AR絵文字

LINE(ライン)をはじめとするメッセージアプリやSNSでは、絵文字やスタンプを送ることが多くなりました。タップするだけで簡単に返事ができるので、文字以外のコミュニケーションが気軽に取りやすくなりましたよね!

よくスタンプを使う方の中には、「自分のオリジナルスタンプを簡単に作れたら……」というときもあるかもしれません。実は、絵が描けなくても、スマートフォンのAR機能を使ってオリジナルの絵文字を作れる機能があります。それが、SamsungのGalaxy S9+/S9シリーズから搭載された「AR絵文字」という機能です。

今回は、AR絵文字とはどんな機能なのか、AR絵文字機能の使い方や注意点について紹介します。「オリジナルスタンプを簡単に作りたい!」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

「AR絵文字」とはどんな機能?

スマホの絵文字

AR絵文字でできることを一言でいうと、「自分だけのオリジナルのスタンプを作成できる」機能です。いまやスタンプは、スマートフォンでコミュニケーションツールとして多くの世代で浸透しています。

しかし、基本的にはキャラクターや有名人のスタンプを使っている方が大半です。自分自身を反映したものではなく、オリジナリティはないといっていいでしょう。

一方のAR絵文字は、自分自身を反映させたスタンプを簡単に作れる機能です。コミュニケーションをより楽しく・おもしろくする機能として注目を集めました。実際にどんなことができるのか、またどのスマートフォンで体験できるのかご紹介していきます。

自分のオリジナルアバターを作れる

「AR絵文字」とは、端末のカメラで人の顔を撮影し、アニメ風のオリジナルアバターを作成する機能です。オリジナルアバターは、絵文字やスタンプやメッセージ動画のような感覚で、気軽にメッセージアプリで使用できることが特徴です。

オリジナルアバターの作り方はとても簡単で、わずか1分で作成完了します。アバターのアレンジ幅が広く、簡単にオリジナリティを出せるのも嬉しいポイントです。そのときのテンションや雰囲気に合わせてオリジナルの絵文字を作れるため、日頃のメッセージのやり取りがより楽しくなりますね!

Androidスマートフォン「GalaxyS9シリーズ」から搭載された機能

AR絵文字」は、2018518日に発売された「Galaxy S9+/S9」に搭載されたARアニメーション機能を使ってオリジナル絵文字を作成します。SamsungはこのAR絵文字にとても力を入れており、発売当初は「Galaxy S9 / S9+の神機能」とまでアピールしていました。

これ以降に発売された多くの機種にもAR絵文字機能が搭載されています。

※現在ではアップデートにより、以前に発売された一部の機種でもAR絵文字が作成可能です。

AR絵文字が使用可能なGalaxy機種(2022年12月現在)
  • alaxy S8(SC-02J、SCV36)
  • Galaxy S8+(SC-03J、SCV35)
  • Galaxy Note8(SC-01K、SCV37)
  • Galaxy S9(SC-02K、SCV38)
  • Galaxy S9+(SC-03K、SCV39)
  • Galaxy Note9(SC-01L、SCV40)
  • Galaxy Feel2(SC-02L)
  • Galaxy S10(SC-03L、SCV41、Rakuten Mobile)
  • Galaxy S10+(SC-04L、SC-05L、SCV42)
  • Galaxy A7(Rakuten Mobile)
  • Galaxy Fold(SCV44)
  • Galaxy Note10+(SC-01M、SCV45、Rakuten Mobile)
  • Galaxy Note20 Ultra 5G(au)

なおAR絵文字は、iPhoneはじめ他のスマートフォンやタブレットには搭載されていません。ただし、オリジナル絵文字やスタンプなどを作れる機能としてはiPhone向けの「Animoji」や「Memoji」などがあります。

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※AR絵文字と、これらiPhone向けのサービスとの違いは本記事で後述します。

AR絵文字でアバターを作ってみよう

アバター

AR絵文字でオリジナルアバターを作る手順はとても簡単です。慣れればたったの1分で作成でき、すぐに使えるのがAR絵文字の魅力といえるでしょう。

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セルフィーカメラ(自撮りモード)で写真を撮るだけ

アバターの作り方はとても簡単で、カメラからAR絵文字機能を起動し、人の顔を撮影するだけです。カメラを向けると、その人の顔をアニメ調にデフォルメしたアバターが表示されます。

撮影中の顔の動きや傾き、微妙な表情までリアルタイムに反映しているのが分かりますね。また「声」も録画できるので、その場で伝えたいコメントなどもそのまま絵文字として使えるのがおもしろいです。

オリジナルアバターにアレンジを加える

撮影したアバターは、「そのまま」モードと「補正」モードから選択して加工できます。元々の面影をしっかり残したければ「そのまま」、キレイにしたい・盛りたい場合は「補正」といったところでしょうか。

