最近、国内でもARを活用した企業やブランドのマーケティング事例が増えてきました。一方で、
「ARって面白いけど定量的に効果は示せないでしょ?」
「社内の説得ができないので、まだ今は投資できない」
「専用アプリのダウンロードが必要だから投資対効果は見込めないよね」
そのような声もまだまだ聞こえてきます。
確かに新しいマーケティング手法なので投資にはリスクが残っており、投資回収ができていない事例も多々あるのが現実です。しかし、ARを活用したマーケティングが確立し、競合他社もARの活用方法を学び始めたタイミングから「よし、弊社も」とスタートさせては差別化を実現できません。
しかし、本当に企業やブランドはARを取り入れることで具体的に効果を得られるのでしょうか?
また、その効果とはどのようなものでしょうか?
そこでこの記事では、先行してARマーケティングが広がる海外のARに関する情報と、国内のARマーケティングの先行事例から「ARマーケティングの効果」について考察をまとめていきます。
目次
Shopifyは3D / ARを含む商品が94%高いコンバージョン率
驚くべきことに、オリジナルのECサイトを立ち上げられるShopifyでは以下のツイートで、3D / ARコンテンツを含む製品は、AR / 3Dを含まない製品よりも94%高いコンバージョン率を示したと報告しています。
これは驚くべき数値ですね。
世界をリードするECの会社であるShopifyのレポートにて、ARを入れることがECサイトの購入率を改善する高い効果になると確認されています。
さらに、別のツイートでもShopifyは3D/AR機能を活用すると注文コンバージョン率が40%向上すると報告しています。
海外で先行してここまでARが購買への影響を持っていることを考えると、国内でも手軽にECサイトを立ち上げられるBASEやStores.jpなどのサービスでも同じようにAR機能が実装されていくことでしょう。
Z世代の40%がARを使用(SNSベースのAR)
ここ数年、多くのブランドにとってマーケティングの議論の中心にあったのはミレニアル世代でした。
しかし、マーケティング成果を最大化するためには次のシフトに備える必要があり、つまり Z世代(’96 -’10生まれ) を主要なトレンドとして理解しておく必要があります。
世界のAR市場のリーダーの1社であるSnap,IncとJ. Walter Thompson IntelligenceがまとめたZ世代に関するレポートによると、Z世代の56%がSNSを使用して自分自身を創造的に表現していると報告されています。
そしてさらに注目すべき点として、Z世代の40%がARレンズを使用してSNS投稿する写真や動画コンテンツをリッチに演出しているというデータが出ています。
つまり、SNSでの撮影・投稿にARでリッチな演出をすることが必要不可欠になってきていると見て取れます。
引用:2019 JWT Intelligence study in partnership with Snap Inc.
また、AR技術を活用したマーケティングに特化したOnePlanet社では、同社が手掛けたInstagramのARを活用した代表的なキャンペーンの1つで、以下のようにZ世代がAR利用の90%超を占めるオーディエンスデータが取得されたと報告しています。
同社によると他のプロジェクトでも類似の結果が出ることが多いということで、ARがいかにZ世代を中心として利用されているのかを見てとることができるでしょう。
InstagramやTiktok、Snapchat、LINEなど、ARを活用した撮影ができるSNSは増えてきていますが、企業が公式アカウントにオリジナルARを開発できる国内の主要なSNSはInstagramとFacebookだけです。
国内のFacebookユーザーが下火になっていることから、必然的に企業やブランドは公式InstagramにオリジナルARを導入するトレンドが必須になってくるでしょう。
InstagramのオリジナルARフィルターはシンプルな体験であれば比較的簡単に開発ができるため、企業やブランドは簡易的なARに投資をしても有象無象のAR体験に埋もれてしまい投資回収ができません。
高度なARの開発には高い専門性が必要になるため、AR技術に特化した会社に相談することが競合差別化においては重要になるでしょう。
ARのセッション時間は平均75秒(WEB AR)
ARに関する情報をまとめた「AR Insider」の記事によると、2つの企業からARを活用した広告キャンペーンで平均75秒のセッションが報告されたとのことです。
そしてこれは、モバイルビデオの4倍の長さに至るとのことです。
引用:AR Lens Sessions Last 75 Seconds on Average
AR技術を活用したマーケティングに特化したOnePlanet社では、同社が手掛けたWEBブラウザのARを活用したマーケティングキャンペーンでも平均セッション時間が80秒を超えたと報告をしています。
海外では、企業やブランドはInstagramなどのSNSでのAR導入だけでなくWEBブラウザを活用したARキャンペーンも多く実施されています。
これはAR体験からダイレクトに/ストレスなくEコマースへと遷移させる導線や、InstagramのARでは開発できないプラットフォーム仕様上の制約など、InstagramのARでは提供できない領域をWEB ARであればカバーできることが大きいです。
コンテンツが飽和する現代社会において、退屈なコンテンツや求めていない広告は一瞬でスワイプされてしまうことは容易に想像できます。
もちろんキャンペーンの内容によりますが、海外だけでなく国内でも「ARを体験するユーザーの滞在時間は75秒以上に及ぶ」という同様のデータが見て取れることから、
ARを活用したマーケティングはユーザーの心を捉える可能性があると考察できそうです。
実際にさまざまなARを提供するOnePlanet社でも、ARを体験するユーザーは一瞬でスワイプなどされず、長い時間体験に滞在してくれるセッション時間を多くの事例から確認できています。
75%の消費者が小売りブランドに対して、AR体験の提供を期待
小売り業界は最もARの活用が進行している業界の一つです。
海外では多くの小売りブランドがARを活用して、消費者にとっては購買体験の一部になっています。
以下の海外の記事では、消費者のうち75%が小売りブランドに対して「AR体験の提供」を期待しているとレポートしています。
出典:5 Ways Augmented Reality (AR) Is Transforming Retail
小売業界はARとの相性が最も良い業界の1つです。
多くの消費者の期待に応える形で、ARを自社のマーケティング活動に取り入れることが長期的なブランドの価値を支えることでしょう。
具体的に小売業界でのARの活用方法は以下の記事にもまとまっています。
AR広告の活用により、ブランド認知度が70%も増加
ロンドンのARスタートアップ、「Zappar」では、ARが脳に与える効果についての研究レポートを発表しました。
出典:How augmented reality affects the brain
Zapparによる研究によると、AR広告が今までの広告体験より最大で70%記憶に残りやすいことがわかりました。
たしかにインパクトのあるAR広告は、他の広告商品に比べてブランドの魅力を訴求しやすいことは想像できます。
そしてその効果に伴って、AR広告業界は2023年に88億ドルに達する可能性があり、これから著しく成長する市場として注目されています。
まとめ
最近では国内でもプロモーションにARを活用する事例が増えています。
これだけARを使ったプロモーションが増えてきたのは、専用アプリがなくとも手軽にARを楽しめるようになった、という点も大きいでしょう。
WEBブラウザやInstagramなど、すでに持っているアプリやスマートフォンの機能だけで完結できるARが生まれてきたことは、ユーザー普及を考える上では重要な技術的な進化です。
ARを使ったプロモーションに興味がある方や、「まずやってみたいけど何からやればいいのか分からない…」という方は、AR技術を活用したマーケティングに専門特化した会社を探すことが重要です。
ARマーケティングラボを運営するOnePlanetでは、AR技術を活用した様々な企業向けソリューションの導入実績が多数ございます。どのような内容でも、お気軽にご相談ください。
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