スポーツ業界のAR活用事例10選!国内外のスポーツビジネスでのARマーケティングを徹底解説。

現在、様々な業界でマーケティングソリューションとして注目される「AR」

御多分に洩れず、スポーツ業界のマーケティングにもARの波は押し寄せており、先行して海外では非常に面白い事例が出てきております。

国内のスポーツ業界でもAR活用が広がればもっと楽しくなるはず!ということで、そこで本記事では海外で先行しているスポーツ業界でのAR活用事例を集めてみました。

とくにチームだけでなくスポンサー側を巻き込んだAR施策の事例もあり、企業側も含めてやはり先行しているなと感じさせます。

この記事ではARの概要からスポーツマーケティングでの活用事例までを詳しく解説していきます。

そもそもARとは

ゴーグルをはめるVRの方がイメージが湧きやすいと思うのですが、VRは「Virtual Reality」の略で、VRのゴーグルがスマホに置き換わった版がARと考えるとわかりやすいかもしれません。ARとは「Augmented Reality」の略で、一般的に「拡張現実」と訳されます。

ゴーグルの中のバーチャルワールドではなく、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というものを「AR」と総称します。

【2020トレンド予測】Instagramを活用する企業が導入すべき”ARフィルター”とは

VRとの違い

ARと似た言葉としてVRというものがあります。VRとはVirtual Realityの略であり、VRゴーグルを装着した向こう側の世界が100%バーチャルな世界になる体験を指し、まるで自分がデジタル世界に入り込んだような感覚になります。VRも3Dなどのデジタル表現を駆使したものですが、現実世界にバーチャルな視覚情報を重ね合わせるARとは異なる体験といえるでしょう。

ARとマーケティングの相性がいい理由とは

ARとマーケティングは、相性のよい組み合わせです。なぜARとマーケティングは相性がよいといわれているのかを解説します。

ユーザーも楽しめる

ARの大きな特徴が、ユーザーが楽しみながら情報を得られることです。ARを取り入れた広告は、企業側が伝えたい情報を届けるだけではなく、ユーザーが能動的に楽しめます。結果として、ユーザーの記憶に残るうえに、企業に対し好印象を持つようになるというメリットがあります。スポーツ業界であれば、スタジアムに行けなくても目の前の現実世界に選手が出現してくれるようなAR体験はファンの心を動かしますよね。

情報が拡散されやすい

先述のとおり、ARはユーザーに楽しい経験を与えながら、情報が届けられます。楽しかった、興味深い体験だったという印象が残れば、ユーザーがその経験を誰かに伝えたくなります。SNSなどのユーザー数が多いプラットフォームで紹介されると、さらに拡散されて多くの人にリーチできるでしょう。

 

スポーツ業界のAR活用事例10選

海外では様々なスポーツビジネスのマーケティングでARがすでに取り入れられています。それではさっそく具体的な活用事例を見ていきましょう!

事例①Mavericks(マーベリクス|NBA)

NBAチームMavericksのARマーケティングの事例です。こちらはInstagramのARを活用した事例となっています。

Dennis Smith Jr.選手のスラムダンク

ポイントガードであるDennis Smith Jr.選手の巨大な壁画が実際に設置され、その壁画を画像として認証すると、同選手のAR(拡張現実)を介したスラムダンクを見ることができる、というものです。2018年のものですが、めちゃくちゃ格好良いのでぜひ一度ご覧ください。

この事例について、マーベリックスのCMO(最高マーケティング責任者)であるJerome Elenez氏は当時、以下のようにチームプレスリリースで発表しました。

「私たちは拡張現実でこれほど大きなことをした最初のチームであり、そのことをファンに誇りを持ってもらいたいです」

また、クリエイティブ制作会社側でも以下のようと述べています。

「スポーツ業界はデジタル時代の消費者とのコミュニケーションに、広告の次のフロンティアを模索しています。今回の取り組みは、スポーツチームがARを使用してファンと交流するより創造的な方法の1つです。」

確かにこのARが自分の友人のInstagramのストーリーなどで表示されたら「自分も現地の壁画を見に行って、ARを体験してみたい」と感じる人もいるのではないでしょうか。

Which Mav are you?

