こちらは2019年にリリースされた事例ですが、日本でも人気があるテネシー・ウイスキーの代表的な銘柄「ジャックダニエル」がスマホアプリでARを提供した事例の紹介です。
手がけた会社は、サンフランシスコのTACTIKというクリエイティブスタジオです。
遊び方
アプリはiOSとAndroidに対応しており、まず専用アプリをダウンロードすると、年齢入力の画面が出てきます。
「ジャックは生年月日が不明だったが、あなたはそうではないと願う」という、創業者のストーリーが年齢入力画面に表示されるユーモアにより、離脱せずに次へと進むことができます。笑 こういうTIPSは大事ですよね。
そして、スマホをジャックダニエルの瓶にかざすとラベルの画像を認証してARのアニメーションとナレーションが始まり、150年以上も続くブランドの物語(製造工程・蒸留所・歴史)を楽しむことができるようになっています。
そして少々申し訳ないと思いつつも、PCでジャックダニエルのラベル画像を検索してARを楽しんでみました。
視覚的に「飛び出す絵本」のようにストーリーが展開されるARになっているため、平面の情報に触れるよりもより没入感が高まる仕掛けになっています。
ちょっとした映画を見るような気分にさえなり、エンターテインメントとしてのクオリティの高さを感じました。
ブランドがアプリでARコンテンツを提供するスタイルについて
ここからはブランドの立場から、ARをどのように提供するかというテーマを考えてみます。
アプリの優れた点は、PUSH通知ができたり個別ユーザーとのつながりを持ちやすい点にあります。さらにARの機能的にもリッチな体験を提供しやすい点で優れています。
ですが、どうしてもアプリダウンロードのハードルが生じます。
そのためブランドのアプリでのAR体験提供は、かなり高い熱量を持ったファンでなければなかなかダウンロードしてもらいにくいでしょうし、一度コンテンツを消費した後までユーザーのスマホにアプリが残り続けることは至難の業でしょう。
その点、インスタグラムのARフィルターでAR体験を提供しているブランドも増えていますし、WebARでプロモーションを展開するドミノ・ピザや、店舗限定のAR体験を提供しているスターバックスなど、よりユーザーが使いやすい導線でARを提供することで成功を収める事例も増えてきています。
今回のように歴史や製造工程を学ぶようなARはブランドの既存ファンのさらなるエンゲージに貢献するものに感じました。
まとめ
ひとえにブランドのAR活用と言ってもアプローチは様々で、今回のジャックダニエルのAR活用事例はコンテンツとしてはとてもリッチで没入感が高く、楽しい体験でした。
外出がしにくいご時世、自宅でジャックダニエルの歴史を学びながらハイボールを一杯やるのはとても良い体験となりそうです。
まだまだユースケースが少ないARを活用したマーケティングですが、今回ご紹介した事例のようにうまく活用をすれば従来の手法よりも圧倒的にコストを抑えたマーケティング/プロモーションが実現できます。
本メディア「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、ARをベースに様々な技術を組み合わせたマーケティングソリューションの企画〜開発までをワンストップで提供しています。
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