食品×ARの面白い事例10選!パッケージの活用から最新事例まで、その技術と共に解説

ARの活用は食品メーカーや飲料業界でも広がっています。

ARはラベルなどの画像をマーカーにすることが可能なので、商品に手を加えることなく、手軽にブランドの付加価値を高めることが可能です。

また、ARでは様々な表現が可能になので、より情緒的にストーリーを発信することが可能です。

一方で、ARをブランドに取り入れようにもInstagramや専用アプリ、WebARなど技術が多岐にわたることや、パッケージを使ったARやキャラクターを使ったARなど、企画もさまざまで、どのように決めていけば良いのか判断が難しくなっているのも現状です。

そこで今回の記事では、Instagramやアプリ、Webなどの技術ごとに特徴を整理しながら、飲食系企業や飲料ブランドがARをうまく活用した事例を紹介していくことで、AR導入のための理解を深める一助になることを目指して記載していきます。

企業やブランドがARを導入する方法

企業やブランドがARを導入するための方法は、大きく以下の3つに整理できます。
  1. InstagramなどのSNSのARカメラ
    専用アプリをインストールしなくても、多くの人のスマホにすでにインストールされている点がメリットです。また、比較的安価かつ手軽にARコンテンツの制作が可能です。デメリットとしてはプラットフォーマーとしてInstagramを運営するMeta社の規約を守って開発しなければならず、できることが限られます。また、Instagramのアプリをインストールしているユーザーしか利用できないといった点も課題になります。
  2. 専用ARアプリ
    高度なAR体験の開発に適していますが、開発コストが高くなりやすいです。ユーザーにはアプリをインストールをしてもらうハードルが高いため、一般的には選択されないことが多いでしょう。もし作り込んだ自社専用のARアプリを大規模な予算をかけて開発したい場合には適した技術となります。
  3. WebAR
    専用アプリが不要、かつプラットフォーマーによる規約などないため普及が加速している技術です。特に店舗ARであれば、位置情報で体験できる場所を制御してお店限定の体験を作ることもできます。リアルビジネスでARをうまく活用したいニーズがある場合、技術的に最適なWEB ARは普及が進むでしょう。GPSやCookie等を活用したさまざまなARアプリケーションを手軽に提供することができます。

文字だけだとわかりにくいと思いますので、以下より具体的な事例と共に紹介していきます。

キャラクターを使った事例3選(InstagramのAR)

ARはさまざまな方法でブランドのプロモーションに活用されていますが、まずここでは特にInstagramのARを使った事例を紹介します。

改めてInstagramの利点としては、AR専用のアプリをインストールさせるような必要がないため、すでにInstagramを利用しているユーザーに対してダイレクトにARを届けらる点です。

また、AR開発用のツールも用意されているので比較的手軽に、コストを抑えて自社オリジナルのARを開発できます。

デメリットとしてはMeta社(旧Facebook社)の規約の中で制作しなければならず一定の制約があることや、Instagramのアプリを使っていないユーザーにはリーチしにくい点が挙げられるでしょう。4MBまでというデータ容量の制約もあるため、簡単なAR制作に適しています。

簡単なARであれば自分でも制作できてしまう点も面白いところです。

参考:【入門】Spark ARとは?

①ハッピーターンのAR

言わずと知れたハッピーターンは、亀田製菓株式会社が製造販売する商品です。亀田製菓さんは「柿の種」も有名ですね。

1976年に発売された当時、第一次オイルショックの影響で不景気であったことから、「幸福(ハッピー)」が客に「戻ってくる(ターン)」よう願いを込めて名付けられたものとのことです。素敵な名前の由来です。

亀田製菓のアカウントは1.6万人のフォロワーを抱えています。

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亀田製菓のアカウントではハッピーターンにまつわる2種類の楽しいARフィルターを提供しており、それぞれを解説していきます。

アカウントの☺︎マークから体験ができます。

ハッピーターン イースター

「イースター」というARでは、はじめに「イースターエッグ」という卵が空間中に出現し、それをタップすることで演出が始るようになっています。

体験の流れはまず卵が巨大化し…卵が割れると、中からハッピーターンのキャラクター「ターン王子」が出現

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そして、ターン王子が魔法をかけるような演出を経ると…ターン王子になっちゃった!

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という、子供が楽しい演出をARで提供しています。

こちらは一度に5人まで同時に体験が可能になっています。

ぜひご家庭でハッピーターンを食べながら試してみてください。

ハッピーターン クリスマス

亀田製菓のアカウントでは、「クリスマス」というARフィルターも提供しています。

こちらもイースターと同様にプレゼントが空間中に表示させるところから始まり、クリスマス仕様のターン王子が出現 → そのままターン王子に変身!

