【AR導入インタビュー】プロスポーツチーム「広島ドラゴンフライズ」が最先端のARコンテンツに投資する戦略とは

いま、場所の価値を高める最先端のデジタルコンテンツとして「AR技術」の活用が注目されています。

特に専用アプリを必要としない「Web AR」はQRコードさえあれば読み込むだけでストレスなく誰でも楽しむことができるため、ARコンテンツの中でも特に注目度が高まっています。

今回は、自分たちでオリジナルのWeb ARコンテンツを制作できるノンコードAR制作ツール「LocationAR(ロケーショナー)」を使ってアリーナ限定のARコンテンツを制作・導入した株式会社広島ドラゴンフライズの浦社長に、最先端のデジタルコンテンツを導入した背景や戦略などをお伺いしました。

AR導入企業「広島ドラゴンフライズ」の概要

会社名 株式会社広島ドラゴンフライズ
業種 男子プロバスケットリーグ(Bリーグ)所属チーム「広島ドラゴンフライズ」の運営
導入背景 アリーナの魅力向上、ブランドとファンが安全に繋がれる新しい”体験型のプロモーション”の活用

株式会社広島ドラゴンフライズについて

株式会社広島ドラゴンフライズ(以下、ドラゴンフライズ)は、広島県広島市をホームタウンとしてB.LEAGUEのB1に所属しているプロバスケットボールクラブ。2013年に創設。2021-22シーズンは、昨シーズンの得点王であるニック・メイヨ選手や、元日本代表の辻直人選手などが加入し注目を集める。

インタビュー対象者

  • 広島ドラゴンフライズ 代表取締役社長 浦伸嘉 様

導入したARコンテンツの概要

広島ドラゴンフライズは、国内男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」初となるAR技術を活⽤した”AR選手パネル”を広島ドラゴフライズの公式コンテンツとして2021年10⽉2⽇(⼟)の開幕戦に合わせてリリースしました。

”AR選手パネル”は、試合会場に設置された選手パネルにカメラをかざすと、動く選手と一緒に記念撮影ができる新しい体験型のデジタルコンテンツです。

AR技術が搭載されていない通常の選⼿パネルは昨シーズン以前にも試合会場に設置されてきたコンテンツで、昨シーズンまでも来場したファンに記念撮影などに利⽤されてきました。今回はその選⼿パネルにWebAR技術をベースにしたARコンテンツ制作ツール「LocationAR」(ロケーショナー)を導⼊することで、選手パネルにカメラをかざすと選⼿が動き出し、まさにその場で⼀緒に記念撮影をしているような臨場感のある体験を創出しました。

Web ARによって専⽤アプリのインストールなどは必要とせず、来場してくれた⽅限定の新しいエンターテインメント体験の導⼊を実現しています。

<AR体験&記念撮影の様子>

ARコンテンツの体験の流れ

① 選手パネルにあるQRコードを探す
② QRコードリーダーでスキャン
③ カメラのアクセスを許可すると、AR体験ができるカメラが起動
④ 選手パネルにカメラをかざすと、ARにより選手が動き出す!

AR導入の背景とは?

浦様:

ARを導入しようと思った背景は、大きく2つあります。

AR導入の背景①アリーナスポーツとの相性

まず1つ目は、アリーナスポーツとデジタルの相性の良さです。

アリーナスポーツと「デジタル」は相性が良いと考えています。屋内なので、当然雨風がしのげますし、音や光も安定しますし、デジタル系や高度なテクノロジーを要するコンテンツ導入においてアリーナは相性が良いと考えています。

その背景から前提としてデジタルコンテンツを取り入れたいと考えていましたし、その中にきっとビジネスチャンスはあると考えていました。

ゆくゆく、私たちの業界「Bリーグ」はアリーナを建てていかないといけないんです。その最新のアリーナが建ったときの計画段階で、デジタルコンテンツが埋め込める準備を設計しておかないといけない。そうしないと、結局アリーナはできたけど「たいしたエンタメはできなかった」となってしまいます。

その未来に備えて、最先端のエンタメ・デジタルに対応できるように、現時点からありとあらゆる最先端のテクノロジーを検討し、どう結びつけていくのかを常に考えており、どんどん導入していきたいと思っています。

AR導入の背景②企業としての”先見性”がもたらす価値

次にARを導入した理由として、クラブの方針、考え方として「先見性」を重要視していることがAR導入のきっかけになりました。

私たちは、まだ8年目のベンチャーです。つまり歴史がない分、信頼してもらうには「先見性」が必要だと考えています。

これまでも「バスケットはこうなります」と発信してきて、「確かにそうなってきたね」というコミュニケーションから信頼が生まれてきました。

スポーツ産業は歴史あるチームも多い中で、「たった8年で何を言ってるんだ」じゃないですが、私たちのようなベンチャー企業にとっては「ここからの未来はこういう世界観になっていきます」という先見性はやはり重要で、そこから生まれる説得力がベンチャービジネスには必要です。

その意味で、先端テクノロジーとの融合は非常に重要にしています。

そしてデジタル、バーチャルは確実にもっと進むので、そこに対していかに我々がコミットしていけるのか。

そこが説得力になって、広島の地方企業も「なるほどな」となってくれるなので、クラブの戦略としてデジタルテクノロジーについては敏感に情報を収集しているんです。これが、ARを導入した2つ目の理由です。

そのような背景の中で、ARはもともと最先端のデジタルコンテンツの一つとして注目していたこともあり導入もしたかったので、専用アプリ不要で場所の価値を高めるARコンテンツを自分たちで導入できる「LocationAR(ロケーショナー)」のお話を聞いたときはもう即決即断で決めました。

実際にARを導入してみた感想は?

