【2025年最新】ARグラスとは?選び方やAppleグラスの解説も

本記事は、AppleのARグラスの発表に伴って大きな注目が集まっているAR体験ができるメガネ型デバイスについて、ARの専門会社が丁寧に解説をした記事となってます。

目次

「ARグラス」「スマートグラス」「VRゴーグル」の特徴と違い

まずはよく混同される ARグラス・スマートグラス・VRゴーグル の違いを整理しましょう。

比較表

ARグラスとは?

ARグラスは、その名の通り「現実に情報を重ねて表示する」ためのデバイスです。
メガネをかけると、机の上に仮想のオブジェクトを置いたり、空間に操作パネルを浮かべたりでき、まるで現実世界にCGが存在するような体験が可能になります

特徴は、センサーやカメラを内蔵して「自分の動きに合わせて情報をリアルタイムに表示」できること。精度の高い体験ができる反面、サイズや重量が増える傾向があります。

具体的な例としては、ARグラスの Magic Leap 2 を装着すると以下のように、机の上に仮想上の物体を設置操作する事が可能です。ARエンジニアによる検証動画では、仮想空間上に設置されたピアノを操作したり、物体を操作しています。

スマートグラスとは?

スマートグラスは「情報をシンプルに映し出す」ことを主目的とした軽量デバイスです。
例えば、通知・翻訳・ナビゲーションといった機能をHUD(ヘッドアップディスプレイ)的に表示します。

近年はMetaがAIアシスタントを搭載した Ray-Ban Meta Smart Glasses を発表し、
軽さ+AIで日常を拡張する」という新しい方向性を提示しました。
このようにAI搭載モデルが登場したことで、従来「ただの通知眼鏡」と思われていたスマートグラスの位置づけが大きく変わりつつあります。

VRゴーグルとは?

VRゴーグルは「現実を完全に遮断し、仮想空間だけに没入」するためのデバイスです。
ARやスマートグラスが“現実とデジタルの融合”であるのに対し、VRは“完全な別世界への移動”。
そのためゲームやエンタメとの親和性が高く、Meta Quest シリーズやPS VR などが代表例です。

***

100%バーチャル世界に没入する「VRゴーグル」はわかりやすいですが、「ARグラスとスマートグラスの違い」は年々あいまいになっています。
小型センサーやAIが搭載されることで、スマートグラスでも簡易AR体験が可能になり、逆にARグラスも軽量化して日常使いに近づいているからです。

調査が足りないまま最新のデバイスを買ってしまうとミスマッチが起こるため、スペックや機能の確認が重要です。

本記事では、幅広いスペックの最新のARグラス10選をそれぞれに解説した内容があるので、デバイス検討の際には当該パートを参考にしてみてください。

目的別に2つに大別されるARグラスの種類

さらにARグラスを大きく分けると、大きなコンピューターを搭載したものと、一般消費者が日常使いできるもので、BtoB/BtoCそれぞれに違ったタイプのデバイスとして各社が開発を進めています。

BtoB

メガネ型ARデバイスは、手を使わずにAR体験できるのがメリットです。たとえば、ものづくりをしながらマニュアルを確認したり、資料をみながらディスカッションしたりといった、作業をしながら情報を閲覧するシーンで利用されることが多いです。中でもHololensはARグラスの先駆者的な存在で、さまざまなビジネス分野で導入されています。

しかし、メガネというよりはヘッドマウントディスプレイに近く、大きさもあります。大型のコンピューターを搭載したARグラスはビジネスで使用される事例も増えているものの、装着するのが大変だったり、長時間利用には適していない点がデメリットです。

BtoC

そこで、一般市場向けには、スマートで軽いメガネ調のものが注目されています。見た目は従来のスマートグラスに近いのですが、技術が進化して小型センサーなどを搭載しているARグラスが増えています。

スマホとUSB-Cでつないで映画やゲームを楽しむ「持ち歩けるシアター」として利用されるほか、地図ナビや翻訳など日常ユースにも広がっています。
価格帯も5万円前後からと手が届きやすく、ファッション性も重視されているため、「普段の生活に自然に溶け込むAR体験」を実現する点がBtoBとの大きな違いです。

