ARはいま最も人気のあるスマートフォンのアプリコンテンツですが、ARアプリの種類もさまざまです。そもそもARアプリはなぜ人気で、どのような使い方があるのでしょうか?今回は、ARアプリが人気の理由や、すぐに使える無料のARアプリについて紹介していきます。
目次
ARアプリが人気の理由
スマホ向けのARアプリが人気の理由としては、主に3つの理由を挙げることができます。
- 豊かな情報伝達ができるから
- 印象的なエンターテイメントを手軽に実現できるから
- スマホで利用できるから
理由①:豊かな情報伝達ができるから
1つ目は、ARによって豊かな情報伝達が可能であるという点です。ARは日本語では拡張現実(Augmented Reality)と訳され、現実の世界には存在しないオブジェクトをARカメラを通じて出現させることができる技術です。
今までの映像技術では二次元に限定されており平面的な情報にとどまっていたため、できることには限界があったと言えます。例えば、ぬいぐるみの宣伝をするにしても映像でイメージを伝えるにとどまり、ぬいぐるみの「立体感」を伝えることは難しいものでした。また、3D技術も存在していましたが、あくまで従来の2次元空間を立体的に「見せる」にとどまっており、おおよそぬいぐるみのリアリティを伝えるには及びませんでした。
しかし、ARでは原寸大のぬいぐるみを、まるで自分の部屋に置いてあるかのように投影することが可能です。正面の様子だけでなく、側面や背面などぬいぐるみのありとあらゆる部分を好きなだけ眺めることができるようになったのです。これによって、実体を伴う商品などについては、より臨場感のある形で消費者に届けることが可能になりました。
理由②:印象的なエンターテイメントを手軽に実現できるから
2つ目の理由は、従来の映像表現よりもインタラクティブで印象的なエンターテイメントを実現できる点です。これまでの映像コンテンツは、ただ映像を眺めるだけにとどまり、視聴者は受動的な体験に限定されていました。
しかし、ARの場合は映像を能動的に楽しむことができるようになっています。ARで表示されたオブジェクトを自由に閲覧したり好きなように地面に植物を生やしたりして、ARの世界を自由に楽しむことができます。
現実と仮想の世界が自分の行動1つで線引きがつかなくなっていくような感覚を、ARでは体験することができます。この点は、VR(仮想現実)にはない特徴であると言えます。
理由③:スマホで利用できるから
ARが魅力的なのは、スマホでも気軽に利用することができる点にもあります。ARと同様にVR(仮想現実)は非常に注目度の高い視覚技術で、ARとは違い目の前に表示されるすべての世界が仮想空間となります。現実とは全く切り離された世界を楽しむことができ独特の世界観に没入することができますが、ネックとなるのがVRゴーグルの存在です。
VRの利用には専用のVRゴーグルが必要となり、スマホだけでは体験することができません。質の高いVR体験となると、高価なVRゴーグルが必要になるため、手軽に体験したりコンテンツを制作したりという手軽さに欠けるのが欠点なのです。
一方、ARは特殊なゴーグルを必ずしも必要とはせず、スマホさえあれば気軽に利用できるのことが魅力です。ハードウェアはすでに多くの人が所持しているということにもなるため、VRに比べて利用のハードルが非常に低いのです。
ARアプリの主な種類と使い方
続いては、ARアプリの主な種類についてご紹介していきます。一般的にARは3つの種類に分けることができ、それぞれ異なる用途での活躍が期待されています。
- マーカー型
- 空間認識型
- GPS型
種類①:マーカー型
1つ目は、マーカー型と呼ばれるARアプリです。その名の通り、QRコードのようなマーカーをARカメラで認識し、マーカー部分に3Dで動き出すキャラクターなどを表示させることができます。
