
気軽なつぶやきから情報の発信・収集などの目的で、SNSを利用する人が増えています。自社のマーケティングを効率よく展開させたいのであれば、SNSの活用を検討しましょう。
この記事では、企業のマーケティング担当者に向けて、SNSマーケティングのメリットや主な手法などについて、基礎的な情報から最新機能までをわかりやすく解説しながら、最新トレンドの「AR」についても触れていきます。
SNSマーケティングを実施する際の参考にしてください。
目次
SNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、TwitterやInstagramなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用したマーケティング全般を意味する言葉です。SNSとは、ネットワーク上に構築された社会のようなもので、Webサイトなどを通して国境を越えたコミュニケーションを可能にする場所です。SNSのユーザーを対象に、さまざまな方法を用いて自社をアピールできます。
SNSマーケティングの具体的手法
主な手法として、以下の5つの方法について解説します。
SNSアカウントの運用
SNSのシンプルな活用方法として、自社や自社製品などの情報の発信により、自社の知名度のアップやブランディングにも活かせます。この際、SNSの特性にあわせ、ユーザーの興味や関心をひく内容を発信する必要があります。また、PRばかりを重視しすぎず、日常的な内容も盛り込むことで、ユーザーの共感を得やすくなるでしょう。
SNSを活用したキャンペーン
SNSは情報の拡散力が高いため、ユーザーが反応したくなる魅力的なキャンペーンを実施する手段としても有効です。たとえば、自社の商品の活用例やアレンジ方法などの写真の投稿を促したり、抽選で商品や特典をプレゼントしたりするなどの施策もおすすめです。多くの人に情報を拡散してもらうために、キャンペーンにちなんだハッシュタグを設定しましょう。
SNSに広告を配信する
SNS広告活用すれば、ユーザーの目にとまりやすい場所に自社の情報を掲載できます。SNSごとに広告の掲載方法やルールが異なるため、それぞれにあった広告を出稿する必要があります。SNS広告には画像や動画を流せるもの、一般ユーザーの投稿と同じような形式で投稿できるものなどさまざまです。
SNSを通じた情報収集
SNSは情報を発信する手段として広く活用されていますが、リアルタイムの情報を集める際にも有効な手段です。年齢層ごとに関心が高いものは何か、ユーザーが思わず発信したくなるものとは何か、などの情報を収集できます。
インフルエンサーによる情報拡散
フォロワー数が多いインフルエンサーに、自社製品の使用感や紹介を発信してもらえれば、多くのSNSユーザーに自社や自社製品の魅力を知ってもらえます。ただし、SNSごとに影響力をもつインフルエンサーは異なります。そのため、知名度が高いという理由だけで選ばず、それぞれのSNSで効果的な発信ができる人に情報の拡散を依頼しましょう。
なぜSNSマーケティングが重要なのか
企業がSNSマーケティングを重要視する理由について解説します。
SNS利用者の数は増えている
冒頭でも紹介したとおり、SNSユーザーの人数は増加しています。総務省が2020年に実施した「通信利用動向調査」によると、13歳以上40歳未満のSNSの利用率は、全体の8割を超えています。このように、SNSの利用率は高い傾向にあるため、SNSマーケティングが成功すれば、自社の情報を多くの人に認識してもらえます。 ※参考:通信利用動向調査|総務省
消費者の購買行動はSNSが大きく影響する
SNSの利用率の高さは、ユーザーの消費行動とも密接につながっています。SNSを通じてユーザーが消費行動をとった場合のプロセスを分解したものが、「ULSSAS(ウルサス)」です。ULSSASは以下のような意味があります。

消費者は、SNSでの感想や意見を参考にしてから商品やサービスの購入判断を行う傾向が高いです。また、購入後に満足感を得られた場合は、自らが購入者としてSNSで発信し、この投稿を見たユーザーが拡散するといったプロセスを繰り返します。
SNSから得られる情報が重要となっている
上述したとおり、SNSから情報や口コミを集め、自分も商品などを購入するなどのように、SNSから影響を受けている人は一定数存在します。SNSの利用率の高さから、ブラウザでの検索よりもSNSでの発信内容を重視するという人も多いでしょう。SNSによる情報発信は、マーケティングを実施する企業にとって、重要な手法といえます。
それぞれのSNSの特徴
SNSマーケティングを実施する前に、SNSごとの特徴を確認しておきましょう。