浦様:

今回のAR、反響があって、めちゃくちゃ良かったですよ!

スマホだけで非接触のまま体験が完結する点もコロナ禍におけるコンテンツとして安心安全になっていますし、SNSに投稿も出たり、来場してくれたお客様は楽しんでAR体験をしてくれています。

正直、まだまだ入場者数に50%制限があるので最終的にはなんとも言えないですが、例えば100%に戻ったタイミングでまたARを起点に専用のコーナーを現地に設けるなど工夫をして色々と仕掛けることができれば、さらに人が集まるきっかけにもなりそうな手応えを感じています。

泥臭さと最先端のデジタル、対極にある価値のマッチングが面白い

浦様:

スポーツビジネスは、デジタルの対極にある汗や努力、泥臭さが魅力の一つです。そこに最先端のデジタルを組み合わせることによって、そのギャップから生まれる感動があると思っています。

その意味では、現地に足を運んでもらって、そこに来て初めて体験ができる今回のARのようなデジタル体験があるからこそ楽しいということもエンターテインメントとしてはとても重要だと思っています。

これからのARに期待すること

浦様:

今回導入した”AR選手パネル”のように、そこに来て初めて体験ができる今回のARのようなデジタル体験だけでなく、例えば会場に来なくても自宅に居ても自分の好きな選手の練習の様子が自分のテーブルで見れるとか、「めちゃくちゃ練習しているな」と日常で感じられるとか、そんなテクノロジーにも興味を持っています。

それをサービスとして提供して、それを見てまた試合をアリーナに見に行きたくなるとか、そんな世界をデジタルと一緒に創っていきたいです。

接触回数を増やすためのきっかけにARのようなデジタル技術を積極活用していきたいです。

また、会場限定のコンテンツでも今回の “AR選手パネル” だけでなく、アナログで設置されている看板をARにするようなアイデアも面白いと思っています。いまの看板は1パターンですが、それがデジタルによって多数のパターンを持って動き出すとか、デジタルにより無限に広がるコンテンツには可能性を感じています。

先ほど話したように自宅に居ても練習風景と触れ合えるような接触時間の最大化や、アナログな看板をデジタルで無限に可能性を広げたりなど、これからもARのような先端テクノロジー、デジタルコンテンツにはにはどんどんチャレンジしていきたいです。

私たちはまだまだ認知が弱いので、最先端のデジタル技術を使ってファンや、それ以外の方の心を動かしていきたいと考えています。

海外に遅れをとる、日本のスポーツビジネスのデジタル導入について

浦様:

歴史的な背景もありますが、日本ではスポーツビジネスの競技性がまだまだ強いと考えています。日本においては「競技大会」としての側面が強く、勝ち負けを決めることに重きを置いたスタンスが強いと考えています。

我々はもちろんプロスポーツチームなので勝ち負けは重要ですし、勝ちにこだわることは大前提として当然の話で、その上でさらに「驚き」だったり「感動」だったり、そういった要素があることで初めて長期的に運営ができると考えています。

スポーツ事業は「勝てば人が来るだろう」とつい考えがちなのですが、実際にはそんなことはまったくないんです。

スポーツクラブの運営はそこが難しくて、もちろん勝った瞬間に盛り上がるということはあるのですが、私たちは「競技大会主」ではなく「興行主」に変わらなければいけないと考えて取り組んでいます。

そんな中で、やはりARのような新しいテクノロジーを活用して、しっかりと「興行」「エンタメ」としての魅力を高めていきたいと考えています。

まとめ

日本で先駆けとなるプロスポーツにWeb ARを導入された広島ドラゴンフライズの浦社長に、AR導入の裏側をインタビューさせていただきました。

LocationAR(ロケーショナー)によってプログラミングをすることなく、自社で簡単にAR制作をできるようになりましたが、それだけで感動する体験を生み出すことはできません。「単にARを導入する」というだけでなく、効果的なARマーケティングを実施するためには、仕掛けのあるアイデアを組み合わせることが非常に重要になります。

浦社長のお話の通り、屋内スポーツは最先端のデジタルコンテンツの導入と相性がよく、また広島ドラゴンフライズの皆様が考案した来場者に楽しんでいただける仕掛けのあるアイデアのおかげで、“AR選手パネル”はリリース後も多くの方にご利用いただいています。

今後も広島ドラゴンフライズ様のように先端テクノロジーに果敢にチャレンジし、新しいユーザー体験を生み出していく企業様をAR技術でご支援させていただきたいと思っております。

最先端のデジタルコンテンツの導入や、自分たちでARを制作できるツールについてご興味がある際には、以下よりお気軽にお問い合わせください。