Instagramを活用する企業が導入すべきARフィルターの解説

10秒でわかる!この記事の内容

①海外のSNSマーケティングでトレンド化している「ARの活用」について全体像が掴める
②これから国内企業のInstagramアカウントでARを活用する事例が増える理由が理解できる
③InstagramにARを導入するためのコツが理解できる

米国のマーケティングメディアDIGIDAYは2017年末(約2年前)、アディダスBMWマクドナルドなどの世界TOPブランドがARを活用したSNSマーケティングに数億円単位の大規模な投資を始めたという内容の記事を出しました。

一方で、国内ではまだARを活用した企業のSNSマーケティング事例が少なく、海外に比べて遅れを取っている状況と考えられます。

この記事では、企業のマーケティングにおいて最重要とも言えるSNSの中でも特に今後トレンドとなるであろうARの活用について解説をしていきます。

そもそもARとは

ゴーグルをはめるVRの方がイメージが湧きやすいと思うのですが、VRは「Virtual Reality」の略で、VRのゴーグルがスマホに置き換わった版がARと考えるとわかりやすいかもしれません。ARとは「Augmented Reality」の略で、一般的に「拡張現実」と訳されます。

ゴーグルの中のバーチャルワールドではなく、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というものを「AR」と総称します。

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5Gにより大容量のコンテンツを通信できるようになるため、これからARが急速に普及すると言われています。

急成長するスマホAR市場はSNSから立ち上がる

AR市場は類似技術であるVRとセットで「AR/VR市場」として語られることが多いです。また、AR市場を見るときには将来的に普及すると言われるメガネ型デバイスと、すでに普及しているモバイルAR(スマホ)の二つを分けて考えます。

以下のデータを見ると、AR/VR市場の中でも直近で特に大きく市場が伸びるのは「モバイルAR」と呼ばれる市場です。

AR市場成長率

すでに普及しているモバイルをベースにしたARビジネスから先に市場が出来上がるため、ARビジネスを行うプレイヤーは「まずはモバイルベースのARからビジネスを立ち上げ、いつ普及するかまだ分からないARメガネは研究開発部門として投資をする」というスタイルが一般的です。

モバイルAR市場の立ち上がりはSNSから

先述の通りモバイルARがこれから急速に普及すると言われておりますが、もう十分に便利な世の中で、敢えてわざわざ現実世界にスマホをかざしてまでバーチャル情報を上乗せしたり、現実を拡張したい場面って、どのような場面でしょうか?

答えは、SNOWのような自撮りを可愛く”盛る”ことができるアプリなどが該当します。つまり、「もっと良い写真が撮りたい」という需要に「もっと良い写真が撮れる」という供給をすることで、モバイルAR市場の最初の需給が成立します。

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SNOWなどの自撮りを”盛れる”アプリで撮影したセルフィー写真をInstagramのストーリーに投稿したり、あるいはLINEのトークライブやTiktokの動画撮影でAR機能を使ったり、「日常的に写真や動画を撮るSNS」にAR機能を載せるという部分からAR市場の立ち上がりはスタートしています。

これが、SNS × ARの市場がこれから急成長すると考えられる背景です。

海外企業はオリジナルAR導入の重要性に気づき、先行投資をしている

コンサルティング会社デロイトの調査では、テレビなどのマス向け一括プロモーションはこれから更に一人一人に個別化されていくと示しており、事実、100万人を超えるような有名人のSNS投稿よりも、1,000名〜5,000名程度のマイクロインフルエンサーの方が信用スコアが高いというデータも出しています。

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大規模な一括プロモーションから一人一人個別のユーザーが自然に受け入れられるプロモーションへと広告のフォーマットが急速に変化をしていく中で、日常使いのSNSのカメラに企業オリジナルコンテンツを掲載する役割を担うARの重要性が高まっています。

2019年2月、ファッションブランドのDIOR(ディオール)は自社の公式Instagramアカウントにて、2019春夏コレクションに登場するアイテムのARフィルターをリリースし、ARを活用したプロモーションに成功しました。

WWDの記事によると、1週間で260万以上のインプレッション、220万以上の閲覧数を達成し、約45万人のユーザーが実際に使ったとのことです。

海外ではDIOR以外にも、健康食品やなどのD2Cブランドなど、コンシューマ向けに商品・ブランドを展開する企業のオリジナルAR導入が急速に進んでいます。

日本で流通している企業オリジナルのLINEスタンプと同じ現象と捉えると分かりやすいです。LINEスタンプはクリエイターのイラストがベースになりますが、少し高度な開発を要するLINEスタンプ=InstagramのオリジナルARとイメージしてみるとより分かりやすいかもしれません。