Instagramは、写真や動画を中心に投稿できるSNSです。とくに、20~30代の女性のユーザーが多い傾向にあります。なかでも、投稿して24時間後に発信内容が消えてしまう「ストーリー機能」が人気です。 Instagramの特徴としてフォローしている人以外の投稿はフィードに流れない点があり、ユーザーはハッシュタグを辿って他人の投稿を見る文化があります。そのため、企業アカウントの運用ではハッシュタグの活用が重要です。 Twitterに比べると投稿が拡散しにくいので、フォロワーに好まれる投稿をすることが重要です。また、新しい機能が次々と出てくる点も特徴的で、最近は企業のオリジナルARを制作してTwitterのような拡散を実現する事例も出てきました。
Twitterは最大で140字のテキスト投稿が可能で、簡単にシェアしてもらえる拡散力の高いSNSです。Twitterは匿名アカウントに寛容な特徴があり、身元が特定されない分、自由な雰囲気があることが特徴的です。 他のSNSと異なり、自分と直接関係のない第3者とも交流が起こりやすく、ツイートした内容がどんどんリツイートされ、フォロワーのフォロワーすら超えて全く知らない人にまで届く事象が起きます。この拡散力の高さが強みのSNSともいえるでしょう。 ただし、簡単にシェアできる反面、常識の範囲を超えた投稿をすると、批判が集中する炎上状態になりやすいという側面もあります。 企業活用では良くも悪くもフォロワー以外にも投稿が届くというオープンさを意識してリスクに配慮した情報発信を心がけながら、うまくシェア拡散されていく仕掛けを作ることができれば期待以上の拡がりを生み出すことができるでしょう。
Facebookはさまざまな世代が活用するSMSで、老若男女問わず利用者数が多い傾向にあります。実名登録や実際の居住地、出身校などの登録が求められており、現実世界と同じ情報を掲載するユーザーが数多くいます。ユーザーの公開情報から、マーケティングにおけるターゲットを絞りやすいでしょう。ただ、公開を友人限定にしている人も多く、拡散力は低めです。 Facebookは交流や対話を重視するアルゴリズムになっており、単純に投稿を広告配信するだけでなく、情報が届く人が所属するコミュニティも意識すると効果的です。コメントなどのコミュニケーションが発生しやすい投稿は効果が高まり、そういった投稿を使った広告配信をするとさらに効果を得ることができるでしょう。 ただ、国内では利用者が頭打ちになってきており、特に若年層はFacebookをほとんど使わなくなっています。40代、50代、60代といったセグメントや男性に訴求する場合には強みが発揮されやすい傾向があるため、個別のSNSごとに利用年齢や性別は確認するべきでしょう。
LINE
LINEは無料で通話やチャットを利用できるため、ユーザー数が比較的多いSNSでしょう。プライベートでのメインの連絡手段がLINEという人も数多くいます。企業アカウントを作成すれば、セールや商品情報などをユーザーに一斉配信できます。ユーザー間での拡散力はそこまで期待できませんが、個別のアプローチ方法として効果的です。
YouTube
YouTubeは動画コンテンツの幅が広く、多くの世代で利用されています。投稿動画の前後や再生中に流せる動画広告が特徴的です。また、独自のチャンネルを開設すれば、自社のファンを獲得できるかもしれません。チャンネルの登録者数が多いYouTuberにPRを依頼する方法も効果が期待できます。
代表的な3つのSNSの比較表(Instagram,Facebook,Twitter)
特に代表的とされるInstagram,Facebook,Twitterの3つのSNSについて、以下に比較表を用意しました。 それぞれの抱える年齢や性別、特徴などを精査してからマーケティングを進めていくことをお勧めします。
Instagramの最新機能には注目をしておく
特に利用者数を伸ばしているInstagramは、新しい機能が次々と登場するSNSなので中止しておく必要があります。その中にはマーケティングを考える上でとても重要な機能も含まれています。 以下は、Instagramで開発していると噂されている「販売ボタン」を設置する機能に関する情報です。 https://twitter.com/can_murakami/status/1388334221622583296 新しくプロフィールのトップページに「販売ボタン」を設置できる機能がリリースされると、すでにお買い物の参考にインスタグラムを活用している多くの人が、そのままインスタグラムの中で回遊してダイレクトにショッピングまでできるような状態になります。 特に注目すべきは、後述するインスタグラムの「AR機能」との連携です。 バーチャルな情報をユーザーの日常に表示させるインスタグラムの「AR機能」は、うまく活用すれば「自社商品の試着」や「世界観の擬似体験」を提供できるため、お店に行かずともARで商品を体験し、そのまま購入するというシームレスなショッピング体験がSNSの中だけで完結するような世界がやってくる可能性が高まっています。
SNSマーケティングを効果的に行うためにすること
SNSごとに特徴や拡散力が異なるため、利用するSNSにあったマーケティングを行う必要があります。以下では、SNSマーケティングを行う際の全体の流れを簡単に解説します。