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2025年の注目トレンド:主要プレイヤーの動向

実際の製品がリリースされることで、いよいよ各社がどの領域を狙うかが明確になってきました。

Apple:空間コンピューティング主導

AppleはVision Proを核に、「高価格×プロフェッショナル向け」 の路線を固めています。
狙いはハード販売だけでなく、visionOSを中心とした新しいアプリ経済圏の構築です。iOS・macOSとの連携によって、クリエイティブ・ビジネス利用を強化し、既存ユーザーを次世代デバイスに巻き込む戦略です。“空間コンピューティングの頂点” というブランドポジションを確立しています。

Meta:日常ユースと入力革命

Metaは「毎日かけられるAIグラス」をコンセプトに、Ray-Ban Displayで HUD的な日常体験 を提案。さらにNeural BandによるEMG入力で「触れずに操作できるUX」を打ち出しました。
加えて、Oakleyとの連携でアスリート向けのMeta Vanguardを展開し、スポーツやアウトドアなどニッチ分野をテストベッドにする多角戦略も進めています。
Metaの強みは、SNS(Instagram、Messenger、WhatsApp)との連携基盤を持ち、生活の中にAIを溶け込ませる設計思想にあります。

Google/XREAL:オープンエコシステム

GoogleはXREALとの協業で「Project Aura」を推進し、Android XRを基盤にした開発者フレンドリーなオープンプラットフォームを構築中。
さらにWarby Parkerとの提携によって、「技術」+「ファッション性」 の両立を狙い、MetaやAppleが手薄な「普段使いのデザイン領域」で差別化しています。
Gemini AIや広視野角の光学シースルー技術を武器に、“Androidスマホの拡張体験”として世界中の開発者を巻き込む戦略を展開しています。

2025年の注目トレンド:技術進化の方向性

実際の製品がリリースされることで、ARグラスの技術進化についても重要なポイントが明確化してきました。

ウェーブガイドの薄型化:普通の眼鏡にしか見えないのに実は未来ガジェット

かつてのARグラスは、まるで分厚いゴーグルのように「機械を顔にかけている感」が抜けませんでした。
しかし、最新技術のおかげでレンズの中に**極薄の光の通路(ウェーブガイド)を埋め込めるようになり、厚さは数ミリ。
これでRay-BanやWarby Parkerのようなオシャレな細身フレームにも組み込めるようになり、「普通の眼鏡にしか見えないのに実は未来ガジェット」
が現実に近づいています。

虹彩ノイズ低減:かけていることを忘れるくらい自然な視界

ARグラスをかけたときに、視界にうっすら虹色の縞模様が浮かぶ――これが長年の“違和感の正体”でした。
ところが、光をコントロールする技術が進化し、この虹色ノイズはほぼ消滅。
地図アプリのルート表示やチャットの文字も、クリアに表示されます。
つまり今は、「かけていることを忘れるくらい自然な視界」が手に入る段階に来ています。

マイクロLEDによる高輝度化:スマホをポケットにしまったまま、眼鏡だけで済む世界

炎天下のスマホ画面が見えづらくてイライラしたこと、ありますよね?
マイクロLEDを搭載したARグラスなら、真夏の直射日光下でも文字や映像がはっきり。
しかも消費電力が少なく長寿命だから、毎日かけっぱなしでも安心です。
言い換えれば、「スマホをポケットにしまったまま、眼鏡だけで済む世界」を支えるディスプレイがマイクロLEDです。

EMGや視線追跡など新インターフェース:指を軽く動かすだけで「クリック」や「スクロール」

MetaのNeural Bandは、指を動かす前に流れる微細な筋肉の信号(sEMG)を検知します。
この信号をAIが即座に解読することで、手を大きく動かさなくても、親指を軽く動かすだけで「クリック」や「スクロール」が実行できます。

さらに、感度が高いため「指を動かそうとした瞬間の合図」でも反応可能。
例えば、親指を軽くひねれば曲送り、左右にスワイプすればメニュー操作、といった直感的ジェスチャーが可能です。