残念ながらNBAチームMavericksの公式アカウントで先ほどのARは現在は使えなくなっていますが、別のARが使えるようになっていました。

頭の上にランダムに選手のイラストが表示されるルーレットのような機能があり、ファンとのコミュニケーションに活用されています。

iOS の画像 (4)のコピー

選手の顔を知るファンからすると、「xx選手が出た!」というストーリーの投稿が多く溢れたのではないかと想像します。ぜひ一度覗いてみて下さい。

事例②Warriors(ウォリアーズ|NBA)

ウォリアーズとは、カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置く全米プロバスケットボール協会(NBA)のチームです。

こちらもInstagramで楽しめる、所属選手のルーレットが楽しめるフィルターです。

選手がイラスト調になっており、ポップな雰囲気のフィルターです。

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事例③SKワイバーンズ(韓国プロ野球チーム)

こちらは専用アプリを使って体験できるスタジアムでのARマーケティングの事例です。

SKワイバーンズ(에스케이 와이번스、英語: SK Wyverns)とは、KBOリーグに所属する大韓民国のプロ野球チームです。ホームタウンは仁川広域市。

韓国有数の企業グループ・SKグループの傘下にあるチームです。 2000年のアジア通貨危機で経営危機に陥った繊維メーカーのサンバンウルが傘下のチームを解散したあとにSKグループがその選手たちを受け入れて新設されたチームです。

チーム名の「ワイバーン」とは ワイバーンとは、尾がすばらしいとされる神話上の2本足のドラゴンです。

AR体験については、以下の動画の通りスタジアムにARドラゴンが現れてファンたちを楽しませました。

ドラゴンは空中を一周した後、ダイヤモンドの真ん中にあるプラットフォームに着陸する演出となっています。その間、来場したファンはスマートフォンのアプリを見ていたとのことなので、アプリでARを提供したのですね。

スタジアムとARの相性の良さ①開放性

少し詳しく解説していきます。

まず動画を見てわかることは、スタジアムとARの相性の良さです。以下にスタジアムとARの相性が良いと感じた部分について記載していきます。

建物が入り組んだ場所でドラゴンを出現させると建物の形状を認識する「オクルージョン」と呼ばれる技術が求められます。

以下の動画は同じドラゴンが出現するSnapchatのLandmarkeresというARですが、建物の前後をきれいに認識していることがわかります。

https://twitter.com/akirareiko/status/1118314882078773249

オクルージョンの有無はプロジェクトの難易度やユーザーの端末/スペックなどを大きく左右する要素にもなりうるため、スタジアムでのARは難易度の高い技術を必要とせずに同じような空間全体を使ったユーザー体験を提供できることは、結果としてダイナミックな体験を提供しながら、並行してAR導入のコストを抑えることにもなります。

これは、スタジアムという建造物の広く開放された特性をうまく生かしているなと感じます。(SKワイバーンズのARでも大画面スクリーンにドラゴンがしがみついているため形状認識はありますが、空間形状の把握がなくても広いスペースでの体験がスタジアムでは実現できます。)

ちなみにSnapのLandmarkerもとても面白いARなので、興味がある方は以下より詳しくご覧ください。

関連記事:未来の広告、スナップチャットのランドマーカー機能について|Snapchat Landmarkers AR

スタジアムとARの相性の良さ②大画面スクリーン

動画を見ると、大画面のスクリーンにAR体験が映し出されている様子が見て取れます。

現在、機種やOSなど場合によってはまだモバイルがAR非対応の場合もあります。参加者が皆で楽しめるというのはスタジアムビジネスならずともエンタメにおいては非常に重要な要素です。

