今日、ブランド責任者やマーケティング担当者は、ARによる広告の大きな変革に直面しています。これからコンピューターはAIの技術で、現実空間を認識できるようになり、今みなさんが見ているディスプレイではなく、ARを活用して現実世界に情報を表示する世界に変わっていきます。
Snapchat社をはじめAR広告はすでに社会実装が始まっており、ARtillry’sは2022年までに26億ドルの市場に成長することを予想しています。
この記事では屋外広告や既製品にスポットを当てて、どのような影響を与えるかについて紹介します。
スキー場の巨大な看板AR
こちらは2021年の年末にリリースされた、長野県須坂市のスキー場&雪山エンターテインメント「NINJA SNOWHIGHLAND」で展開された巨大忍者が出現するARです。設置された巨大パネルに向けてカメラをかざすと、なんと10メートル級の3D制作された巨大忍者がスキー場現地に出現するという大変ダイナミックなAR体験をすることができる新しいエンターテインメントです。
出現した3色の忍者はそれぞれ踊り始めて、中央に立つとキャラクターと一緒に一緒に記念撮影をすることができます。
WebARという技術により専用アプリなしでQRコードを読み取れば誰でも体験することができるようになっている点も特徴です。スキー場内に設置されていても手軽に遊んでもらうことができる点が特徴です。従来のARは専用アプリを必要とするものが主流でしたが、ストレスなく誰でも体験できるWebARは利用者の間口を広げることに成功しました。
こちらのARは特に「プラネター」というWebARの制作ツールを活用しており、3DコンテンツをアップロードするだけでARを制作できるため、コストを抑えてWow!な体験を実現できた事例です。
VR内での看板広告
AdvrtyプラットフォームではVR空間内に看板広告を設置する取り組みを開始しています。
VRの普及で、人々がVR空間で過ごす時間は日に日に増加しています。また、VR内であればユーザーの視点をトラッキングすることも可能になり、そのデータを生かして広告効果を高めることも出来るようになります。
現実広告のリプレイス
バーガーキンはライバル会社の屋外広告をかざすと、広告が燃えてバーガーキングの広告が表示されクーポンを配布するARを提供しました。
これはARを活用したユニークな事例ですが、注目したいポイントとしては、グラスやディスプレイを通すことによって既存の広告が全く別のものになってしまう点です。
ARグラスの普及が進むほど、消費者はグラス越しに現実世界を見ることになっていきます。
現実世界では表現できなかった演出の活用や、より消費者にストレスが感じないような広告設計が大切になります。
商品パッケージのAR化
屋外にある広告やサインに近しい領域で、商品のパッケージにカメラをかざすと演出があるARも世界では広がりを見せています。
19 Crimes Wine
19 Crimesというワインは、犯罪のためにオーストラリアへの輸送を宣告された英国市民の実話が元になった商品です。
そして各ラベルには、犯罪者の顔が描かれています。
ワインを宣伝するために、19 Crimesはボトルラベルを生き生きとさせるARを開発しました。
アプリをダウンロードし、スマートフォンのカメラでボトルをかざすと、ラベルの囚人はあなたに話しかけ始め、彼らのストーリーをします。
ARを追加することで顧客体験がさらに刺激的になります。
Shackleton
Shackletonは南極探検に参加していた探検家をモチーフにしたウィスキーブランドです
このARはパッケージを読み込むと、ユーザーは彼の物語を元にした南極探検の旅の擬似体験をすることができます。
Shackletonは、製品の販売促進と顧客教育を組み合わせ、スマートで魅力的な方法でブランド認知させています。
ウィスキーブランドのパッケージを使ったARプロモーションとしてはジャック・ダニエルも有名な事例があるので、参考にご覧ください。
参考:ジャック・ダニエルの飛び出す絵本のようなARアプリ|飲食ブランドのAR活用事例
Guinness
こちらは黒ビールで有名なギネスビールのARの事例です。
このAR体験ではビール瓶のパッケージをマーカーにしました。
ユーザーは、ARを通じてビデオコンテンツを視聴したり、興味深い雑学を読んだり、ゲームをプレイしたり、クイズに正解したり、SNSで体験を共有したり、さまざまな体験をすることができます。
このAR体験はギネスファンの間で大きな成功を収め、ブランドの売上を向上させることに成功しました。
さらに、このAR体験はSNSでのギネスのプレゼンスを高め、ブランド認知度の向上に貢献しました。
目の前の物が全て広告になる世界へ
「Googleレンズ」は広告の概念を変える取り組みです。GoogleのAIによって10億以上の商品を識別できるようになり、カメラに商品が写って認識するだけで、それに関連する情報を取得することになります。
もはや検索の必要もなくカメラをかざすだけで情報に到達できる世界であり、これまでGoogle検索で上位を狙ってきたSEOやリスティング広告もなくなってしまうことでしょう。視界に映る全ての物が広告のトリガーなる世界が近づいています。
まとめ
今回ご紹介したように、ARはマーケティングにおいて非常に有用な武器となります。
その一方で、ARのような新たな技術が登場すると、それを利用すること自体が目的となってしまい、「期待して投資してみたけど、イマイチ成功しなかった」という失敗体験となってしまったプロジェクトもあるのではないでしょうか。
導入することによってどのような効果をもたらしたいのか?どうすれば効果的に利用できるのか?ということを事前に検証し、自社に一番効果的な方法でARを導入することが重要になります。
本メディア「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、AR技術を活用したソリューションに専門特化して様々な業界での多数の実績を有しています。
ARやメタバースのビジネス活用を検討していましたら、お気軽にご相談ください。
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