り上げられました。

購入を検討している家具を選んでカメラでかざすだけで、現実世界に家具を配置することができるようになります。

これまで、家具を購入する際には、部屋のサイズに合うようにサイズ確認しなければなりませんでした。

しかし、IKEA Placeがあれば簡単に家具のサイズ感を把握することができるようになりました。

インテリアに家具が合うかどうかも把握できるため、ぜひIKEAで気になる家具がある方は「IKEA Place」を利用してみてください。

参考:【考察】IKEAのARアプリ「IKEA Place」とは?ARがもたらす大きな変化と小売の未来

おすすめアプリ②:ポケモンGO

もはや、使ったことのない方の方が少ないと言っても過言ではないかもしれませんが「ポケモンGO」はARゲームの走りともなったスマホゲームです。

あたかも実際の世界にポケモンが現れているかのように感じることができるため、数多くの人がポケモンをゲットできる感覚を楽しんでいます。

ポケモン好きにはたまらないARゲームでもあるため、まだチャレンジしたことのない方はぜひダウンロードしてみてください。

参考:【解説】ポケモンGOのARの仕組みとは?ARゲームの草分けになった背景と、Niantic社の最新動向まで

おすすめアプリ③:Measure

「Measure」は、2018年のWWDCでアップルが発表した現物採寸アプリです。

iPhoneのカメラで捉えた物体をタップするだけで、物体の長さや奥行き、距離などを測ることができる非常に便利なアプリです。

家具の寸法を測る際やDIYをする時に部品の長さや大きさを測る際に簡単に利用することができます。

いちいち測るのが面倒くさいと感じている方は、ぜひとも「Measure」を使ってみてください。

おすすめアプリ④:日経AR

近年、売上が伸び悩んでいる新聞業界においてもARの技術は広く採用されています。

日経ARをインストールして、紙面にある「日経AR」マーカーにかざすだけで、ARで映像や音楽などのコンテンツが表示されます。

テキストだけではわかりにくい情報を理解する上でも非常に役立ちます。

日経新聞を購読している方は、ぜひインストールしてみてください。

おすすめアプリ⑤:Wanna Kicks

スマホにかざすだけで、実際にスニーカーを履くことができる優れもの「Wanna Kicks」。

ネットでスニーカーを購入すると、サイズ感・色合いが思っていたものと違ったりすることがよくありますよね。

しかし、「Wanna Kicks」を利用すればARによってサイズ感や色合いを簡単に把握できるため、思っていたものと違うものを買ってしまうリスクはありません。

ナイキやアディダス、VANSなどさまざまなブランドのスニーカーを履くことができるため、とても便利です。

おすすめアプリ⑥:Adobe Aero

Adobeが2019年に発表したAR体験制作ツールの「Adobe Aero」は、現実空間に3Dモデルをサクッと作成できてしまう優れもの。

PC版では、Photoshopやillustratorとも互換性があるため、さまざまなアニメーションを自分で作ることができます。

アプリでは、作ることよりも実際に体験することに重きが置かれており、すでに用意されている3Dモデルを簡単に現実世界に配置することが可能です。

また、配置だけではなく自分で自由に動きをつけることができるため、AR制作を体験する意味ではこの上ない便利なツールであることがわかります。

おすすめアプリ⑦:アメミル

気象レーダーARアプリの「アメミル」は、降雨情報をリアルタイムで確認することができるアプリです。

もちろん、雨雲レーダーのように現時点での雨雲の動きなどの情報を得ることも可能ですが、注目したいのは3D/ARの機能です。

カメラを起動して雨が降っている方角を見ると、画面上で雨が降ってきます。

これにより、雨がどの方角からどの程度降ってくるのかを理解できるため、より正確に降雨量を予想することができるようになります。

ゲリラ豪雨なども多い夏にはもってこいのARアプリなので、興味のある方はぜひ利用してみてください。

AR開発における注意点

AR開発は、「ユーザーの現実空間」というデジタルだけでは完結しない環境に大いに依存します。

そのため、ロケーションベースのARであれば現地での入念なテストが必要ですし、ロケーションを限定しなくてもユーザーの利用が想定される端末での厳密なテストが必要になります。テストが不十分な場合、「体験できると思ったのに、体験できない」というトラブル・事故を抱えてしまうことが多いです。

