この記事では、事例からARの活用方法や体験の作り方を考察していきます。
今回は、NIKEの「MOVE TO ZERO」の事例が題材です。
まずは、全体像がわかるこちらの動画をご覧ください。
出典:Nike: Move to Zero from UNIT9 on Vimeo.
目次
MOVE TO ZEROとは?
MOVE TO ZEROは、スポーツブラント「NIKE」が炭素排出量と廃棄物をゼロにして、スポーツの未来を守る取り組みです。
地球環境を守るために、リサイクルした素材を商品に使用したり、廃棄物や炭素排出量の削減する素材を積極的に採用する取り組みをしているとのことです。
MOVE TO ZEROの詳しい情報はこちらを訪れてみてください(外部リンク)。
プロジェクトの目的を考察
それでは、「MOVE TO ZERO」プロジェクトの目的を考察していきます。
目的・ターゲット
「MOVE TO ZERO」のプロジェクトの目的は、NIKEの地球環境保護に対する取り組みを認知してもらうことだと考えられます。
また、ARは靴箱が体験のトリガーになっているため、ターゲットは「NIKEの商品の購入者」だと考えられるでしょう。
NIKEの商品を買った人に、ARの体験を通して環境保護への取り組みを知ってもらい、よりブランドを好きになってもらうことが狙いだと考えられます。
プラットフォームの選定
今回の体験はWeb ARを開発ツール 8th wallを使用して、開発されています。
8th wall(Web AR)を選定した理由としては、次の2点が考えられます。
- 拡散を必要としない
- 自由度の高い体験を開発したい
実際のAR体験のステップとポイント
では、「MOVE TO ZERO」プロジェクトで体験することができるAR体験を、ステップを追って紹介していきます。
それぞれのステップにおけるポイントも併せて解説します。
- QRコードでサイトへアクセスしARを起動する
- マーカーの認証と3Dモデルが出現する
- 詳細情報が表示される
ステップ①:QRコードでサイトへアクセスしARを起動する
シューズの購入者は、靴箱に印刷されているQRコードからARを体験することができます。
画像引用元:Unit9
QRコードを読み込むと、AR専用のランディングページ(サイト)が立ち上がります。
このサイトには、次の情報が記載されています。
- AR起動ボタン
- 軽量版へのリンク
- プライバシーポリシーや利用規約など
中部のAR起動ボタン「START NOW」をタップするとARが起動します。
- できるだけ多くの人に体験してもらうために、軽量版が提供されている
- スマホのスペックや通信環境が原因でARの動作が不安定になる方向けに軽量版を提供していることは、素晴らしいポイントだと言えます。
ステップ②:マーカーの認証と3Dモデルが出現する
ARを起動すると、マーカー読み取り画面に映ります。
靴箱のマーカーを読みとると、工場をイメージした3Dモデルが出現します。
3Dモデルはタップできることがわかるようにアニメーションの演出があります。
- マーカー認証のガイドが設置されている
- まだまだ、マーカーを認識する体験をしたことがない方が多い状況です。マーカー認識のガイドや「認識させるコツ」などを文字情報で補足している設計が素晴らしいです。
- タップ(操作)できる部分をアニメーションで補助できる
- ユーザーが操作できることを視覚的に伝えるために、アニメーション演出していることもポイントですね。
ステップ③:詳細情報が表示される
工場や森など特定の場所をタップすると、詳細情報が表示されます。
「LEARN MORE」をタップすると、専用のLPに遷移し、さらに詳しい情報を知ることができます。
- まとまった文字情報はフラットに表示される
- ARの体験を開発すると空間上に演出することがメインになりますが、体験者にしっかりと読んで欲しい情報はフラットにスクリーンに表示する方が、可読性が上がります。
まとめ
NIKEの「MOVE TO ZERO」の事例をもとに、AR体験を解説しました。
ポイントをまとめておきましょう。
- (容量が多い場合は)多くの人に体験してもらうために軽量版が提供される
- 操作方法が直感的に伝わるように、ガイドやアニメーションを活用する
- 操作のコツなどはテキストで補足される
- しっかり読んで欲しいものは3Dにこだわらず、手前にフラットに表示される
ぜひ良いAR体験の開発に活かしてみてください。
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ARのビジネス活用を検討していましたら、お気軽にご相談ください。