新しい家具を買うときに「このテーブル欲しいけど、部屋の雰囲気に合うかな?」「あのソファすごくイイけど、幅が大きすぎないか心配」そのような心配はつきものです。これは冷蔵庫や洗濯機などの大型の家電もしかり、小売の事業を営む上で「試し置き」は重要なポイントです。
そのような悩みに対して、スマートフォンのARで実寸大で表示させることで購入前の不安を取り除くサービスが一般普及してきました。
家の中で家具を設置したい場所をスマートフォンのカメラで映せば実寸大で家具が出現し、設置イメージをシミュレーションできます。家具・家電・インテリアを買うときの心配事がなくなり、ユーザーはより購入しやすくなります。
この記事では、家具を試し置きできるARシミュレーターのメリットや、実際にARでシミュレーションできるアプリ・サービスを紹介します。すぐに使えるものもあり、使い方も解説するので、ぜひ試してみてください。
目次
家具・インテリア×ARが注目される背景
前提として、家具や家電、インテリアにおいてARが注目される背景に「EC市場の成長」と「店舗の役割の変化」があります。
コロナ禍に高まるEC化率
コロナによって、ECサイトの利用率は急激に拡大しました。自宅にいながら人々はものを買うような時代になったのです。
そしてARは、ネット通販などのEC市場でも注目を集めています。
従来のネット通販で障壁となっていた「試着できない」「イメージできない」という問題点を、ARが解決できると期待されているからです。
ARによる家具のシミュレーターを使えば、実際に部屋に置いた際の大きさ・柄・雰囲気などをリアルな感覚で確認できるため、EC分野の成長がARへの注目を高めている最大の理由となっています。
変化するの役割
店舗ビジネスにおけるコロナの影響を調査したレポートによると、小売店や飲食店、ホテルなど、90%の店舗業態のビジネスで影響があると回答をしています。
家具をARでビジュアライズできるようになったことで、お店でわざわざ実物を確認する必要性が減る方向にあり、これによって店舗の役割が大きく変化しています。
そのような中で、店内を「ここでしかできない、特別な空間にする」という文脈で店舗内にARを導入する事例も増えてきているのです。
どのようにしてARで家具を表示させるのか?
家具の試し置きARの特徴は、当然ながら実際に部屋に設置したイメージがわかることでです。
シミュレーションが難しかった家具を、試着感覚でどんどん試せるのはとても便利ですよね。
家具の設置シミュレーションができるARとして代表的なのは、IKEAのアプリ「IKEA Place」です。IKEAの事例をベースに、家具ARの特徴と技術の変化について理解しておきましょう。
もともとはマーカーを使ったARが主流だった
もともと、家具のAR設置は「専用アプリ」を必要とし、さらにトリガー(マーカー)となる特定の画像をカメラでかざすと、ようやく3Dの商品が飛び出してくるというタイプが主流でした。体験にたどり着くまでの工程が多かったのです。
こちらの動画は、IKEAがカタログにARを導入した当初もプロモーション映像です。部屋の中にIKEAのカタログを置いて表紙をカメラで映すと、家具が飛び出してくるというシンプルなものです。
大きさや向きなどの精度にやや難はあるものの、部屋の中に家具を置いた際のイメージができるということで注目を集めました。映像からも、あれこれ工夫してとても楽しそうに撮影している雰囲気が伝わりますね!