また、ARは性質上、位置情報やユーザーの顔認識など、個人情報に関する情報を取り込む場合が多いでしょう。入手した個人情報を守るために、サイバー攻撃などのセキュリティリスクの対策が必要となります。

法律に準じたルールや取り扱いを行いましょう。また、ARを使用した際に起きた事故の責任の所在も明確にしておくと、トラブルが防げます。

最適な技術の選定は慎重に

これまではAR開発で主流だったアプリの開発ですが、近年では自社のビジネスにARを導入する方法としてアプリ以外の選択肢も出てきています。

今回紹介してきたARアプリの開発も含めて、主に以下の3つの方法があります。技術の選定はニーズに合わせて慎重に行いましょう。

ARを店舗に導入するための方法
  1. ネイティブアプリ
    こちらの記事で紹介してきたARのメジャーな開発手法です。ユーザーにはアプリをインストールをしてもらうハードルがありますが、ポケモンGOのようなアプリに代表されるように、高度なAR体験の開発に適しています。開発コストが高くなりやすい点は特徴ですが、作り込まれた自社専用のARアプリを開発したい場合には適した技術となります。
  2. InstagramなどのSNSのARカメラ
    専用アプリをインストールしなくても、多くの人のスマホにすでにインストールされている点がメリットです。また、比較的安価かつ手軽にARコンテンツの制作が可能な点もメリットです。デメリットとしてはプラットフォーマーとしてInstagramを運営するMeta社の規約に沿って開発をしなければならず、できることが限られてしまいます。また、Instagramのアプリをインストールしているユーザーしか利用できないといった点も課題になります。
  3. WebAR
    専用アプリが不要、かつプラットフォーマーによる規約などないため普及が加速している技術です。特に店舗ARであれば、位置情報で体験できる場所を制御してお店限定の体験を作ることもできます。リアルビジネスでARをうまく活用したいニーズがある場合、技術的に最適なWEB ARは普及が進むでしょう。GPSやCookie等を活用したさまざまなARアプリケーションを手軽に提供することができます。

これ以外にも、「ARグラス」を活用したユーザー体験の開発を行う手法もあります。

どのような技術を活用していくのかは、ARを導入したい事業の目的や予算に応じて最適なものを選定する必要があります。

AR技術に特化した外部の開発パートナーを選ぶ

AR開発を内製化したい場合には適切なエンジニアの確保からスタートすることが必要ですが、AR開発には高い専門性が求められるため、きちんとしたARを開発したい場合には専門性の高い外部のパートナーと共に取り組むことが最適でしょう。

外注する際は、自社が目指すものを明確にしたうえで、具体的に依頼内容を伝えることが重要です。また、外注先によって依頼費用は異なるため、自社の予算にあった企業を探しましょう。

ノーコードでWebARを制作できるツールも登場

特に、ユーザーに専用アプリのインストールをさせる必要のない「WebAR」は、従来のARアプリの開発に追従して人気が高まっています。

ストレスなく多くの方にARを利用してもらえる仕組みから、今後も普及が加速していくと考えられるでしょう。

そしてさらに進んだ選択肢として、もともとWebARを活用したキャンペーンは0から開発する事例が主流でしたが、最近では写真や画像をアップロードするだけで、プログラミングをしなくてもノーコードで簡単に場所限定のWebARコンテンツを制作できるツールも登場してきました。

こちらの「LocationAR(ロケーショナー)」というツールでは、ARコンテンツの制作からGPSによる位置情報の制御、ARを使ったスタンプラリーの制作まで、プログラミングの知識や外部の制作会社を必要とせずシステムの中で簡単に行うことができます。

AR COW
ロサンゼルスの焼肉店で制作された可愛いキャラクターが出現する「お店限定のAR」の事例

他にも様々な業界でWebARの手軽な導入が進んでおり、プログラミングをせずに簡単にオリジナルのWebARコンテンツを制作するツールを検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

こちらの記事では、ARアプリの開発について紹介させていただきました。

本メディア「ARマーケティングラボ」を運営する株式会社OnePlanetでは、これまでスマホのARや、MRグラスを活用したアプリケーションなど、AR技術に関する様々なアプリケーションを開発・提供してきました。

MRグラスアプリのような高度なAR開発から、AR技術を活用したソーシャルマーケティングメタバース関連の技術支援まで含めてARに関する全てをワンストップで手掛けています。

AR開発について関心がある企業やブランドの担当者様は、まずはお気軽にご相談くださいませ。

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