髪型や肌の色、服装などのアレンジ幅が豊富なので、よりオリジナリティの高いアバターを作成できます。

表情を変えればアバターも変わる

AR絵文字というだけあり、現実の自分の表情と作成したアバターの表情しっかり連動しているのが注目ポイントです。カメラの前で笑えばアバターも笑い、怒ればアバターも怒るので、ついいろんな表情でアバターを作ってみたくなります。

オリジナルアバターを使ってスタンプを作成

オリジナルアバター作成時に表示される「マイ絵文字を作成」をタップすれば、自動的にオリジナルスタンプを作成できます。作ったスタンプは、LINEをはじめとするメッセンジャーアプリや、TwitterなどのSNSで使用可能です。

通常、LINEスタンプを作るにはLINE審査などの煩雑な作業が発生します。しかし、AR絵文字機能を使って作成したスタンプは、審査などは一切不要で、その場ですぐに使えるようになります。バリエーションは現在18種類で、喜びなどの表情のほか、「OK」「NO」といった返事が使えます。基本的なコミュニケーションに必要な絵文字を自動的に、しかも即座に使えるようになるのはありがたいですね!

※Galaxy Appsでアップデートすれば、36種類に追加できます。

Galaxy S10からはAR絵文字がさらにパワーアップ

Galaxy S10シリーズには「ミニモーション機能」が搭載されています。AR絵文字機能がリリースされた当初は体の動きは反映されず、あくまで表情のみが反映されていました。

しかし、ミニモーション機能の搭載により、モーショントラッキング技術を使ってユーザーの全身の動きをリアルタイムにアバターに反映できるようになりました。まさにAR絵文字のパワーアップ版といえる機能でしょう。

体の動き全体を絵文字化にして送れるので、コミュニケーションの幅もより広がりそうです!

自分の顔を使いたくないときは?

お悩み

ここまでAR絵文字の機能として紹介したものは、いずれも自分自身の顔からアバターを作る方法です。しかし、いかにアバターといえども「自分を前面に出すのがイヤ!」という人もいるでしょう。

筆者もそうなのですが、自撮りに抵抗がある人もいますよね。そんな方は、次の方法でオリジナルアバターを作成できます。 

人と認識できれば他人の顔でもOK

 AR絵文字機能を使う際、重要なのは「カメラに映っているものを人として認識できるかどうか」です。「Galaxy S9シリーズ」以降のスマートフォンに搭載されているAI機能によって、人と認識されれば、自分の顔でなく、他の人の顔でもアバターの作成が可能です。

目や鼻などの顔の各パーツの特徴をAI内にインプットしており、そのインプットに合致しない場合は人として認識できない仕組みです。逆に人の顔であっても、撮影環境が悪かったり、アクセサリーなどの装飾や表情などによってはAIが人として認識できない場合もあります。人として認識できない場合は、アバター作成画面に進めない点には注意してください。

動物は認識できない

スマートフォンのAIで人と認識されないと、アバターは作成できません。

動物の情報はAIにインプットされていないので、残念ながらペットなどでオリジナルアバターを作ることはできません。

写真からアバターを作ることもできる

 スマートフォンのAIが人と認識すればアバターは作成できます。つまり、人と認識できれば写真からアバターを作ることもできます。

ただし、芸能人などの写真を使う場合は、肖像権などに注意しましょう。

Galaxy Apps」からアバター素材をダウンロードできる

Galaxy Apps」にはアバター用のキャラクター素材がたくさん用意されています。Galaxyアカウントを作成することでダウンロード可能になります。無料のものがたくさん用意されているので、組み合わせることでオリジナルのアバター作成が可能です。

※一部有料のものもあります。

この方法で作ったアバターのスタンプも、自分のアバターで作ったスタンプ同様、さまざまなSNSプラットフォームで使用可能です。

ディズニーキャラクターをアバターにできる

アバター素材として人気なのが、ディズニーキャラクターです。なんとミッキーやミニ―などをはじめ、一部のディズニーキャラクターをアバターにすることができます!

ディズニーのアバターは目が大き目にデフォルメされており、全体的に丸みのあるデザインになっています。とてもかわいいですね!

オリジナルアバターに少し抵抗を感じる人も、ディズニーなら気軽に挑戦できるのではないでしょうか?

AR絵文字で使えるディズニーキャラクター
  • ミッキーマウス
  • ミニーマウス
  • ドナルドダック
  • Mr. Incredible
  • Elastigirl
  • Violet
  • Dash
  • Jack-Jack
  • Super Frozone 

なお、アバターとして選択できるディズニーキャラクターは、今後も追加される可能性があるとのことです。

AR絵文字はどんなところで使える?