将来的には、視線追跡や音声操作と組み合わせ、「視線で選び、指先で確定」という自然なゼロUI体験を実現する道筋が見え、SFのような入力革命が現実化しつつあります。

***

これらプレイヤーと重要な技術の潮流が、2025年以降の「最新ARグラス10選」を理解する上での背景となっています。

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最新のARグラス 10選

以下より、最新のARグラスを10個、それぞれ個別に特徴を整理して解説していきます。

① HoloLens2

HoloLens 2は、マイクロソフトが開発したBtoB領域の定番ARグラスです。
前モデルから大幅に改善され、広い視野角(約52度)・高解像度・直感的なハンドトラッキングやアイトラッキングを搭載。
建築、製造、医療、教育などの分野で幅広く活用されています。

特に、遠隔作業支援やシミュレーションで多くの導入実績があり、日本国内でも大企業や研究機関で採用例が増加。
価格は約3,500ドルと高額ですが、企業ユースを中心に「プロフェッショナルAR体験のスタンダード」として地位を確立しています。

② XREAL(旧:NrealLight)

XREALは、一般消費者向けに最も普及しているARグラスの一つです。
軽量(約88g)でデザインもサングラス風とファッション性が高く、街中でも自然に着用可能。

USB-Cでスマートフォンと接続し、大画面ディスプレイ代わりに映画やゲームを楽しむ用途や、SLAM機能を活かしたAR体験が可能です。
価格は約499ドルと手頃で、「日常的に使えるスマートARグラス」として世界中で人気を拡大しています。

さらにXREALは、Googleと連携した次世代プロジェクト「Project Aura」にも関与しており、今後はAndroid XRを基盤にした本格的なAI/AR体験の展開が期待されています。

Project Aura:https://www.xreal.com/jp/aura

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③ Magic Leap 2

Magic Leapはアメリカ合衆国のスタートアップ企業で、Googleからの資金調達で話題になりました。

特に「Magic Leap 2」は同社が開発した最新モデルで、空間認識性能とグラフィックス表示の美しさに定評があります。
9つのセンサーを搭載し、ユーザーの動きに合わせてデジタルオブジェクトを安定的に配置可能。

OSはAndroidを採用しており、既存のアプリ開発環境との親和性が高いのも魅力です。
2023年から日本でも販売が開始され、建築・医療・教育分野など、高度なシナリオに活用可能なARグラスとして注目度を増しています。

日本発売日について

2023年より、ついに日本で発売となったMagic Leap 2については、以下の記事で専門家が詳細を説明しています。

Magic Leap 2とは?その魅力をARグラス開発専門のエンジニアが解説 [開発者インタビュー]

④ ThinkReality A6

ThinkReality A6は、レノボが開発した法人向けARグラスです。
重量は約380gとやや大きめですが、1080pの高解像度・手・音声・視線での操作・付属コントローラーなど多様な操作方法を提供。

特に、製造業や建築現場などのフィールド作業に強みを発揮します。
堅牢な設計とバッテリー駆動時間(約4時間)により、長時間の現場利用でも安定したパフォーマンスを発揮します。

⑤ Lenovo Legion Glasses 2

Lenovoが2025年に発表した最新モデル。
通常の2D映像を自動的に立体3Dモードに変換する機能を搭載し、ゲームや映画を没入的に楽しむことができます。

軽量なヘッドマウント型ながら、ゲーミング用途に特化しており、「エンタメ重視のAR/VRグラス」としてユーザーから高い支持を受けています。
ゲーム配信やeスポーツの現場での活用も期待されるモデルです。

Legion Glasses Gen 2:https://www.lenovo.com/us/en/p/accessories-and-software/vr-headsets/vr-headsets_smart-glasses/gy21r10236

ThinkReality A6 vs Lenovo Legion Glasses 2 の棲み分け

Lenovoは業務用とエンタメ用で、まったく異なる2つのスマートグラス戦略を展開しています。

ThinkReality A6は、現場作業の効率化を支える法人向けARグラスであり、製造業や建築業のBtoBユースに特化しています。
一方、Legion Glasses 2はコンシューマ向けに開発された「没入型エンタメグラス」であり、ゲームや映画体験を強化することに焦点を当てています。

つまり同じLenovoでも、「BtoBの業務効率化」と「BtoCのエンターテインメント」という明確な棲み分けが存在します。

⑥ AppleのARグラス「Apple Vision Pro」

2023年に発表され、2024年末から日本市場に投入されたApple初のARグラスです。
直感的な操作(視線・ジェスチャー・音声)・高解像度ディスプレイ・豊富なアプリ連携により、「ポストiPhone」として世界的に注目を浴びています。

