
新しい家具を買うときって、なんだかワクワクしますよね。でも、「このテーブル欲しいけど、部屋の雰囲気に合うかな?」「あのソファすごくイイけど、幅が大きすぎないか心配!」という心配も尽きません。実は、そんなお悩みをスマートフォンのARで解決できるんです!
家の中で家具を設置したい場所をスマートフォンのカメラで映せば、リアルな大きさで家具が出現!設置イメージをシミュレーションできます。もう家具を買うときの、あらゆる心配事とはおさらば!
この記事では、家具ARアプリの特徴や、実際にARでシミュレーションできるアプリ・サービスを紹介します。使い方も解説するので、ぜひダウンロードして試してみてくださいね。
目次
ARの家具アプリの特徴は?
AR家具アプリの特徴は、実際に部屋に設置したイメージがわかることでです。シミュレーションが難しかった家具を、試着感覚でどんどん試せるのはとても便利ですよね。
家具の設置シミュレーションができるアプリとして代表的なのは、IKEAのアプリ「IKEA Place」です。IKEAの事例をベースに、家具ARの特徴と技術の変化について理解しておきましょう。
もともとはマーカーを使ったARが主流だった
もともと、家具ARアプリは専用アプリのカメラでトリガー(マーカー)となる画像をかざすと3Dの商品が飛び出してくるタイプが主流でした。
こちらの動画は、IKEAがカタログにARを導入した当初もプロモーション映像です。部屋の中にIKEAのカタログを置いて表紙をカメラで映すと、家具が飛び出してくるというシンプルなものです。
大きさや向きなどの精度にやや難はあるものの、部屋の中に家具を置いた際のイメージができるということで注目を集めました。映像からも、あれこれ工夫してとても楽しそうに撮影している雰囲気が伝わりますね!
AR技術やデバイスの発達により家具のサイズ感がリアルにわかるようになった
2017年頃、ARアプリは大きな変化を遂げました。大手IT企業のAppleとGoogle、それぞれがARプラットフォーム(※)をリリースしたことにより、スマートフォンで実現できるARの精度が劇的に向上。スマートフォンやタブレットのカメラ・センサーを使って、目の前の物体の奥行や幅をリアルタイムで計測できるようになったのです。これにより、家具ARアプリもよりリアルなシミュレーションが可能になりました。
IKEAの家具ARアプリも、「IKEA Place」としてニューリリース。アプリから気になる家具を選んで室内をカメラでかざせば、ほぼ原寸通りの家具イメージを仮想配置してくれます。もう、メジャー片手に売場と家の設置場所をうろうろすることはありません。家具ARアプリによって、サイズが合わずに置きたかった場所に入らないといった事態も防げるというわけです。
なお、IKEA Placeに関してはこちらで詳しく解説しています。
※:AppleはiOS向けの「ARKit」 、GoogleはiOS・Androidで使用できる「ARCore」をリリースしました。ただし、これらのプラットフォームに対応していない端末では、計測などの機能は使用できません。
ARの家具アプリの意義
ARの家具アプリを使えば、実際に部屋に置いた際の大きさ・柄・雰囲気などをリアルな感覚で確認できます。家具をARでビジュアライズできるようになったことで、店舗の役割やネット通販のあり方が大きく変化しています。
店舗は商品により生み出される暮らしやブランドメッセージを体感する施設になった
画像引用元:IKEA
商品の吟味やイメージは、ARであらかた済ませる方向にシフトしています。店舗は、家具を購入することによって生み出される価値や暮らし、ブランドメッセージを体感できるショールームになっていくのではないかと考えられます。
たとえば、2020年6月にオープンした、国内初の都市型IKEA「IKEA原宿」。限られたスペースをうまく活かせるよう、ARを使ったシミュレーション・シンプルなディスプレイ・効率良く店内を回遊できるレイアウトなど、IKEAで実現できる都会の暮らしを存分に体感できる店舗になっています。従来の大型店舗のように「家具を買いにIKEAに行こう!」と休日の朝から車を走らせていくのではなく、買い物ついでにぶらりと立ち寄れるコンビニのような、IKEAの新たな価値をしているんですよね。
これからの店舗は、こうした今までにない価値や過ごし方などを演出する施設になっていくのかもしれません。
ECサイトの問題点をARが解決する
ARは、ネット通販などのEC市場でも注目を集めています。従来のネット通販で障壁となっていた「試着できない」「イメージできない」という問題点を、ARが解決できるのではないかと期待されているからです。ARの家具アプリが出現する前までは、気になる家具があってもネットで購入するのは勇気が要りましたよね。そうした問題点を解決し、購入までシームレスに実施できるのは、「AR×ネット通販」の新たな強み・価値とも言えるでしょう。
IKEAだけじゃない!代表的なAR家具アプリ
家具ARアプリと言えばIKEAが有名ですが、IKEA以外にも家具の配置シミュレーションができる仕組みを導入する企業が増えています2020年8月現在、公開されている家具ARアプリを3つ紹介しましょう。
- LOWYA
- RoomCo AR
- Amazon ARビュー
LOWYA
画像引用元:LOWYA公式ホームページ
LOWYAは「試し置き、はじめました。」をコンセプトに、2019年に開始した家具の3Dデータを仮想配置できるサービスです。ネットショップに掲載されている商品のうち、およそ600品アイテムがAR表示に対応しています。
LOWYAの特徴は、ブラウザベースのARという点です。専用アプリをダウンロードする必要がなく、ほかのAR家具アプリとの差別化をはかっています。公式サイトでぱらぱらと商品を見ていて、気になる商品をすぐにシミュレーションできるのは嬉しいポイントです。
ただし、現在ではiOS12.1以降のSafariのみの対応。残念ながらAndroid端末ではAR機能は未対応です。今後ぜひAndroidでもシミュレーションできるようになって欲しいですね!
