
目次
執筆者と概要
この記事は、 ARスタートアップの株式会社OnePlanet所属でMagic Leap 公式の元アンバサダーでもあるSadao Tokuyamaがいよいよ今年日本でも発売されると言われる “Magic Leap 2″ の概要や検証を行った内容を記事化しています。
ML2のExample ハンドトラッキングデモ
総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP#LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/FjDFtpBMbp— Sadao Tokuyama (@tokufxug) September 29, 2022
ML2でWebXR
総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP#LEAPERSJAPAN #WebXR https://t.co/IV9Qe4c3Hs pic.twitter.com/hYZDsKodQh— Sadao Tokuyama (@tokufxug) September 19, 2022

日本未発売のMagic Leap2 の使用は、総務省の技適未取得機器の実験使用申請が必要です。技適未取得のデバイスを使用する場合、上記のような情報を誰もが閲覧できる状態にする必要があります。遵守していない場合、日本の法律上、罰則を受けます。ご注意ください
詳細は以下記事をご覧ください
Magic Leap2に関する技術的な情報はnoteをご覧ください
Magic Leapとは
Magic Leap(マジックリープ)はエンタープライズ向けARグラス型コンピューターで、
ヘッドセットを装着することにより、仮想空間と現実世界を融合した体験ができるツールです。
日本では株式会社NTTドコモが日本の代理店で、Magic Leap社に対して2.8億ドルの出資をしています。
関連記事
Magic Leap 2 の日本販売予定時期
2023年初頭に販売開始予定。
Magic Leap 2の新機能
Magic Leap2の主な新機能は以下になります。
OpenXR

2022年10月2日、OpenXRはネイティブ向けに初期対応しています。
コンフォーマンスは到達していない状態です。
UnityでのOpenXRのサポートは現時点では行っていません。
2022年第4四半期にOpenXRのUnityのサポートを実施する予定でしたが、現時点では、まだ未サポートの状態です。
OpenXRについてはこちらをご確認ください。
WebXR

2022年10月2日、WebXR Viewerが提供されています。(この機能はプレビュー版になります。)
2022年12月にWeb Browser(Beta)が提供されました。
WebXRについてはこちらをご確認ください。
Magic Leap 2 版 #MRTK や @FigminXR を動かしながら #YouTube ライブ配信を実施。
詳細については、以下の記事をご覧ください。https://t.co/aGMV1iAaVp
総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP#LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/phsERxPqdD
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) December 30, 2022
Magic Leap 2 の標準ブラウザ、Web Browser(Beta)は、Google Meetや Microsoft Teams によるオンラインミーティングをサポートしています。
正式なサポートのアナウンスはされていませんが、WherebyやYouTubeライブの配信を行うこともできます。
また、Magic Leap 2 に搭載しているThird-Eye cameraを使用することで、Magic Leap 2で映し出された映像をそのまま配信することができます。
Unreal Engine サポート

Unreal Engineは現時点で開発をサポートしていません。
現在、パイプラインの作成に取り組んでいる状態。
2023年の前半にUE5の開発にアクセスできる予定。
(初期はプレビュー版の可能性が高いと思います。)
ARクラウド:大規模な空間マッピング

Shared Persistenceで空間マッピングデータを、全てのMagic Leap2 に同期することができます。
10万平方メートル(正方形316メートル、東京ドーム2個分の広さ)のマッピングは、2023年秋にリリース予定。
1万平方メートル 正方形100メートル(野球場の広さ)は利用できます。
※ ARクラウド:大規模な空間マッピング は、Magic Leap2 Developer Pro Editionまたは、Magic Leap2 Enterprise Editionのみ利用することができます。
ARクラウド:3D物体検出