目標・ターゲット設定
まずは、SNSマーケティングを実施するにあたって、達成したい目標を設定します。目標によって、設定するターゲットを変える必要があります。ターゲットを設定する際は、性別や年齢層のほか、具体的なライフスタイルなども明確にしておきましょう。
どのSNSでマーケティングするのかを決める
利用するSNSによって、情報を目にするユーザーや情報の伝わり方が異なります。幅広いユーザーに情報を発信したい場合は、複数のSNSを活用し、検索性や拡散力などが低いSNSごとの特徴を補うといった方法も選択できます。
投稿スケジュール作成・運用
SNSの運用をどのように進めていくのかを明確にし、具体的なスケジュールを立ててから運用を開始しましょう。また、SNSの投稿頻度が下がれば、投稿を楽しみにしてくれるユーザーが離れる可能性があるため、投稿ペースを事前に決めておくことが大切です。
SNSマーケティングのメリット
SNSをマーケティングに活用した場合のメリットを解説します。
拡散効果があり認知度が上がる
SNSの特性として、情報を発信すると、フォロワーやつながりをもつ人にも情報が伝わるため、瞬く間に拡散されます。「シェアしたい」とユーザーに思ってもらえるPRができれば、多くの人に自社や自社製品の魅力を届けられます。
消費者からの信頼を得られブランディング効果が期待できる
従来の一方的な情報発信やPRと異なり、SNSマーケティングではユーザーと双方向のコミュニケーションを行えます。信頼関係を築くことで、自社の熱烈なファンになってくれる可能性もあります。
低コストで高い効果が期待できる
SNSは基本的に無料で利用できるため、比較的安価で自社に関する情報発信を行えます。SNS広告を掲載する際は、広告費が発生するものの、テレビや新聞などのマスメディアに広告を掲載した場合と比較しても、安く抑えられます。
SNSマーケティングの新たな選択肢として注目されている「AR」について
近年、ARを活用したSNSマーケティングが注目を集めています。 SNSでは、目新しい・かわいい・楽しいなどの多くの人が関心を寄せる情報がリアルタイムで拡散されます。ARはユーザーに楽しい経験を与えられるツールであるため、SNSマーケティングとの相性は抜群です。 「誰かに教えたい」という気持ちから率先して情報を拡散する人も多く、ARのような新しい体験は拡散力にも期待できます。 とくに、Instagramでは、LINEスタンプの様に企業がオリジナルARを制作できるような新機能が提供され始めました。 ARを活用して撮影をすることで、自身を魅力的に見せるようなARフィルターが特に人気です。 以下では、注目される具体的なARの活用例を紹介します。
ARを活用したSNSマーケティングの具体例
ARを活用する具体的なイメージとして、ARの活用例を紹介します。
TBSテレビ逃げるは恥だが役に立つ
「逃げ恥」の愛称で親しまれたTBS系の人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の公式Instagramでは、InstagramのSparkARを活用したARコンテンツが配信されました。ユーザーは、ドラマのメインキャストのお二人が自宅で「恋ダンス」のワンシーンを踊っているかのような3Dアニメーションを自分の目の前に出現させて楽しめるほか、自身もキャストと並んで踊っている様子を体験・撮影することができます。
ドミノ・ピザ
「ドミノフォンデュパーティAR」は、ドミノ・ピザのARゲームです。このゲームでは顔認識の技術により画面上で落ちてくるチーズの動きにあわせて自分の顔でキャッチするといった操作が可能です。獲得した得点によってドミノ・ピザで利用できるクーポンがもらえます。ARでエンターテインメントを提供しながら、そのままクーポンを配布してコマースへとつなげていく流れは国内では先行したARマーケティングの事例と言えるでしょう。 https://fb.watch/5EkrDCXTNP/
ジムマスター
ジムマスターの公式Instagramでは、ARフィルターでブランドのキャラクターを用いたゲームを公開しています。ジムマスターとは、アウトドア好きに人気のカナダのアパレルブランドです。キャラクターをプリントしたアイテムがたくさんあり、人気のキャラクターがユーザーの目の前の現実世界へと出現するARゲームの公開により、ユーザーにゲームを楽しんでもらうと同時にSNSでのシェア拡散によりブランドの認知度を高める効果にも期待することができます。 https://www.youtube.com/watch?v=xVuwSPxQiFI
まとめ
SNSマーケティングは安いコストで活用でき、拡散力が高いことから、費用対効果も期待できる手法です。また、ARとの相性もよいため、効果的な施策を実施できます。ARでSMSマーケティングを行うのであれば、ぜひ実績の高い会社に依頼しましょう。
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