近年、ARマーカーは非常に簡単に作成できるようになっており、誰でも手軽にARを体験できるサービスも見かけます。また、専用の模様を読み込むだけでなく、最近はマーカーではなく写真や絵などを読み込むことで、ARを呼び出すことができるようにもなってきました。QRコードなどとは異なり、ビジュアルに影響を与えることなくARを体験できるのは嬉しいメリットと言えるでしょう。
種類②:空間認識型
2つ目は、空間認識型と呼ばれるARです。ARカメラを通じてアプリが自動でカメラが捉えている空間の奥行きや広さを計算し、空間に沿うような形でARオブジェクトを表示することができます。
まるで本物のそれが身近な空間にやってくるような感覚を味わえるため、AR体験としても人気の高い種類となっています。家具の設置や等身大の動物の表示など、さまざまなジャンルで活躍するのがこのタイプのARです。
種類③:GPS型
3つ目は、GPS型と呼ばれるARです。その名のとおり、スマホの位置情報サービスを活用してARコンテンツを表示するアプリで、ARゲームや地図アプリなど、ユーザーの位置情報を有効活用する分野で活躍します。
ユーザーが今どの場所にいるのかをGPSを使って算出し、それに合ったナビゲーションやコンテンツの配信を行うといった使い方が一般的です。町おこしのためのARイベントなどにおいても、散歩を誘発するための施策として導入することもできるでしょう。
無料の人気ARアプリ:ゲーム編
ここからは、スマホで体験できる無料の人気ARアプリを紹介していきます。まずは、「ゲームアプリ」を紹介しましょう。
ポケモンGO
画像引用元:ポケモンGO
スマホのARゲームといえば、やはりポケモンGOが初めに挙げられるでしょう。2016年にサービスを開始して以来、怒涛の人気で世界を席巻し、今やARゲームの代名詞にもなった作品です。
ゲームシステムとしては、位置情報サービスを用いている点が特徴です。プレイヤーはポケモンのいる場所まで移動しポケモンを捕まえたり、ポケモンジムに設置されたポケモンと戦ったりと、本家ポケモンさながらの体験を楽しむことができます。ポケモンゲットのシーンでは、ARカメラで現実世界にポケモンを表示させるような楽しみ方も可能で、本当に現実にポケモンが生息しているような体験ができることも魅力です。
Minecraft Earth
画像引用元:Minecraft Earth
Minecraft Earthは、世界中で人気の高いゲームである「マインクラフト」シリーズのARバージョンです。マインクラフトは架空の世界を舞台に自由に地面や山を削り、木を切り倒して家を建てたりといったクリエイティブなブロック遊びを楽しめる作品です。そんなマインクラフトならではのクラフト体験を、ARで現実世界でも体験してしまおうというのがMinecraft Earthです。
ARカメラで現実世界をベースに遊びつつも、実際のクラフトシーンではマインクラフトならではの立方体を組み立てる体験をしっかりと楽しむことができます。まるで現実世界とマインクラフトの世界が一体化したような、虚実入り混じる不思議な体験が魅力の一本となっています。
AR HAKKEYOI
画像引用元:AR HAKKEYOI
AR HAKKEYOIはARで楽しむことができる相撲ゲームで、円形のオブジェクトをARカメラでとらえることにより機能するユニークな遊びです。相撲といえば特徴的なのが円形の土俵ですが、AR HAKKEYOIではプレイヤーが自由に土俵をARカメラで選ぶことができます。
コップの裏面やマンホール、テーブルなど、好きな場所で力士を戦わせることができ、なんともユニークな景色をARで楽しむことができます。ポケモンGOのように深くやりこむようなゲームではありませんが、ARカメラの認識能力や、ARでどのようなことができるかを考える上では非常にためになるアプリです。
ペチャバト
画像引用元:ペチャバト
対戦型のARアプリゲームとして登場したのが、ペチャバトです。ARカメラを使って、対戦相手や的に弾丸を撃ち込み、スコアを競うのがベースのシューティングゲームとなっています。
