ARとVR

近年、ゲームやVOD(Video On Demand:ビデオ・オン・デマンド)、スマホアプリなどの身近なサービスで「VR」や「AR」の技術が使われることが増えてきています。

この記事を読んでいるあなたの中にも「VR」や「AR」などの単語を聞く機会が増えた方も多いのではないでしょうか?

しかし、中でも「VR」と「AR」が具体的に何なのか、よくわかっていない方も少なくないはずです。

そこで、今回は今後ますます伸びていくであろう「VR」「AR」といった技術について、具体的にどのようなものなのかについて解説します。

記事を最後まで読めば、「VR」「AR」がどういった技術なのか、具体的にどういった場面で活用されているのかについてわかります。

AR:現実世界の情報に別の情報を拡張できる技術

ノートパソコンとコーヒー・スマホ

「AR」とは「Augmented Reality」の略で、日本語では「拡張現実」と訳されます。

「拡張現実」とは、その名の通り「現実」を「拡張」する技術のことで、人間の視覚情報に視覚だけではない情報を付加して表示するタイプのものが最もポピュラーです。

スマホやタブレットのカメラ映像に表示される映像に対して、その場には実際に存在しない映像やCGを重複させて出現されることが考えられます。

2010年代に入るまでは一般的に広く浸透しておらず、新しい技術としてもてはやされていました。

スマートフォンがARに対応すると、流行のために一気に私達の身近なサービスへと生まれ変わっていったのです。

ARの主な活用事例

ARが活用されているのは、主に次のような事例です。

ARが活用される事例
  • 夜空にかざすと星座が確認できるようになるアプリ
  • ARによって家具配置をシミュレーションできるアプリ
  • 自撮りした顔を認証すると画面にフィルターがかかるアプリ

    夜空にかざすと星座が視認できるようになるアプリは、最も簡単にARの技術を利用したアプリです。

    空間を把握して、夜空の方角に合わせて星座が視認できるようになるにはARの技術が必要不可欠でした。

     

    また、大手家具量販店のIKEA(イケア)では、自社の商品を検討する際に、ARの技術を利用して家具の配置をシミュレーションできるアプリを開発しました。

    これまでは「部屋のスペースに対して家具が収まるのか」を検討する際に、商品を調べてサイズを測り部屋のスペースを測り……と自分で測る方法しかありませんでした。

    しかし、ARの技術を使えば、長さを測らなくても家具がそのスペースに配置可能かわかるようになり、部屋の雰囲気に家具が合うかどうかまで判断できるようになりました。

     

    そして、10代から20代を中心に人気のアプリ「Instagram」や「SNOW」などで使われている自撮りすると顔にフィルターがかかる機能も、ARの技術によってもたらされたものです。

    このように、ARは何気なく使っている身近なアプリの中にもその技術が多用されているのです。

    VR:仮想空間をまるで現実のように表現する技術

    VRを楽しむ女性

    「VR」は「Virtual Reality(仮想現実)」の略称で、現実世界ではない仮想空間に、まるで現実であるかのような技術を体験するための技術です。

    ARは現実世界をベースにして、視覚的に映像やCGを拡張するものであるのに対して、VRは完全に現実世界とは切り離された「仮想世界」に人間が飛び込むことようになります。

    仮想世界の定義はさまざまなものがありますが、視覚的にであれば感覚的にであれ、完全なる仮想空間に人間が没入できればVRであると言えるでしょう。

    VRの主な活用事例

    VRの主な活用事例は現時点でも非常に多く、次のようなものがあります。

    VRが活用される事例
    1. 外科手術のシュミレーション
    2. ヘッドマウントディスプレイを着用してスポーツ観戦
    3. 旅行先の街や部屋の雰囲気の確認

      医療の分野では、外科手術のシミュレーションにVRが多用されています。

      手術を人間で学習することは不可能であるため、これまでは模型や画像を利用してシミュレーションを行うしかありませんでした。

      しかし、VRのトレーニングであれば実際の手術の感覚が伝わりやすいだけではなく、想定外の状況になった時の対応などに関しても体験できます。

      ミスが許されない医療の現場において、入念なリハーサルを行った状態で本番に臨めることには大変意義があると言えるでしょう。

       