  • 高解像度マイクロOLED:片目4K以上、広視野角
  • 空間OS(visionOS):iOS・macOSとのシームレス連携
  • ジェスチャー操作:視線+指のピンチ動作による直感的UI
  • エコシステム連携:App Storeを通じたアプリ提供、iPhone/iPad/Macと接続

価格は他社AIグラスの10倍以上ですが、「空間コンピューティングの未来像」として開発者・企業の関心を集めています。
Meta Ray-Ban DisplayやProject Auraが「日常メガネ型体験」を重視するのに対し、Vision Proは「仕事・創作・メディア視聴の拡張」に強みがあります。

Appleは多数の関連特許(視覚矯正、心拍数・脳波計測、プライバシースクリーンなど)を取得しており、今後の機能拡張が期待されます。
価格は高額ながら、エンタメ・仕事・教育を横断した“究極のAR/VR体験を提供する存在です。

詳細は以下の記事でも説明していますが、これまで市場に投入されてきたどのデバイスよりも高性能なスペックとされています。

AppleのARグラスが無期限の発売延期を発表

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⑦ Meta Ray-Ban Display + Neural Band

MetaはRay-Banと提携し、2025年に「Meta Ray-Ban Display」を発表しました。
右レンズに小型ディスプレイを搭載し、手首のNeural Bandを使って筋電ジェスチャーで操作する革新的な仕組みを採用。

通知確認、音声アシスタント操作、リアルタイム翻訳、地図ナビゲーションなどを視界上で完結させることが可能です。
ファッション性の高さから日常で違和感なく装着でき、「おしゃれで賢いスマートARグラス」として世界的に大きな注目を集めています。

Meta Ray-ban:https://www.meta.com/jp/ai-glasses/meta-ray-ban-display/

Metaの最新デバイスについては以下の記事でも専門的に深掘りした内容をまとめています。

Meta Ray-Ban DisplayとNeural Band徹底解説|AI/ARグラス最新情報とSDK開発ガイド

⑧ Oakley Meta Vanguard

こちらも同じくMetaの製品です。

スポーツブランドOakleyとMetaが協業し開発したスポーツ特化型スマートグラスです。
12MP広角カメラ・防風設計・StravaやGarminなどのフィットネスアプリ連携を備え、サイクリング・ランニングなどアウトドア利用に最適化されています。

従来のAR体験とは異なり、「身体パフォーマンス向上」や「スポーツログ計測」といった具体的な用途に焦点を当てているのが特徴です。
スポーツウェアと自然に馴染むデザイン性もあり、今後はアスリート向けスマートグラス市場
の中心的存在になると予想されています。

Oakley Meta Vanguards:https://www.meta.com/jp/en/ai-glasses/oakley-meta-vanguard/

Meta Ray-Ban vs Oakley Meta Vanguards の棲み分け

Metaから2つのARグラス/スマートグラスが発売されているため、棲み分けを整すると、まずMetaが展開する「Ray-Ban」シリーズが日常的なライフスタイルに寄り添ったモデルであるのに対し、Oakley Meta Vanguardsは完全にスポーツユースへ振り切った設計という点が最大の差分です。

前者が「街中やビジネスシーンでも自然に使えるおしゃれなAR/AIグラス」だとすれば、後者は「アスリートがトレーニングや競技で活用するパフォーマンス特化型グラス」といえます。

この2シリーズは、ファッション×日常利用と、スポーツ×アウトドア利用という明確な棲み分けによって、Metaのスマートグラス戦略を補完し合っています。

⑨ Google Android XR × Warby Parker

Googleは新たにAndroid XR OSを立ち上げ、人気眼鏡ブランドWarby Parkerと提携したスマートグラスを開発中です。
シンプルでスタイリッシュなデザインに加え、AIアシスタント機能・音声操作・日常ユースを想定したAR表示を搭載予定。

Apple Vision ProやMeta Ray-Banの対抗馬として、「Googleスマートグラス復活」への期待が非常に高まっています。
検索エンジンやクラウドと連携した強力なエコシステムを背景に、発売後は一気に普及が進む可能性があります。

Android XRについては以下の記事でも詳しく解説しています。

Android XR × Google Gemini で未来のAI x XR体験

⑩ Snap Spectacles(最新モデル)