2023年夏にリリース予定。
※ ARクラウド:3D物体検出 は、Magic Leap2 Developer Pro Editionまたは、Magic Leap2 Enterprise Editionのみ利用することができます。
Magic Leap 2 マルチユーザーモード
1つのデバイスに対し、複数のユーザー(アカウント)で使用することができます。
認証ディレクトリによるユーザー管理(例:Active Directory)も可能。
2023年春にリリース予定。
※ Magic Leap2 マルチユーザーモード は、Magic Leap2 Developer Pro Editionまたは、Magic Leap2 Enterprise Editionのみ利用することができます。
Magic Leap 2 Iris ID(虹彩)認証

虹彩認証によるログインができます。
2023年春~夏リリース予定
アプリケーションによるシングルサインオンが可能になります。
2023年春~夏リリース予定
※ Magic Leap2 マルチユーザーモード は、Magic Leap2 Developer Pro Editionまたは、Magic Leap2 Enterprise Editionのみ利用することができます。
Magic Leap 2 Enterprise app signing
2023年1月にリリース予定
※ Magic Leap2 Enterprise app singing は、Magic Leap2 Developer Pro Editionまたは、Magic Leap2 Enterprise Editionのみ利用することができます。
Magic Leap 2 Remote app streaming
2023年春にリリース予定。
※ Magic Leap2 Enterprise app singing は、Magic Leap2 Developer Pro Editionまたは、Magic Leap2 Enterprise Editionのみ利用することができます。
Magic Leap 2の特徴
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FOV 対角 70度
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Android OS (Android 10 (Q) API level 29)


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コントローラのトラッキングシステム(2つのオンコントローラカメラを使用している。)