      また、VRはスポーツとの相性も抜群です。

      一般的に、スポーツを観戦する際には、球場・テレビ・スマホ・パブリックビューイングなど観戦する場所は色々あれど、あくまでも「映像を観る」という行為しかできませんでした。

      ここにVRを導入することによって、映像で観るだけでなく実際に試合に自分も参加しているかのような視点で楽しむことが可能になります。

       

      そして、観光業においてもVRの利用による期待値は非常に高く、観光を検討している方がより旅行先について深く知るために使われます。

      例えば、旅行先について悩んでいる観光客にとって一番の悩みは「その観光地を選んで失敗しないか」という点ですよね。

      パンフレットやWeb上の情報だけでは、画像や動画などは見ることができても、どのような街なのかを具体的に知ることはなかなか難しいもの。

       

      しかし、旅先の街や部屋の雰囲気をVRで確認することができれば、より没入感のある下見をすることができるようになります。

      結果的に選ぶ上での情報量も多くなるため、実際に行ってみるハードルも下がることが予想されます。

      なかなか遠くに旅行できない方にとってもVRで旅行の疑似体験ができるため、より広い範囲のニーズに応えることもできます。

      XRとは?

      スマホを楽しんでいる女性

      AR(拡張現実)・VR(仮想現実)などの話の文脈の中では、「XR」という言葉がよく出てきます。

      XR(エックスアールまたはクロスリアリティ)とは、AR・VRにMR(複合現実)を加えたものを総称したもので、すべての仮想空間技術、拡張現実技術を指します。

      今回紹介するような技術を総称する場合は、必ず「MR」という技術を用いることになります。

      MR:ARとVRを融合させたもの

      MRは「Mixed Reality」の略称で「複合現実」と呼ばれるもののことを指します。

      近年、アメリカのフロリダ州で生まれた企業「Magic Leap」の出現によってより注目されている考え方で、現実世界に仮想現実世界のものを重ね合わせて体験できます。

      例えば、VRは多くの場合にヘッドセットをつけて仮想現実を楽しむ仕組みになっており、その画面は現実世界とは一切つながりはありません。

      また、ARの場合は主に現実世界の映像に対して、拡張された映像やCGスマホなど端末に映し出す仕組みであるため、映像端末がないと視認はできません。

       

      しかし、MRは「複合現実」というだけあって、ヘッドセットをつけて現実世界の中に仮想現実世界の映像を映し出します。

      つまり、ユーザーは現実空間に立体的な映像を映し出すことができ、よりリアルな感覚を得ることができるのです。

      MRがどんなものかイメージしにくい方は、Magic Leapが発表している動画を視聴するとイメージできやすいですよ。

      AR・VR市場は確実に盛り上がっている

      スマホを利用している男性

      テレビや新聞などで見かける機会が増えているため、AR・VRの市場は盛り上がっていると感じている方は少なくないでしょう。

      しかし、実際にどれくらい盛り上がっているのか定量的に把握できている人は多くありません。

       

      IT専門調査会社であるIDCによれば世界のAR・VRのハードウェア・ソフトウェアや関連サービスを合計した支出金額は、2023年には160.5億ドル(約17兆3,000億円)になると予測しています。

      2018年から2023年の年間平均成長率は78.3%という非常に高い値になり、今後もますますの急成長が見込まれています。

       

      分野別で見た場合、消費者向けの商品がAR/VR市場全体を牽引しています。

      また、小売業や運輸業などオペレーション面での活躍が期待できそうな市場でより成長が期待されます。

      今後ますます右肩上がりで成長していく分野でもあるため、AR・VR市場の成長には目が離せません。

      AR・VRの技術で注目したい最先端事例

      では、2020年現在、AR・VRの技術はどのように利用されているのでしょうか?