しかし、どうしてもカタログのように特定の画像が必要になってしまうデメリットがありました。
AR技術やデバイスの発達により家具のサイズ感がリアルにわかるようになった
2017年頃、AR技術に大きな進化がありました。
スマートフォン(iPhone/Android)を提供しているAppleとGoogle、それぞれがARプラットフォーム(※)をリリースしたことにより、スマートフォンで実現できるARの精度が劇的に向上し、スマートフォンやタブレットのカメラ・センサーを使って、目の前の物体の奥行や幅をリアルタイムで計測できるようになりました。
これにより、特定の画像マーカーがなくてもARでよりリアルな家具の設置シミュレーションができるようになりました。
IKEAの家具ARアプリも、「IKEA Place」としてニューリリース。気になる家具を選んで室内をカメラでかざせば、ほぼ原寸通りの家具イメージを仮想配置してくれます。これでメジャー片手に売場と家の設置場所を往復する必要はありません。
家具のARシミュレーターによって、サイズが合わずに置きたかった場所に入らないといった事態も防げます。
なお、「IKEA Place」に関してはこちらで詳しく解説しています。
アプリだけじゃない、AR表示技術の種類
ARは従来、アプリを前提に提供されてきました。
しかし、近年の技術の進化で多様な方法でARを提供できるようになってきています。
- InstagramなどのSNSのARカメラ
専用アプリをインストールしなくても、多くの人のスマホにすでにインストールされている点がメリットです。また、比較的安価かつ手軽にARコンテンツの制作が可能です。デメリットとしてはプラットフォーマーとしてInstagramを運営するMeta社の規約を守って開発しなければならず、できることが限られます。また、Instagramのアプリをインストールしているユーザーしか利用できないといった点も課題になります。 - 専用ARアプリ
高度なAR体験の開発に適していますが、開発コストは高くなりやすいです。ユーザーにはアプリをインストールをしてもらうハードルが高いため、一般的には選択されないことが多いでしょう。一方で、様々な機能を盛り込みやすい点が最大のメリットなので「作り込んだ自社専用のARアプリ」を予算をかけて開発したい場合にはもっとも適した技術となります。 - WebAR
専用アプリが不要、かつプラットフォーマーによる規約などないため普及が加速している技術です。特に店舗ARであれば、位置情報で体験できる場所を制御してお店限定の体験を作ることもできます。リアルビジネスでARをうまく活用したいニーズがある場合、技術的に最適なWEB ARは普及が進むでしょう。GPSやCookie等を活用したさまざまなARアプリケーションを手軽に提供することができます。
このように多様化が進むAR技術においては、専門性を持ったパートナーと共に技術選定を慎重に進めるところからスタートすべきでしょう。
インテリアショッピングが抱えてきた課題
家具や家電、インテリアにおけるショッピングは、古今東西変わらず営まれてきた消費活動です。
しかし、従来の家具・インテリア購入で発生してきた問題についてはいかのようなものが挙げられます。
- 採寸が面倒くさい
- オンラインだとサイズが把握できない
- 購入と返品が大変
①採寸が手間
1つ目は、インテリアの採寸の問題です。卓上ランプや食器類といった小物の購入であればその大きさについて、そこまで深く考える必要はないかもしれません。
しかし、大型のテーブルやソファなどとなると話は別物です。これらの大型家具は、購入の前にその大きさを把握し、設置スペースに見合うかどうかを検討しなければなりません。
昨今、オンラインショッピングなどにおいては、サイトに採寸が書かれているため、実際に計測しにいく必要はありません。しかし、家具だけでなく家のスペースの大きさについてもしっかりと採寸を行う必要があるため、計測するのはやや手間のかかる作業です。
②オンラインだとサイズが把握できない
オンラインショップなどで家具の採寸を数値では把握できても、実際の大きさの感覚をつかむことができないのは苦労してしまうポイントです。設置スペースは数値を見れば確保できるかもしれませんが、「具体的な高さは体感でどれくらいなのか」「本体の大きさで周りのスペースを圧迫しないか」など、感覚的な判断は非常に困難です。
また、直接店舗へ赴いたとしても、店舗と自宅ではまるで雰囲気が異なります。そのため、家に持って帰ってみると思っていたより大きいというケースも珍しくありません。インテリアを購入する上で難しいのは、感覚的な納得感を実際に設置してみるまでは得られないというところです。
③購入と返品が大変
インテリアを購入するにあたっても、大掛かりな作業が発生します。大型のソファやベッドとなれば、「マンションの通路を通るかどうか」「ドアの大きさは問題ないか」など、購入に際して確認しておかなければならないことが多々あります。
冷蔵庫を購入してみたら、「右開きだと思っていた扉が左開きだった」となってしまうのは悲劇です。