Magic Leap 2の構成
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ヘッドマウントディスプレイ
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コンピュートパック
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コントローラ
Magic Leap 2の性能
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FOV 対角 70度(横45度 縦55度)
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解像度 2.5Mピクセル(1440×1760)(片目)
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CPU:AMD 7nm Quad-core Zen 2 カスタムSoC
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GPU:AMD RDNA 2
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3台の World Camera 113.4度(横100度 縦100度)合計 (横170度 縦100度)
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Depth Camera、RGB Camera、Ambient Light Sensor、
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Eye Tracking Camera(4つ装備)
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6DoFコントローラ
より詳細な情報は以下のページにてご確認ください。
Magic Leap 2公式
Magic Leap 2製品仕様
Magic Leap 2 海外リリースシート
Magic Leap 2の医療規格について
Magic Leap 2 は ARデバイスとして初めて医療規格IEC60601認証を取得しました。
IEC60601とは、医療用を目的とした電気機器の基本的性能と安全性を定める一連の技術規格です。
医療機器は、医療現場での安全に使用できることを想定しているため、IT機器に関する規格、IEC60950より要求は厳しいものとなります。
Magic Leap 2がARデバイスとして初めて医療規格IEC60601認証を取得。https://t.co/VypMuc44Oy #LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/gi5xXPdXum
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) January 6, 2023
Magic Leap 2のソフトウェア
以下からMagic Leap社が提供しているソフトウェアを紹介します。
Magic Leap Assist
Magic Leap Assistは、現地の情報を遠隔地の人達と共有することを可能にします。
Magic Leap 2 を装着したユーザーの映像をウェブブラウザ経由で映像を見ることができ、Magic Leap 2 を装着したユーザーが現地で、
デジタルによる注釈や、ファイル転送などを使ったり、ユーザーとチャットしたり、ガイドしたりすることができます。
AR対応のリモートアシスタンスは、あらゆる業界の複雑なタスクの効率と精度を高めることができます。
Magic Leap 2 コラボレーションアプリケーションMagic Leap Assistを体験してみた。
Magic Leap 2の映像をPCで確認することができたり、空間スキャンしたデータや音声(少し途切れますが。)をリアルタイムで共有することができます。#LEAPERSJAPAN #ONEPLANETXR pic.twitter.com/elGWGamC3L— Sadao Tokuyama (@tokufxug) January 5, 2023
Leap Brush – Collaborative drawing
Leap Brushは、Magic Leap 2 のAR クラウド リファレンスアプリケーションです。
他のMagic Leap 2 と一緒に現実世界の空間でペイントを楽しむことができます。
色とりどりのペイントブラシから、Segmented Dimming(調光)や3Dモデルを配置まで、現実世界の空間をキャンバスにできます。
また、Mac または Linux マシンから、空間上のキャンバスで描いている人たちの映像をリアルタイムに見ることができます。
※ ソフトウェアの導入、ARクラウドなどセットアップが別途必要です。
Magic Leap 2 の標準機能と概要 検証動画など
以下からMagic Leap 2の標準機能と各機能の概要 検証動画を解説していきます。
ハンドトラッキング
ハンドトラッキングは、仮想空間上で手の動きを認識・追随する機能で、
Magic Leap 1 と同様にMagic Leap 2 にもハンドトラッキングの機能が搭載しています。
Magic Leap 2 の MRTK ハンドトラッキングのデモ#MRTK#MRTKv2#LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/R3q1j2200b
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) December 17, 2022
ハンドジェスチャー
ハンドジェスチャーは指や手の回転、動作を認識する機能で、
Magic Leap2 では位置、回転、指の状態、指の長さ、指の角度の取得も可能です。
以下では手を動かすとインターフェイス(緑の画面)で
KeyPose:〇〇という部分が変化しているのが分かります。
Magic Leap 2 の ハンドジェスチャーテスト。
総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP#LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/Ygapij2E5B— Sadao Tokuyama (@tokufxug) November 29, 2022
アイトラッキング
アイトラッキングはMagic Leap 2で視線を追従する機能です。
Magic Leap 2 の MRTK アイトラッキングのデモ#MRTK#MRTKv2#LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/Lv90sZpYSX
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) December 17, 2022
Dimming(調光)
Magic Leap2に独自の光学技術「Dimming(調光)」という新機能が搭載されました。
Dimming(調光)機能は2種類存在します。
1:Global Dimming
コンテンツを不透明にする一方、現実世界の環境が薄暗い状態になります。
Magic Leap 2 の Global Dimmerです。トリガーの押し具合でGlobal Dimmerの値を増減しています。周りが暗くなる分、ユニティちゃんの透過がなくなります。
動画撮影ではGlobal Dimmerの状態が反映しないためスマホで撮影してます。#ユニティちゃん #LEAPERSJAPAN #unitychan pic.twitter.com/jC26u98rWv— Sadao Tokuyama (@tokufxug) November 14, 2022
