
オリジナルのARエフェクトが開発できるSpark AR。
今では多くの企業がプロモーションやマーケティングに活用しています。
若い女性を中心に多くの一般ユーザーがインスタグラムを利用する中、この流れに乗り遅れまいと自社のブランディングや商品の認知拡大を目的して多くの企業が活用を始めています。
ARエフェクトの開発において、必須かつもっとも重要な工程が企画です。
企画の内容によって、多くのユーザーに使ってもらえるエフェクトになるかどうか大きく影響するからです。
今回は、エフェクトの企画を考える際に必要なSpark ARの機能についてはもちろん、企画を進める上で注意したいポイントまで紹介します。
初めてARエフェクトの開発に取り組む企業担当者はもちろん、思っていた以上の成果が出せずにどのように運用をすれば良いのか迷っている方も、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Spark ARとは?
画像引用元:Spark AR
「ARエフェクト」は、ストーリーカメラでさまざまな演出を楽しめるカメラエフェクトのことです。
2019年から誰でもオリジナルのARエフェクトを開発して公開できるプラットフォーム「Spark AR」が公開され、ユーザーがストーリーで利用できるARエフェクトの種類が大幅に拡大していることも大きな特徴です。
ユーザーの動きや表情に反応して様々な演出が豊富で、より楽しくインスタグラムを楽しめる点から、ARエフェクトは大変人気のある機能です。
関連記事:インスタグラムのストーリーエフェクト使い方から検索方法、保存機能までを詳しく解説
Spark AR Studioで提供されている機能を解説

続いては、Spark AR Studioで提供されている機能を詳しく解説していきます。
- 顔と表情の認証(Face Tracker)
- 手の認識(Hand Tracker)
- 人物切り抜き(Segmentation)
- 平面認識(Plane Tracker)
- 画像認識(Target Tracker)
- 3Dモデルの配置
- 音源の再生
機能①:顔と表情の認証(Face Tracker)
Face Trackerを使用すると、顔を認識したり表情の動きを検出することが可能です。
また、複数人の顔を同時に認証することも可能です。
Face Trackerでできること
- 顔の動きの追跡
- 5人まで同時認識
- 瞬きの認識
- 口の開きの認識
実用パターン①:顔への装飾
顔を追跡する機能を活用して、装飾する方法です。
非現実的な演出をすることで、気軽にコスプレをするような体験を提供することができます。
実用パターン②:口の開きに反応するエフェクト
口の開きの認識して、口を開いたら特別な演出を行うことも可能です。
エフェクトのインタラクション性が高まり、特に複数人で使用するシーンで盛り上がる効果が期待できます。
機能②:手の認識(Hand Tracker)
Hand Trackerを使用すると、手を認識して位置を追跡することができます。
Hand Trackerでできること
- 手の認識(片手1本のみ)
- 手の位置の追跡
実用パターン①:手の動きに反応して演出が変わるエフェクト
手を追跡する機能を活用して、時間を止めるような演出をする例です。
手に反応して演出を変える他に、手から炎を出すような演出も実現可能です
機能③:人物切り抜き(Segmentation)
Segmentationを使用すると、背景から人物部分のみを切り取ることができます。
Segmentationでできること
- カメラ内の人物部分の認識
実用パターン①:背景を置き換えるエフェクト
Segmentationを活用して、背景を別の画像に置き換える方法です。
公式がテンプレートを提供しているので、素材画像を作成すれば比較的実現しやすい実用パターンです。
機能④:平面認識(Plane Tracker)
Plane Trackerを使用すると、現実世界の水平面を認識することも可能です。
Plane Trackerでできること
- 平面の上に3Dモデルを配置
実用パターン①:平面に3Dモデルを配置するエフェクト
Plane Trackerを活用して、平面の上に3Dモデルを配置する方法です。
平面を認識して配置することで、まるでそこにいるようなリアリティを演出することができます。
機能⑤:画像認識(Target Tracker)
Target Trackerを使用すると、画像を認識することも可能です。
対象となる画像には、認証を安定させるためにいくつか要件があるため、公式のリファレンスを確認しておきましょう。
Target Trackerでできること
- 登録したターゲット画像の認識
- ターゲット画像の位置の追跡
実用パターン①:カードやポスターを立体化するエフェクト
イベントで入場パスポートをかざすと会場のマップが3Dで表示される例です。
実用パターン②:絵画から3Dモデルが飛び出すエフェクト
絵画を認証して、オブジェクトが飛び出してくる例です。
機能⑥:3Dモデルの配置
Spark AR Studioでは3Dモデルを取り込んで、任意の座標に配置することが可能です。
頂点数は、3Dモデルのサイズとパフォーマンスに最も影響を与えます。オブジェクトごとの頂点の最大数を20,000未満に抑えることをお勧めされています。
対応しているフォーマット形式
- FBX 2014/2015 (binary and ASCII versions)
- gITF 2 (binary and text versions)
- COLLADA / DAE
- OBJ
- DAE
機能⑦:音源の再生
Spark AR Studioでは音声ファイルを取り込んで、再生することが可能です。
オーディオファイルによってできること
- 任意のタイミングで音声を再生
企画を進める際に注意すべきポイント

Spark ARが提供されている機能については理解してもらえたことでしょう。
この章では、企画を進める際に注意すべきポイントを解説します。
- エフェクトを開発する目的を明確にする
- エンジニアとコミュニケーションを取りながら進める
- 併用できない機能があることを認識する
注意点①:エフェクトを開発する目的を明確にする
まず、ARエフェクトを開発する目的を明確することが重要です。
ARエフェクトは、消費者の購買フェーズにより実施する目的と適切な企画が異なります。
事前に自社ビジネスと顧客との関係性や課題を抽出しておきましょう。
注意点②:エンジニアとコミュニケーションを取りながら進める
もし企画担当者が開発者でない場合、完全に実現可能性や工数の見積もりを行うことは難しいです。
時間をかけて企画したエフェクトが実現できない、工数が膨らんでしまって予算内に収まらないといった落とし穴にはまってしまう恐れがあります。
こまめに開発者とコミュニケーションを取ることが、上記のような危険を避ける上で大変重要です。
注意点③:併用できない機能があることを認識する
前章で、Spark AR Studioで提供している機能について解説しました。
企画を進める際に注意したいのは、併用できない機能がある点です。
こちらも開発者とコミュニケーションを取り、企画が実現可能なものかを確認する必要があります。
まとめ
エフェクト企画を行う際に必要な知識と注意すべきポイントについて解説しました。
ARエフェクトの開発には、マーケティングの知識だけではなくテクノロジー技術についての知識も必要になります。
開発メンバーをコミュニケーションを取りながら進めることが大切です。
本メディア「ARマーケティングラボ」を運営する株式会社OnePlanetでは、ARエフェクトの開発、ARを活用したキャンペーン拡散やブランディングにおいて、様々な業界での多数の実績を有しています。
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