Snapchatを展開するSnap社が開発する最新ARグラス「Snap Spectacles」は、SNSと強く結びついたソーシャル特化型のデバイスです。

現行モデルでは GPSナビゲーション・ハンドトラッキング・仮想キーボード といった操作機能を搭載。SnapchatのARレンズをそのまま視界に重ねられるため、スマホ画面を介さずに友人と同じエフェクトを共有できるのが最大の魅力です。

従来の「カメラ付きサングラス」から大きく進化し、SNS連携を軸に日常的なAR利用を広げる役割を担っています。2026年には一般消費者向け新モデル「Specs」が登場予定で、さらに軽量化と長時間駆動が実現すれば、本格的な普及期に入る有力候補となるでしょう。

Snap Spectacles:https://www.spectacles.com/

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ARグラスの選び方|4つのチェックポイント

上記のように、市場にはすでに多くのARグラスが投入されており、選び方が難解です。ここからは、4つの項目に分けてARグラスの選び方を解説していきます。

ARグラスを選ぶ際の4つのチェックポイント
  1. 視野角
  2. デザイン
  3. 重量
  4. バッテリー稼働時間

ポイント①視野角(FOV)

ARグラスを選ぶ際に重要になるポイントとして、まず「視野角」があります。視野角はFOV(Field of View)と表記されることもあります。

普段着用するようなメガネと異なり、ARグラスは装着した向こう側の全てがARの世界になるわけではなく、グラスの中に内蔵されたディスプレイの視野角によって体験できる広さ・幅が異なってきます。これはAR体験において非常に大きな差分となります。

以下は、人間工学における視野角の限界を示した図ですが、当然、視野角が広くなるほど人間の本来の目の視野角と差分がなくなるため、より現実味が高まります。

視野と弁別能力

ARグラスを選ぶ時には視野角(FOV)の広さは一つの指標としてください。ただ、視野角だけで選ぶと他の重要な要素が抜け落ちてしまうため、他の主要なチェックポイントも確認することが重要です。

参考:エンジニアのための人間工学

ポイント②デザイン

業務や家のほか、外でも使う予定ならデザイン性を最重要視しましょう。ヘッドセットのようなグラスを街中で使うには、違和感があります。サングラスのようなARグラスもありますが、機能性が豊富になるほど搭載されるコンピューターは大きくなるので、デザインを優先すると機能が劣ってしまう傾向にあります。デザインと機能性は常にトレードオフになる関係性にあります。

ポイント③重量

ARグラスやスマートグラスは、頭と鼻に装着する性質上、重量を確認してください。グラスが軽量になるほど機能性もシンプルになる傾向がありますが、長時間使用する際には重さを感じないものが良いでしょう。

ポイント④バッテリー稼働時間

当然、バッテリー稼働時間は長ければ長いほど良いです。そしてグラスのサイズが大きいほど大容量バッテリーの搭載が可能ですが、重くなります。ストリーミング配信の動画視聴やビデオ通話はバッテリーを大きく消費しますが、マニュアルや文書確認などはバッテリー消費量が少なくて済むため、使用用途でARグラスを選定する必要があります。

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ARグラスの利用シーン|具体的な活用例

紹介した通り多数あるARグラスですが、利用シーンに応じて最適なデバイスが選定され、すでにさまざまなシーンで活用されています。ここではARグラスの具体的な活用例について解説します。

①建築現場

建築現場では、ARグラスに点検箇所や設計図を映し出して活用しています。ARを使うと、設計図などの情報を現場に重ねて表示できるため、より正確に情報を把握できるというメリットがあります。建築現場では、資材を運ぶ作業などには両手を使います。ARグラスは、両手が自由な状態でARを利用できるため、作業しながら設計図の確認が可能です。ARグラスによって、設計図の目視確認と現場作業とを繰り返す必要がなくなり、安全に効率的な作業ができます。

②仕分けやピッキング

大量の荷物の仕分けや、広大な倉庫でのピッキング作業などにも、ARグラスが活用されています。ピッキングしたい商品がどこにあるのか、運ばれてきた商品をどこに搬入すべきかなど、ARを使うと瞬時に把握できます。倉庫業大手のDHLでは、スマートグラスのAR機能を使ってピッキング業務を効率的するプロジェクトに取り組みました。