実際に、LOWYAの通販サイトでARを試してみました。リビングの照明をシミュレーションしてみます。
AR対象商品の中から、カテゴリを選んでシミュレーションしたい商品を選択。
「ARで試し置き」をタップし、カラーバリエーションを選ぶとカメラ画面が立ち上がります。ナビゲーションに従って、しばらくスマートフォンをゆっくり動かします。
測定が完了すると、商品の3DCGが実物大で表示されました!現在使っている照明と比較できるため、イメージがわきやすくて便利です。天井までの距離があるせいか、ARで出現するまで少しだけ時間がかかりましたが、ストレスになるほどではありませんでした。
使い勝手は、一時期話題となったGoogle検索の動物表示機能と同じです。とてもシンプルなので、AR初心者の人でも使いやすいですよ!
RoomCo AR
画像引用元:RoomCo AR
「インテリアを試着する」をコンセプトに、20以上のブランドから販売されている家具やインテリア雑貨の実物大 3Dデータを収録。サイズや色を確認しながら、試着感覚でインテリア選びができます。
お気に入りのブランドを組み合わせたコーディネートのシミュレーションができるのが強みですね。家具のカテゴリから、設置したいものを選びます。
実際に、RoomCo ARを試してみました。今回は、「カリモク家具」のベンチソファでシミュレーションしてみます。
アプリを起動し、家具カテゴリからシミュレーションしたいものを選びます。
カメラモードはこんな感じです。すでに置いてあるソファとの大きさを比較してみたかったので、後ろに配置してみます。黄色い小さな粒が、壁や床を認識しているようです。
表示エリアの「+」をタップすると、ソファがARで表示されました!想像してたよりもだいぶ大きめで、我が家の狭いリビングには窮屈そうです……。影の表現までついていてすごくリアル!
座る部分に寄ってみると、布の色味や質感がとてもリアル!本物を撮影している錯覚に陥るほどでした。
家具は複数設置することもできます。試しに、ニトリで見かけて気になっていた鉢カバーを置いてみました。幅・高さともに17センチしかないため、サイズどおりならわりと小さめな表示になるのですが……
2つ同時に設置できました!サイズ感が結構リアルです。ちょっと鉢カバーが大きめかな?という気がしますが、部屋の雰囲気と合っているかどうか見るには十分に感じました。鉢カバーの中身までちゃんと3Dデータであるのに感動!
ちなみに、ブランドごとの家具選択もできます。「このブランドでそろえたい!」とこだわりがある人でも使いやすいですよ。
YAMAHAのピアノや、ソニーのテレビもARシミュレーションに対応しています。YAMADA電機は家電ではなく、ダイニングベンチやソファなど、家具のみのラインナップとなっています。
Amazon ARビュー
収録されているブランドは次のとおりです(2020年8月現在)。
- ACME Furniture
- UP TOWN
- IDEE
- unico
- 大塚家具
- CAINZ
- カリモク家具
- カリモク60
- KEYUCA
- KENT STORE
- DNP Art Mall
- 島忠・ホームズ
- journal standard Furniture
- SEMPRE
- source
- ソニー
- ニトリ
- Francfranc
- MARUNI60
- 無印良品
- MOMO NATURAL
- ヤマダ電機
- Yamaha
- Re:CENO
- LIVING HOUSE
Amazon ARビュー
Amazonの商品ページ内の「部屋に表示(ARビュー)」という表記があれば、ARビューを体験できます。正式な数は不明ですが、かなりの商品数が対応している印象を受けました。
Amazon ARビューで、テレビを設置するシミュレーションをしてみました。
ガイドに合わせてスマートフォンを動かすのですが、ガイドによると床→壁に向けないとARを出現させられないようです。リビングのテレビと大きさ比較をしたかったのですが、断念しました。
テレビが登場しました!家電量販店でみかけるような、メーカーや大きさの表記がそのまま残ってくれているのでイメージしやすいですね。少し認識が不安定で、壁の上側に上がっていってしまったのですが、部屋の色味や照明の関係もあるかもしれません。ARが出現するためのガイドは、ほかの家具ARアプリよりも丁寧に感じました。
商品検索・ARシミュレーション・気に入れば購入まで完了してしまうので、ARとネット通販の相性の良さを感じました!
Amazonこんな機能あったの!?
全然気付いてなかった。
すごい。
#Amazon #ARビュー pic.twitter.com/o3RDocLbFj— いく@ スタートアップ歯科医師(矯正)手抜き家事・育児中 (@ikuorthodontist) June 14, 2020
SNSで試したみた人もたくさんいらっしゃいました。
AmazonのARビュー面白い pic.twitter.com/dihXblXMyI
— はやし こうへい (@haayaahei) May 24, 2020
まとめ
家具ARアプリの特徴や事例を紹介しました。数センチ程度の誤差はあるかもしれませんが、サイズ感や色味をここまで簡単にシミュレーションできるのは本当にすごい!ぜひ試してみてくださいね。