また、家具の搬入を行う際に邪魔にならないよう、周りの家具などの位置をずらしておかなければならない場合もあるものです。そのため、インテリアの購入は非常に手間がかかるため、金銭面以外での購入のハードルが高めです。
あるいは、万が一気に入らない家具だったという場合には、返品が必要です。インテリアの返品もまた大変な作業で、上記の作業に合わせ「再梱包」や「分解」といった手間が発生します。このようなケースを想定すると返品をする気力は起きづらく、購入の意欲の減退につながってしまうのです。
家具の設置をARで体験できるメリット
家具・インテリアの購入に伴う課題を、ARは確実に解消してくれることが強みです。
ARとインテリアの組み合わせによって得られるメリットについて解説していきましょう。
- 原寸大のインテリアの設置ができる
- 部屋に合うかどうかの確認ができる
- 手軽に試せるため購買意欲を高められる
- 返品率を減らせる
- 店舗の役割を変える
①原寸大の設置ができる
ARでインテリアを仮想的に現実世界へ出力することができるようになれば、いつでも気軽に原寸大の家具を自由に設置することが可能になります。
オンラインショップでインテリアを閲覧しても、果たしてこの家具の大きさは体感的にどれくらいなのかということは、実際に目にしてみるまではわかりませんでした。
しかし、ARで原寸大のインテリアをいつでも気軽に呼び出せるようになったことで、気になったインテリアはその場でARを使って現実世界に投影し、その大きさを確認することができます。
②部屋に合うかどうかの確認ができる
気軽にインテリアを好きな場所に呼び出せることで、まるで服を選んでいるかのような感覚でインテリアを選ぶことができるようになりました。
インテリアが自分の部屋に合うかどうかは、従来であれば実際に購入して部屋に設置してみるまでわからないものでした。しかし、ARを使ってインテリアを自分の部屋に投影すれば、その場でそのインテリアの大きさや部屋に設置した際の雰囲気を確認することができます。
そのため、万が一部屋に合わないと感じても、ARならすぐに商品を切り替え別のインテリアを試してみることができます。原寸大で表示されるARのため、大きさがフィットしないといったトラブルも回避することができるようになるでしょう。
③実物を試し置きする必要のない手軽さ
家具や家電、インテリアのような大型のアイテムは持ち運びが大変で実物を試し置きしようと思っても簡単には実現できませんでした。
これが、ARのようにバーチャルな3Dモデルを現実空間に配置できることにより、極めて手軽に実現できるようになったのです。
これは、従来の店舗やECにはなかった画期的なイノベーションと言えるでしょう。
④返品率を減らせる
さらに、購入した後に「実物と違った」となったときに一定数生じてしまう「商品の返品率」もARによって劇的に低減できているというケースも増えています。
購買率が高まって売上が伸びるだけでなく、返品によって生じるコストも下がり、ARの導入によりEC事業は利益が強固なものになるでしょう。
ARで家具やインテリアを気軽に試すことができるようになったことで、誰でも気が向いたときにインテリアを購入できるようになるでしょう。
⑤店舗の役割を変える
ECでなんでも購入できるようになっただけでなく、ARで自宅でもお試し利用ができてしまう時代、もはや店舗へ行く意味がなくなってしまうのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、ARやECなどのテクノロジーが先行する海外では、店舗は新しい意味を持ち始めています。
「そこでしかできない特別な体験」を提供することで、ブランドとファンの関係を強固にしているのです。
画像引用元:IKEA
商品の吟味やイメージは、ECやARでおおよそ済ませる方向に大きくシフトしています。
ECやARによって売り場のスペースは商品を陳列する必要性が減り、
そのため店舗は、家具を購入することによって生み出される価値や暮らし、ブランドメッセージを体感できるショールームになっていくと考えられます。
たとえば、2020年6月にオープンした、国内初の都市型IKEA「IKEA原宿」。
限られたスペースをうまく活かせるよう、ARを使ったシミュレーション・シンプルなディスプレイ・効率良く店内を回遊できるレイアウトなど、IKEAで実現できる都会の暮らしを存分に体感できる店舗になっています。
従来の大型店舗のように「家具を買いにIKEAに行こう!」と休日の朝から車を走らせていくのではなく、買い物ついでにぶらりと立ち寄れるコンビニのような、IKEAの新たな価値を提示しています。
ECサイトで何でも購入できる時代に、これからの店舗は今までにない価値や過ごし方などを提供する施設になっていくと考えられており、最新技術を活用したIKEAの店舗づくりは参考になりますよね。
代表的なAR家具シミュレーター5選(アプリ・Web・Instagram)