      先程の事例よりも具体的に、今注目されている最先端の事例について7つ紹介していきます。

      AR・VRの最先端事例
      • 「Wanna Kicks」
      • 韓国のプロ野球
      • 「Google Map」
      • 「VR内見」
      • 「社員教育VR」
      • 「ANA Virtual Trip」
      • 「セフォラ」

      最先端事例①:「Wanna Kicks」ARでスニーカー擬似試着

      Wanna Kicksとは、スマホをかざすだけでARスニーカーを擬似試着できるスマホアプリです。

      インターネットで靴を購入する際にありがちなのが、実際に届いてから服のサイズが合わなかったり、思った色と違ったりすること。

      しかし、ARによる擬似試着体験ができれば、サイズミスや届いてからのイメージとのミスマッチが起きにくいと考えられます。

      開発元の「WANABY」はアメリカのスタートアップで、ARネイルも試せる「Wanna Nail」もリリースしており、これからが楽しみです。

      最先端事例②:韓国のプロ野球で!スタジアムにドラゴン?

      韓国のプロ野球球団「SK Wyverns」が、開幕式でARを用いた演出を実施しました。

      観客は、専用のアプリを立ち上げると、チームのマスコットキャラクターが出現し、パフォーマンスを観ることができるというキャンペーンARを作り上げたのです。

      ARと球場が一体化しておりあたかも空にドラゴンが舞っているような演出は、観る側の臨場感があり一緒に楽しめるキャンペーンが生まれています。

      最先端事例③:「Google Map」 AR案内機能が登場

      Google Mapに搭載されているARナビゲーション機能は、目的地を入れてAR開始ボタンを押すだけで、瞬時に今いる場所を認識し、矢印が表示されて道案内をしてくれます。

      初めて訪れる場所の場合は、位置情報がわかっていてもどこを向いてあるき出せば良いのかわからなくなることがありますよね。

      ARの場合、目の前にガイドが現れるためわからなくなることがほとんどありません。

      案内に関する領域は、これからどんどん成長していくことが予想され、物凄い勢いで進化していきます。

      最先端事例④:「VR内見」  内見をVRで疑似体験

      不動産領域においても、VRは非常に大きな効力を発揮しています。

      見たい物件がある場合、通常は見たい場所まで行き、不動産屋を訪ねて……といったステップを踏まなくてはなりません。

      しかし、VRのテクノロジーを使えば、現場に行かなくてもその場で内見ができてしまうため、家の雰囲気をより詳細に知ることができます。

      今後ますます内見のVR化は進んでいく見込みで、より簡単に内見ができるようになるでしょう。

      最先端事例⑤:「社員教育VR」Walmartが実験中

      これまで、社員教育マニュアルは動画で見たり、マニュアルを読んだりすることでしかできませんでした。

      しかし、VRで社員教育用の動画を作れば、より没入感のある研修を行うことが可能になります。

      実験を実施しているWalmartでは「VRトレーニングは体験的で記憶に残りやすく、活用しやすい」としており、VRで社員教育を行うことの意義を感じています。

      最先端事例⑥:「ANA Virtual Trip」旅行先の映像を共有できる

      ANA(全日空)では、VRで画面を見せながらビデオ通話で旅行中の映像をリアルタイムで共有できる「擬似旅行体験サービス」を運営しています。

      なかなか旅行に行くことができない方のためにも「ANA Virtual Trip」は、すばらしい映像を共有できるため非常に便利です。

      最先端事例⑦:「セフォラ」コスメ試用AR

      セフォラ

      アメリカでNo.1のコスメセレクトショップ「セフォラ」のAR導入事例で、店内にiPadが設置されており、誰でも簡単にARでコスメを試せるようになっています。

      「Instagram」や「SNOW」などの「盛れるアプリ」だけでなく、最近は実際のメイクをARで疑似体験できる「コスメ×AR」の領域で盛り上がっています。

      ブランドにとっても、ARにとっても非常に良い体験となっています。

      まとめ

      ARとVRに関する違い、実際の具体的な導入事例などについて解説してきました。

      AR・VR市場は今後ますます伸びていく市場であり、私達の身の回りにもより多くの機会に導入されていくことが予想されます。

      また、今後は具体的な事例がどんどん増えていき、思わぬところでこのような技術が使われること間違いありません。

      ARやVRに興味がない方でも、どんな違いがあってどんな技術なのかを人に話せるくらいは知っておくと良いでしょう。

       

      私たちOnePlanetは、さまざまな業界・業種でのAR導入事例があります。

      AR体験の導入にご興味があるという方は、ぜひお気軽にご相談ください。