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類似フィルターを2つのシーズンで楽しめるようになっています。ぜひアカウントより楽しんでみてください。

②Chupa ChupsのAR

お菓子業界でInstagramのAR機能を取り入れている事例としてChupa Chups(チュッパチャップス)の事例をご紹介します。

チュッパチャップスは、世界で最も売れている棒付きキャンディです。歴史は比較的長く、1958年、スペイン・カタルーニャのバルセロナで、チュッパチャップス社から誕生しました。

それでは早速、どんなARフィルターを配信しているか紹介します。

HAPPY COLOR DAY

こちらはアウトカメラで楽しむARです。

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画面をスワイプすると、スワイプした部分は曇りARがなくなり透過されます。

気になった方は是非アカウントから試してみてください。

BONUS STAGE

こちらはムービー型のARです。

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キャラタームービーが再生されて、キャラクターが自分の顔になるというかなりユニークなARです。

自分がキャラクターになって、チュパチャプスを持って走っている姿はなんとも笑えます。

気になった方は是非アカウントから試してみてください。

③OreoのAR

お菓子メーカーでInstagramのAR機能を取り入れているOreo(オレオ)の事例です。

オレオは皆さんご存知だと思いますが、黒いココアクッキーにクリームがサンドされたお菓子です。

どんなARフィルターを配信しているか紹介します。

Concert Pink Pack

こちらのARはお菓子のパッケージを画像認識するとキャラクターが出現して、キャラクターのコンサートを楽しむことができます。

既存の商品に付加価値を与える、参考になる活用事例です。

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What cookie are you?

キャラクターを生かしたARではありますが、こちらは頭上にオレオが出現し、味のバリエーションをルーレットで楽しめるARです。

画像2

気になった方は是非アカウントから試してみてください。

パッケージを活用したARの事例5選(専用アプリ)

こちらはパッケージを生かしたARの事例です。

専用アプリを使ってパッケージやラベルをマーカーとして認証し、そこからARが飛び出すといった事例を紹介します。

ARアプリは開発コストが高くなりますが、その分、ブランド独自のヒストリーを物語のように表示させる3Dアニメーションなど、ARを使ってリッチな体験を提供したいときに採用される技術です。

Instagramの事例よりもよりさまざまな演出がある点は特徴と言えるでしょう。

④19 Crimes(ワイン)

19 Crimesは、犯罪のためにオーストラリアへの輸送を宣告された英国市民の実話が元になったオーストラリアのワインブランドです。

各ラベルには、犯罪者の顔が描かれています。

ワインを宣伝するために、19 Crimesはボトルラベルを生き生きとさせるARを開発しました。専用アプリでボトルのラベルをかざすと、各流刑者が彼らのストーリーを話してくれます。

この取り組みは成功し、売上は60%増加、ブランド価値は70%も上がったと公表されています。

19 CrimesのAR導入事例は、ネットを中心に大きく話題となり、ブランドイメージと売り上げを高めた良い例です。

⑤Shackleton(ウィスキー)

Shackletonは、南極探検に参加していた探検家をモチーフにしたウィスキーのブランドです。

このARは、探検家の物語を元にしたインタラクティブな演出が表示されるARです。

ユーザーは、南極探検の旅を擬似体験することができます。

⑥Guinness(ビール)

黒ビールで有名なギネスビールのARの事例です。

このAR体験もビール瓶のラベルをマーカーとしてトリガーにしています。

ユーザーは、ビデオコンテンツを視聴したり、興味深い雑学を読んだり、ゲームをプレイしたり、クイズに正解したり、SNSで体験を共有したりできます。

このAR体験はギネスファンの間で大きな成功を収め、ブランドの売上を向上させることに成功しました。

さらに、このAR体験はSNSでのギネスのプレゼンスを高め、ブランド認知度の向上に貢献しました。

⑦ジャック・ダニエル(ウィスキー)

こちらは有名なウィスキー「ジャック・ダニエル」の飛び出す絵本のようなARです。

同じくラベルをマーカーにしており、カメラをかざすと折り畳まれた絵本が飛び出すような演出でジャック・ダニエルの創業ヒストリーや水へのこだわりが物語のように展開されます。

非常に面白い事例なので、こちらの記事にも詳しくまとまっています。

参考:ジャック・ダニエルの飛び出す絵本のようなARアプリ|飲食ブランドのAR活用事例​

⑧コカ・コーラ

こちらはコカ・コーラのARマーケティングの事例です。

専用アプリでパッケージを認証すると、缶の周りにキャラクターが出現してストーリーが展開される、とてもワクワクするARになっています。

 

こちらも非常に面白い事例なので、こちらの記事にも詳しくまとまっています。

参考:コカ・コーラのインタラクティブなARを活用したマーケティング|ブランドのストーリーを伝える

2022年、飲食系ARの最新事例(WebAR)