アンドロイド

アバターからオリジナルスタンプを作成した後、どこで使えるのかは気になりますよね。AR絵文字機能で作成したオリジナルスタンプは、GIFアニメーションとして保存されます。よって、GIFアニメーションに対応している環境であれば幅広く利用できます。

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各種SNSで使用可能

GIFアニメーションが使えるSNSであれば、画像をアップロードする感覚で使用できます。たとえば、TwitterやLINE、FacebookやInstagramなど、主たるSNSであれば問題なく使用可能です。

ただし、SNSで使用することで拡散され、第三者の目に触れることも十分あり得ます。著作権や肖像権などに問題がないよう、またプライバシーの侵害などにならないか、しっかり留意しておきましょう。

送信先が「AR絵文字」非対応のスマホでも大丈夫

オリジナルスタンプと聞くと、「AR絵文字で作ったスタンプは対応している機種同士でないと使えないのでは?」と懸念する方もいるかもしれません。しかし、GIFアニメーションに対応しているスマートフォンやタブレットであれば、たとえ送付先がAR絵文字の非対応機種でも問題なく楽しめます。

昨今のスマートフォンはほとんどGIFアニメーションに対応していますので、ほぼ問題なく使用できると言って良いでしょう。

iPhonenに「AR絵文字」機能はない?

スマホのアバター

AR絵文字はAndroid端末のGalaxy S9シリーズ以降に搭載されている機能です。iPhone向けにもオリジナルアバターやスタンプを作れる機能があるため、違いを比較してみましょう。

iPhone向けオリジナルアバター作成機能
  • Animoji(アニ文字)
  • Memoji(ミー文字)

    iPhoneX以降に搭載された「Animoji(アニ文字)」と似ている

    Animoji(アニ文字)は、アニメーション絵文字を作成できる機能で、iOS11から登場しました。iPhoneX以降に搭載されたTrueDepthカメラ機能を使い、自分の表情をキャラクターのアバターに反映させます。

    キャラクターアバターはブタ・パンダ・イヌなどの動物16種類です。カメラで映した人の表情をアバターに反映させるという点では、AR絵文字とアニ文字は似た機能といえるでしょう。両者は似たサービスとして比較されることも多いのですが、使い勝手には大きな違いがあります。

    アニ文字は、顔の表情による筋肉の動きを識別し、あらかじめ用意されている12種類のキャラクターに反映して、表情が変わるアニメーションを作成します。すでに用意されたものに自分の表情を反映するのみなので、その場で即座にアバターを作成するAR絵文字とは違います。

    また、アニ文字で作成したアニメーションは、メッセージアプリ内でしか使えません。LINEをはじめとするコミュニケーションツールやSNSが多様化している現在において、メッセージアプリでしか使えない点は大きなデメリットと言えるでしょう。

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    Memoji(ミー文字)」でもオリジナルアバターを作れる

    MemojiはiOS12から使えるようになった機能で、アニ文字の進化版とも言える機能です。作ったアバターをFaceTimeやメッセージなどのカメラを使うアプリで、リアルタイムで使用できます。すでに用意されたキャラクターを動かすのではなく、イチからアレンジして自分の顔のアバターを作成できる点が、アニ文字から進化した点です。

    肌・ヘアスタイル・顔の形などの定番パーツから、もみあげやそばかすなど、かなり細かいところまで設定できます。また作成したミー文字は、LINEなど他のSNSで使用することも可能です。

    ※ただしAR絵文字のようにアプリ自体に保存機能があるわけではないので、すでに送信したミー文字を画像として保存する手間がかかります。

    アニ文字と比べ、よりSamsungのAR絵文字に近い機能となったように感じます。

    ミー文字とAR文字もよく比較されますが、ミー文字のほうが動きが細やかな印象です。これはiPhoneⅩから搭載されたTrueDepthカメラの3D顔認識機能により、ウィンクや舌の動き、まばたきなども再現できるためです。

    また、アバターの仕上がりも、ミー文字とAR文字は異なります。ミー文字のほうが、アニコメのようなデフォルメ感の強い仕上がりになります。AR絵文字のほうが人の顔をモチーフにしている分、よりシンプルで本物に近い印象がありますね。

    まとめ

    SamusungのAR絵文字は、カメラで映した人の顔をリアルタイムでアバター化できる機能です。GIFアニメーションとして保存できるため、LINEをはじめとするSNSでも使用可能です。

    表情や動きなどもリアルタイムに反映できるため、非常にユニークで幅広い使い道があり、コミュニケーションツールとしてとてもおもしろい機能といえるでしょう。ぜひ試してみてくださいね。

    本メディア「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、ARエフェクトの開発、ARを活用したキャンペーン拡散やブランディングなどお力添えできます。

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