オリジナルARの制作・公開ができるSNSは実は少ない

LINEやTiktok、Youtubeなど様々なSNSがARを提供していますが、それぞれの運営会社が提供しているARを活用する遊び方が基本となっており、現時点で「企業オリジナルAR」を制作・公開できるSNSはInstagram&Faebookと、Snapchatのみとなっております。

そして国内ではSnapchatのユーザー数はInstagramの10分の1にも満たないこと、Facebookは国内成長が頭打ちになっていきていることから、Instagarmをビジネスで活用する企業やブランドが自社のアカウントへARを導入する流れが、これから加速するものと考えられます。

以下は、株式会社ニトリの展開する生活雑貨ブランド「デコホーム」が公式Instagramで提供しているエプロンの試着ができるARの事例です。このように企業の公式InstagramアカウントへのAR導入は加速していくことでしょう。

企業の初めてのAR導入にInstagramが最適な理由

企業がオリジナルARを導入するためのアプローチは、自社専用アプリを作る方法(例:ポケモンGO)や、WEBのブラウザベースで提供する方法もありますが、以下の3つのメリットから、InstagramやFacebookなどのSNSの中にあるカメラにオリジナルARを載せる方法が最も市場に普及しやすい方法になります。

①アプリダウンロードの高いハードルがない

ポケモンGOのように相当に強いブランドやIPでない限り、自社オリジナルのARアプリを作っても日常的に使ってもらうまでの壁があります。

これに対してInstargarmであれば国内3,300万人がダウンロードしておりすでに多くの人がダウンロード済みなので、自社のオリジナルARを提供するためにわざわざユーザーにアプリをダウンロードしてもらう必要がなく、多くの人に利用してもらう上で大きなメリットになります。

②国内3,300万人のユーザー、容易に海外にリーチも

ブラウザで楽しむWEB ARであれば確かにアプリのダウンロードは不要ですが、SNSで投稿するためには体験・撮影したARを一度、カメラロールに保存してから投稿する必要があります。

InstagramはAR機能を活用して撮影したコンテンツがそのままストレスなくインスタ投稿できる導線となっており、拡散されやすくプロモーション効果に繋がりやすいです。

またARが拡散すればそのまま海外へのリーチまで実現できてしまいます。

③10分の1の費用でARが導入できる、圧倒的なコストの安さ

ゼロからのアプリ開発に比べ、Facebook社が提供するソフトウェア(Spark AR)での開発となるため圧倒的にコストを抑えたAR開発ができます。また、ARを企業のアカウントで使えるように一度納品さえすれば、その後は特に保守・運用コストはかかりません。

WEB ARや専用アプリの開発に比べて、コスト的なメリットが大きいことからInstagramのARをまず初めに導入してみることをお勧めしています。

「単にARコンテンツがあるだけ」では機能しない

これまで主にメリットを述べてきましたが、「単に自社のInstagramやFacebookアカウントにARがあるだけ」だと「ふーん。で?」というオチのないコンテンツとなってしまい、拡散性・プロモーション効果が発揮されません。

AR導入の成功においては、ARコンテンツを制作する技術力だけでなく、キャンペーンサイトやイベント会場などと連動したマーケティング企画が重要となります。

以下の事例は、TBSテレビの人気ドラマ「逃げ恥」の公式Instagramアカウントに導入されたARの事例です。メインキャストの二人と一緒に恋ダンスを踊れるARが話題を集めました。

 

このようにAR単体で捉えることなく、きちんとブランドやIP/キャラクターが現実世界に出現することを生かして、ARをファンが楽しめるように全体の設計ができていることが重要です。

それらがきちんと設計できていれば、ブランドのオリジナルARが拡散され、プロモーションに繋がっていくということを理解すると有効なAR活用ができるでしょう。

AR技術に特化した外部の開発パートナーについて

AR開発に必要なリソースを社内で確保できない場合は、外注を検討しましょう。外注する際は、自社が目指すものを明確にしたうえで、具体的に依頼内容を伝えることが重要です。また、外注先によって依頼費用は異なるため、自社の予算にあった企業を探しましょう。

株式会社OnePlanetについて

AR技術に特化した株式会社OnePlanetでは、これまでInstagramのARから、ARグラスを活用したアプリケーションまで、AR技術に関する様々なアプリケーションを開発・提供してきました。

2021年3月にリリースしたMRグラス「Magic Leap 1」で体験できる空間音響アプリは日経新聞に掲載された他、スマホARではTBS系の人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のInstagram向けのARコンテンツの制作や、ドミノ・ピザの新商品キャンペーンの「ドミノフォンデュパーティAR」のWEB AR開発にも携わっています。

ARは、これからますます企業のマーケティングに重要になっていきます。たとえば、企業とユーザーとの接点をもてる、消費者の購買行動を後押しするなどの効果も期待できます。

様々な業界での多数の実績を有していますので、ARのビジネス活用を検討していましたら、お気軽にご相談ください。

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