スマートグラスに表示されるAR映像を通じて作業員に指示を出すことで、ピッキング作業の迅速化とミスの削減を実現しています。常に両手を使って作業できることで、ピッキング作業効率を従来比較の25%も向上できたそうです。出荷指示や搬入場所を紙で確認するのは、時間がかかるうえに、内容を読み間違える可能性もゼロではありません。ARグラスを使えば、これらの情報も視覚的に把握できるため、ミスも減らせます。

③遠隔地からのサポート

現場にいる人がARグラスを装着して、その映像を遠隔地にいる指導者と共有してサポートを受けるという活用方法もあります。ARグラスに指示内容を表示させて、音声と併せて指示ができるため、遠隔地にいても直接的な指示が出せます。新型コロナウイルス感染症の広がりにより、同じ空間に多くの人が集まりにくい状況になりました。また、熟練の作業員不足という問題もあります。ARグラスによる遠隔地サポートは、これらの問題を解決できると期待されています。

④ゲームなどのエンターテインメント

ARグラスは、ゲームなどのエンターテインメントにも使われます。ゲームの映像をARグラスに表示させると、スマートフォンやタブレットでゲームをするよりも、よりリアルな感覚が味わえると話題です。ARグラスで映像を見ながら両手でコントローラーを操作できれば、実装できるゲームの幅が広がる期待もあります。また、物理的な装置の作成が難しい、脱出ゲームなどにも応用されています。

商業スペース向けARグラスゲーム「Giant Pizza Tower」

株式会社OnePlanetが提供するARグラスを活用したゲームをご紹介します。こちらは商業施設や自宅など空間を認識し、天井に穴を開けて、天井から落ちてくるピザをキャッチして遊ぶという空間を生かしたARグラスならではのゲームです。ピザ以外のオブジェクトを降らせることも可能なので、ブランドの世界観を消費者に楽しんでもらう新感覚のアプリケーションとしての利用を見込んでいます。

現実世界と映像がリンクするため、目の前にピザが降ってくるような感覚になれるゲームです。ARグラスの特徴を存分に楽しめるでしょう。

イベント会場向けARグラスアプリケーション「ML Music Live」

同じく、こちらもOnePlanetが提供するARグラスを活用した空間音響アプリケーション「ML Music Live」です。

ARグラスのコンピューターが利用者のいる空間を個別に認識して空間をメッシュデータにし、音に合わせて空間が変化するという体験をすることができます。従来のDJやVJとはまた違い、イベント会場などでこれまでと違った全く新しいユーザー体験を提供できるでしょう。こちらの音に合わせて空間を変化させるというアプリケーションは、その斬新性が話題を集めて日経新聞でも取り上げられました。

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⑤医療現場

医療現場では、遠隔地からの診療にARグラスが活用されています。先述のとおり、ARグラスを使用すると遠隔地から現場への指示が、より正確に伝えられます。そのため、在宅患者のもとへ看護師が訪問して、遠隔地から医師が診療する在宅医療が可能です。また、ARグラスは両手が自由になるため、手術のシミュレーションなどにも役立つでしょう。患者のCT画像を利用して、本番同様のシミュレーションもできます。

⑥教育現場

ARグラスは、教育現場での活用も期待されています。例えば、どの場所にどの星があるのかわかるアプリなど、天気が悪くても子供が楽しく学習できるARグラスが提供されています。教科書や図鑑だけではわかりにくいものも、ARグラスを使うと、目の前に実物が存在しているようにみえます。ARグラスを教育現場に導入すれば、子どもたちがより好奇心を刺激しながら飽きずに学習できるようになるでしょう。

まとめ

ARグラスは”ポストスマートフォン”と呼ばれていますが、AppleがARグラスを発表したことで、現実になる日が刻一刻と近づいています。私たちOnePlanetはスマートフォンとARグラスの両方を活用し、AR技術に専門特化してさまざまなソリューションを展開しており、ご相談を賜っております。

特にいま注目が集まるAppleのARグラス「Vision Pro」や「Magic Leap 2」などの最新のデバイスについても高い専門性を有しています。国内ではまだ新しいARを活用したサービスの展開にご興味がありましたら、お気軽にご相談くださいませ。

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