家具のARシミュレーターと言えばIKEAが有名ですが、IKEA以外にも家具の配置シミュレーションができる仕組みを導入する企業が増えています。
技術的にも自社の独自アプリで展開している事例から、Instagramのアカウント内でARを展開している事例、専用アプリ不要の「WebAR」で展開している事例など幅広いユースケースを紹介していきます。
- IKEA
- RoomCo AR
- Amazon ARビュー
- InstagramのAR機能(ニトリ・デコホーム)
- LOWYA
事例①IKEA Place
こちらは先ほども紹介をしたIKEAのARアプリです。こちらは家具×ARで最も有名な事例と言っても良いでしょう。
画像引用元:IKEA Place
「IKEA Place」はインテリアARの先駆けと言えるアプリです。
このアプリでは、IKEA製品を自由にARで表示し、自宅に原寸大の家具を設置してみることができます。家具は回転させたり移動させたりが自動で行えるため、非常に便利です。
IKEAは店舗が郊外にあることから、実際に見にいくのも一苦労です。そこでこのアプリを使い、体感的な魅力をしっかりと理解することで、購買意欲を高めてくれます。
事例②RoomCo AR
画像引用元:RoomCo AR
「インテリアを試着する」をコンセプトに、20以上のブランドから販売されている家具やインテリア雑貨の実物大 3Dデータを収録。サイズや色を確認しながら、試着感覚でインテリア選びができます。
お気に入りのブランドを組み合わせたコーディネートのシミュレーションができるのが強みですね。家具のカテゴリから、設置したいものを選びます。
実際に、RoomCo ARを試してみました。今回は、「カリモク家具」のベンチソファでシミュレーションしてみます。
アプリを起動し、家具カテゴリからシミュレーションしたいものを選びます。
カメラモードはこんな感じです。すでに置いてあるソファとの大きさを比較してみたかったので、後ろに配置してみます。黄色い小さな粒が、壁や床を認識しているようです。
表示エリアの「+」をタップすると、ソファがARで表示されました!想像してたよりもだいぶ大きめで、我が家の狭いリビングには窮屈そうです……。影の表現までついていてすごくリアル!
座る部分に寄ってみると、布の色味や質感がとてもリアル!本物を撮影している錯覚に陥るほどでした。
家具は複数設置することもできます。試しに、ニトリで見かけて気になっていた鉢カバーを置いてみました。幅・高さともに17センチしかないため、サイズどおりならわりと小さめな表示になるのですが……
2つ同時に設置できました!サイズ感が結構リアルです。ちょっと鉢カバーが大きめかな?という気がしますが、部屋の雰囲気と合っているかどうか見るには十分に感じました。鉢カバーの中身までちゃんと3Dデータであるのに感動!
ちなみに、ブランドごとの家具選択もできます。「このブランドでそろえたい!」とこだわりがある人でも使いやすいですよ。
YAMAHAのピアノや、ソニーのテレビもARシミュレーションに対応しています。YAMADA電機は家電ではなく、ダイニングベンチやソファなど、家具のみのラインナップとなっています。
事例③Amazon ARビュー
収録されているブランドには、以下のようなものがあります。
- ACME Furniture
- UP TOWN
- IDEE
- unico
- 大塚家具
- CAINZ
- カリモク家具
- カリモク60
- KEYUCA
- KENT STORE
- DNP Art Mall
- 島忠・ホームズ
- journal standard Furniture
- SEMPRE
- source
- ソニー
- ニトリ
- Francfranc
- MARUNI60
- 無印良品
- MOMO NATURAL
- ヤマダ電機
- Yamaha
- Re:CENO
- LIVING HOUSE
対象のブランド数がとても多いですよね。それだけ多くのブランドがARに期待しているということですし、Amazonとしても価値のある技術だと感じて投資していることが見て取れます。
使い方は簡単で、Amazonの商品ページ内の「部屋に表示(ARビュー)」という表記があれば、ARビューを体験できます。
Amazon ARビューで、テレビを設置するシミュレーションをしてみました。
ガイドに合わせてスマートフォンを動かすのですが、ガイドによると床→壁に向けないとARを出現させられないようです。リビングのテレビと大きさ比較をしたかったのですが、断念しました。
テレビが登場しました!家電量販店でみかけるような、メーカーや大きさの表記がそのまま残ってくれているのでイメージしやすいですね。少し認識が不安定で、壁の上側に上がっていってしまったのですが、部屋の色味や照明の関係もあるかもしれません。ARが出現するためのガイドは、ほかの家具ARアプリよりも丁寧に感じました。
商品検索・ARシミュレーション・気に入れば購入まで完了してしまうので、ARとネット通販の相性の良さを感じました!