特徴的なのは、対戦ゲームだけあってAR空間を他者と共有できることです。これまでは個別にARを楽しむのが主流でしたが、AR空間も他者と共有できるようになれば、その世界は大きく広がっていくでしょう。センサーや専用のハードを必要とせず、優れた対戦機能を搭載している点も評価の高いゲームとなっています。
無料の人気ARアプリ:ライフスタイル編
続いては、日常的に使えるライフスタイル系のARアプリを紹介していきます。
IKEA Place
画像引用元:IKEA Place
IKEA Placeは、人気北欧インテリアブランドのIKEA(イケア)が展開するARアプリです。スマホを使って、ARでIKEAの家具を好きな場所に配置することができるため、家具のサイズがわからない場合や、家のインテリアに合うかどうかを調べたいときに重宝します。IKEAにとっては良い販売促進になるだけでなく、ユーザーにとっても買い間違いを恐れる心配がなくなるので、IKEAがより身近な存在となるでしょう。
クイバー 3Dカラーリングアプリ
画像引用元:クイバー
クイバーは、いわゆるAR塗り絵を楽しむことができるアプリです。クイバーで表示される塗り絵を実際の紙に印刷し塗り絵をすることで、ARカメラに通せば実際にそれが動く様子を楽しむことができます。毎度異なる塗り絵が動き回る様子を楽しめるため、小さな子供にとっては魅力的な体験となるでしょう。
今最も人気のあるSNSの1つであるInstagram(インスタグラム)ですが、こちらもARカメラを有したアプリです。ARカメラを使えば、顔や写真へ自由にフィルターをかけることができ、派手な演出を自由に楽しむことができます。驚くべきはその種類の豊富さで、シーズンごとに使用できるフィルターも異なるため、いつまでも遊び続けられるのが大きなポイントとなっています。
無料の人気ARアプリ:サイエンス編
充実のコンテンツを体験できるARアプリでは、サイエンスや教育関連のアプリも充実しています。
Complete Anatomy 2021
画像引用元:Complete Anatomy 2021
Complete Anatomy 2021は、実際にARカメラで捉えた人間にフィルターをかけ、動く人体模型のように体の構造を映し出すことができるアプリです。人体模型は体の骨や筋肉の構造を把握するのに役立つ存在ですが、このアプリを使って人間をとらえると、人体の中身が映し出されます。360度体の隅から隅まで正確に人間の解剖図が投影されるので、立体的に人間の構造を掴みたい場合には非常に役立つアプリです。
JigSpace
画像引用元:JigSpace
JigSpaceは、ARで自由に地球やエンジンなど複雑な構造物を呼び出し、立体的に閲覧することを可能にするARアプリです。スマホカメラでも捉えられる小型サイズに縮小した価値で体験でき、外側だけでなく内部まで精巧に再現された構造物を見ることができます。ものの裏側から内側まで、しっかりと観察することができ、化学の授業などにも応用させることができそうです。
iScape
画像引用元:iScape
iScapeは、園芸や家庭菜園を楽しむ前に使ってみたいARアプリです。ARカメラで植木鉢や畑をとらえることで、仮想的にARの花や植物をそこに植えることができ、実際に植える前にあらかじめ開花した際の雰囲気を確認することができます。草花の種類は非常に豊富なため、幅広いガーデン趣味のユーザーにおすすめできるアプリです。
まとめ
ARアプリにはいろいろな種類があり、用途や応用方法もさまざまです。無料でも質の高いアプリが多数公開されているため、一度使ってみながらその使用方法を模索してみると良いでしょう。
コロナの影響で高まっている非接触型のプロモーションへの注目や、Apple社の新デバイスや5Gの普及等が重なって、ARの注目度はますます高まっています。
最近では開発会社に制作を依頼しなくても、コンテンツをアップロードするだけでアプリ不要のWebARを制作できてしまう「プラネター」というノーコードのAR制作ツールも提供されています。
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