最新の事例として、Instagramや専用アプリも使わない「WebAR」という技術を活用した事例も増えてきました。

AR専用アプリのように、アプリを使っていないユーザーにはインストールの障壁が高くてリーチしにくい点も、WebARであればQRコードをスキャンしてURLにアクセスするだけでAR体験ができるため解決できます。

また、InstagramのようにMeta社(旧Facebook社)の規約や、4MBまでというデータ容量の制約もありません。

少し前まではWebARでできることも少なかったり、費用が高かったりしましたが、近年は技術革新によって低コストでリッチなAR体験を制作できるようになってきており、そういった背景からブランドのプロモーションにWebARを取り入れるケースも増えてきています。

⑨スターバックス

先進的なマーケティングの取り組みが有名なスターバックス ジャパンでは、2020年から毎年「お花見AR」を展開しています。

お花見シーズンを先取りする2月下旬〜3月ごろから、桜のARを店舗に導入してハッシュタグと共にキャンペーンとして打ち出し、毎年話題作りに成功しています。

店内にQRコードが記載されたポップを設置し、店舗に足を運んでもらうことで桜のAR体験ができる導線になっています。

スターバックスの店舗内の桜

専用ページ内に設置されているARカメラを立ち上げると……

咲いた桜

店内に素敵な桜が咲きました!花びらが舞い落ちる演出もリアルな桜で、桜味のフラペチーノと一緒に撮影している人も多くいました。

ストアへのAR導入はスタッフのオペレーション負荷の低い設計も重要になりますが、こちらのARはポップを配置するだけで完結しており、その点にも丁寧に配慮されたARの導入となっていて参考になります。

こちらの記事に詳細がまとまっているので、ぜひチェックしてみてください。

参考:スタバの桜ARやった?StarbucksのARを使ったリアル店舗マーケティングについての考察レポート

⑩ドミノ・ピザ

こちらも同じく先進的なマーケティングの取り組みで知られるドミノ・ピザ ジャパンでは、新商品のプロモーションにARを導入しています。

2021年11月1日にリリースされた「ワールド9チーズ・クワトロ」のプロモーションとしてAR開発企業のOnePlanetのARを採択し、「ドミノ”チーズの世界をめぐる旅”AR」というユニークなARコンテンツを発表しました。

上記のように、チーズでできた世界地図が目の前に出現し、ユーザーはドミノ・ピザのこだわりのチーズを世界地図の上でめぐる旅ができるAR体験となっています。

楽しみながらチーズの学習ができるだけでなく、ドミノ・ピザの素材へのこだわりも伝わり、ユーザーがブランドへの愛着を持つことに貢献している優れたARの活用事例となっています。

自宅に居ながら、世界中のチーズを知ることができる旅へと出かけられるような非日常のAR体験は、SNSでも話題を集めており、国内でも先進的なARマーケティングの事例と言えるでしょう。

参考:【体験レポート】ドミノ・ピザのARで遊んでみた!世界のチーズをめぐる旅

ノーコードでWebARを制作できるツールも登場

「ARコンテンツでブランドの価値を高める」というニーズに対して、特に専用アプリのインストールが不要な「WebAR」を選択するケースが増えていますが、その背景にノーコードで簡単にWebARコンテンツを制作できるツールの登場があります。

もともとWebARを活用したキャンペーンは0から開発する事例が主流でしたが写真や画像をアップロードするだけで、プログラミングをしなくてもARを制作できるため、プログラミングの知識や外部の制作会社を必要とせず、コストを抑えて自分達でARを使ったキャンペーンを展開できます。

こちらの「LocationAR(ロケーショナー)」というツールでは、ARコンテンツの制作からGPSによる位置情報の制御、ARを使ったスタンプラリーの制作まで、システムの中でARに関する多様なことを簡単に実現できます。

実際に、ロサンゼルスの焼肉店ではこちらのように可愛いキャラクターが出現する「お店AR」を同ツールを使って手軽に導入しています。

AR COW

他にも様々な業界でWebARの手軽な導入が進んでおり、プログラミングをせずに簡単にオリジナルのWebARコンテンツを制作するツールを検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

飲食業界がARを導入することで、新規顧客の獲得やリピータ率増加などさまざまな効果を得られます。

しかし、まだ新しい分野なので、ARに専門特化した、高度な専門性を有するパートナーとともに取り組みを始めることが重要でしょう。

飲食業界とARの相性は良いので、これから導入を検討することで他社ブランドとの差別化を実現できるでしょう。

「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、様々な飲食系企業、ブランドにARを導入してきた実績がございます。

ARを活用したブランディングなどお力添えできます。飲食業界でARのビジネス活用を検討していましたら、お気軽にご相談ください。

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