2:Segmented Dimming
現実世界の環境が薄暗い状態にならず、コンテンツの特定の部分だけを不透明にします。
Magic Leap 2 の Segmented Dimmer、ユニティちゃん(アニメーションモデル)適用してみました。バンパーでSegmented Dimmerの設定ON/OFFを切り替え。Segmented Dimmerの箇所が所々で見えてますね。。。 #LEAPERSJAPAN #unitychan #ユニティちゃん pic.twitter.com/5jqdAVWdfy
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) November 13, 2022
Voice Intent(音声認識機能)
Voice Intentは音声を認識する機能です。
以下の通りMagic Leap2は日本語音声入力にも対応しています。
Magic Leap 2の音声入力は日本語にも対応しています。 総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP #LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/za3pCkP38S
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) November 21, 2022
空間マッピング
空間マッピングはMagic Leap 2が空間をスキャンし、その空間エリアを3次元的に作成します。
ML2 Mesh generation process with two-story house.
1階から2階へ上がりながらメッシュが生成します。2階から1階はトラッキングが不安定でダメでしたが、ライトをつけたらいける?
総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP #LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/HXZu809FLp— Sadao Tokuyama (@tokufxug) October 12, 2022
空間ゲームアプリケーション「Giant Pizza Tower」を提供しました。
参考:OnePlanet、MRグラス「Magic Leap 1」を活用した空間アプリケーション第1弾「Giant Pizza Tower」をリリース!空間アプリケーションの開発パートナー企業募集を開始
平面検出
平面検出はMagic Leap 2が壁や天井、床などを認識する機能です。
以下動画では、認識した壁、天井、床と不明の平面を色分けして表示するアプリケーションの事例になります。
Magic Leap 1 の平面検出はMagic Leap 1 の APIが用意されていましたが、Magic Leap 2 の平面検出はAR Foundationのものを使用します。検出した平面は床、天井、壁のラベルが付与されます。ラベルがない平面が生成されることもあります。または平面が検出されない時もあります。 #LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/jcOzTQdDGS
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) November 15, 2022
空間アンカー
空間アンカーは、仮想空間上でラベルやインターフェイスを表示する際の、起点になる座標や空間を認識する機能です。
マーカートラッキング
マーカートラッキングはArUcoマーカーやQRコード、バーコードなどを認識、追従する機能です。
Magic Leap 2で、バンパーボタンを押すとマーカースキャンを行い、QRコードを追跡します。
Magic Leap 2 の マーカートラッキングでQRコードをトラッキング。(Magic Leap 1 ではカメラ機能を使った場合、撮影できなかったのですが、Magic Leap 2では撮影できました。)
総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP #LEAPERSJAPAN pic.twitter.com/EXh9nhco2p
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) December 11, 2022
関連記事:Magic Leap2 の マーカートラッキング(QRコード)
空間音響
空間音響はMagic Leap 2が空間を認識し、実際の音とバーチャルな音を同時に発生させます。
WebXR
Webブラウザから、クリエイターと開発者がXRコンテンツを作成し、Webブラウザで配布する機能です。
JavaScriptのAPIとして提供されていますが、まだベータ版で動作が不安定です。
以下は配布されているXRコンテンツを適用した動画になります。
Magic Leap 2 で ナウシカ WebXR
お部屋が一瞬にしてナウシカの世界に変わります。総務省 技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の開設届出済(以下、参照。)https://t.co/WB65Ab2HCP… #LEAPERSJAPAN #WebXR pic.twitter.com/a9GQdGPlR8
— Sadao Tokuyama (@tokufxug) November 27, 2022
その他の標準機能
- ビデオ再生
- WebRTC
- MRキャプチャとMRストリーミング
サードパーティー
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MRTK
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Vuforia Engine
Magic Leap 2の価格と各種エディション
日本でも同じエディションを販売するかについては不明ですが、海外の価格は以下になります。
Magic Leap 2 Base $3,299
商用利用向けデバイス。 1年間保証。
Magic Leap 2 Developer Pro $4,099
開発およびテスト目的向けデバイス。開発者ツール、サンプルプロジェクト、エンタープライズグレードの機能、および毎月の早期リリースへのアクセスを提供。商用利用不可。1年間保証。
Magic Leap 2 Enterprise $4,999
大規模なシステムや堅牢なエンタープライズ機能を必要とする環境を対象としている。エンタープライズUEM/MDMソリューションで完全に管理可能なソフトウェアが四半期ごとにリリースが。商用利用可。エンタープライズ向けの機能とアップデートを2年間利用することができます。2年間保証。
Magic Leap 2 の海外のリリース情報
アメリカ
2022年7月15日~2022年9月29日まで、Magic Leap2 Developer Pro – Early Access $3,299が先行販売されました。
アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、サウジアラビア
2022年9月30日に販売開始。
シンガポール
2022年の年末までには販売開始予定。
OnePlanet Tech Magazine
Magic Leap 1、Magic Leap 2 、スマホAR(Niantic Lightship ARDK、WebAR、VPSなど)といったAR技術全般をブログマガジンを連載しています。
Magic Leap 2を使用してのAR/MR/VPS技術に専門特化したコンサルティングサービス
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