AmazonのARビュー面白い pic.twitter.com/dihXblXMyI
— はやし こうへい (@haayaahei) May 24, 2020
事例④ニトリ・デコホームが提供するInstagramのAR
こちらは、国内家具最大手の「ニトリ」が展開する生活雑貨ブランド「デコホーム」でのARでショッピング体験を拡張した事例です。
コロナ禍のおウチ需要に対する商品として、自宅でもエプロンの試着ができるARフィルターを開発・提供しました。
大きな特徴は、InstagramのAR開発プラットフォーム「Spark AR」の活用によって、Instagram内から気軽に試着ができるようにした点です。
Instagramを起動して、デコホームの公式アカウントからARを選択し、試着する人を写すと、4種類のエプロンを試着できます。
インスタアプリさえ持っていれば、新たにアプリをインストールする必要もなく、簡単に操作が行えます。
いまの時代、Instagramとショッピングが切っても切り離せないことは誰しも理解しています。このようにInstagramの自社アカウントに試着できるARを設置するのは有益なARの活用方法ですよね。
事例⑤LOWYAのWebAR
画像引用元:LOWYA公式ホームページ
LOWYAは「試し置き、はじめました。」をコンセプトに、2019年に開始した家具の3Dデータを仮想配置できるサービスです。ネットショップに掲載されている商品のうち、およそ600品アイテムがAR表示に対応しています。
LOWYAの特徴は、ブラウザベースのARという点です。専用アプリをダウンロードする必要がなく、ほかのAR家具アプリとの差別化をはかっています。公式サイトでぱらぱらと商品を見ていて、気になる商品をすぐにシミュレーションできるのは嬉しいポイントです。
ただし、現在ではiOS12.1以降のSafariのみの対応。残念ながらAndroid端末ではAR機能は未対応です。今後ぜひAndroidでもシミュレーションできるようになって欲しいですね!
実際に、LOWYAの通販サイトでARを試してみました。リビングの照明をシミュレーションしてみます。
AR対象商品の中から、カテゴリを選んでシミュレーションしたい商品を選択。
「ARで試し置き」をタップし、カラーバリエーションを選ぶとカメラ画面が立ち上がります。ナビゲーションに従って、しばらくスマートフォンをゆっくり動かします。
測定が完了すると、商品の3DCGが実物大で表示されました!現在使っている照明と比較できるため、イメージがわきやすくて便利です。天井までの距離があるせいか、ARで出現するまで少しだけ時間がかかりましたが、ストレスになるほどではありませんでした。
とてもシンプルなので、AR初心者の人でも使いやすいです。
ノーコードでWebARを制作できるツールも登場
「ARで新しいユーザー体験を導入する」というニーズに対して、特に専用アプリのインストールが不要な「WebAR」を選択するケースが増えていますが、その背景にノーコードで簡単にWebARコンテンツを制作できるツールの登場があります。
もともとWebARを活用したキャンペーンは0から開発する事例が主流でしたが写真や画像をアップロードするだけで、プログラミングをしなくてもARを制作できるため、プログラミングの知識や外部の制作会社を必要とせず、コストを抑えて自分達でARを使ったキャンペーンを展開できます。
こちらの「LocationAR(ロケーショナー)」というツールでは、コンテンツをアップロードするだけでARが制作できてしまうため、ECサイトへのAR導入を簡単に実現できます。
また、店舗の役割の変化という活用方法では、ロサンゼルスの焼肉店で誕生日のお客様をお祝いするための特別な「バースデーAR」を同ツールを使って手軽に導入しています。
他にも様々な業界でWebARの手軽な導入が進んでおり、プログラミングをせずに簡単にオリジナルのWebARコンテンツを制作するツールを検討してみるのも良いでしょう。
まとめ
家具・家電企業やインテリアブランドがARを導入することは、ECサイトの購買率や返品率、そして店舗でのお客様とのコミュニケーションを大きく変えていける可能性を持っています。
しかし、まだ新しい分野なので、ARに専門特化した、高度な専門性を有するパートナーとともに取り組みを始めることが重要でしょう。
家具・家電、インテリア業界とARの相性は良いので、これから導入を検討することで他社ブランドとの差別化を実現できるでしょう。
「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、様々な家具・家電系企業、インテリアブランドにARを導入してきた実績がございます。
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