参加者にネガティブな体験をさせない設計はARを導入する上で常に課題になるところなので、参加者が全員等しくコンテンツを楽しめる設備がコストをかけずあらかじめ用意されているというスタジアムの特性は、AR体験を提供する上で大きなメリットだと感じました。

開放性とスクリーンという意味では、野球以外のスタジアムスポーツでも新しい顧客体験を創造する上でAR技術がフィットしてくることでしょう。

事例④Boston Red Sox(ボストン・レッドソックス|米プロ野球)

複数回ワールドチャンピオンを経験している伝統あるメジャーリーグベースボールを代表するプロ野球チームのInstagramを活用したARマーケティングの事例です。

which player are you

こちらはインカメラで楽しめるルーレットフィルターです。頭の上に選手のイラストがランダムに表示される定番のフィルターになります。

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Winter Weekend

こちらも同じくインカメラで楽しむフィルターです。

ベースボールキャップを被りながら、冬の雰囲気を楽しむことができます。

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事例⑤Bundesliga(ブンデスリーガ|ドイツ プロサッカーリーグ)

ブンデスリーガはドイツのプロサッカーリーグです。1部、2部それぞれ18クラブ、3部20クラブの合計56クラブが所属しており、観客動員数では世界第1位の人気なプロサッカーリーグとなっています。

Borussia Dortmund

こちらはブンデスリーガの強豪チーム「ドルトムント」のペイントを楽しめるフィルターです。

ほっぺたにブランドのロゴが表示され、チームカラーのペイントを楽しむことができます。

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その他のフィルター:1部に所属する全てチームのフェイスペイントが楽しめる!

ブンデスリーガのアカウントの特徴は1部に所属する全てチームのフェイスペイントが楽しめるのが特徴です。

リーグアカウントの取り組みとしてとても面白い事例です。

国内でもリーグ全体を盛り上げる施策として真似をして展開できると理想ですね!

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事例⑥レアル・マドリード(スペイン プロサッカーチーム

国際サッカー連盟(FIFA)世界ランキング上位を誇るスペインの1部リーグに所属する強豪。「銀河系集団」「白い巨人」などの異名を持ち、純白のユニホームで知られている。各国からスター選手をかき集め、ジダン、ロナウド、ベッカムらがプレーしたクラブチームです。

Instagramで楽しめるARフィルターをマーケティングに活用しており、レアル・マドリードのフェイスペイントを楽しめるフィルターになっています。

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事例⑦ペプシ(スポンサー編)

面白い番外編として、スポンサーである企業が逆にスポーツを活用してARマーケティングを仕掛けている事例として「Pepsi」ご紹介します。

国内でもスポンサーとチームがタッグを組んだAR開発が加速すると理想的ですね!

以下は補足として、スポンサーとスポーツとの関係性からARのご紹介をさせていただきます。

ペプシとフットボールとの関係性

ペプシコーラは、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置くペプシコ社の所有により全世界で展開されているソフトドリンクブランド。日本ではサントリーが展開しています。

ペプシとフットボールの関係をまとめた「ペプシがサッカーに恋している理由」という以下の記事によると、

フットボールのファンと繋がることで、ペプシはポップカルチャーの象徴的なブランドになった

という表現があります。

フットボールはポップカルチャーを代表する存在であり、そのフットボールを楽しむ空間をさらに盛り上げる演出としてペプシが存在してきた、ということでしょうか。マーケティング戦略から見ても、両者は共に成長してきた重要なパートナーだと考えられるのでしょう。

以下からARの詳細を見ていきます。

Play × Messi

実際のARフィルターを見てみましょう。

同アカウントでは7つのARが提供されていますが、どれも同じく選手が自分の目の前に出現してリフティングをする様子を見ることができるというAR体験になっています。

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流れとしては、まず何もない自宅の床のようなスペースにペプシのロゴが目の前の床に出現し、そのロゴから穴が空いて、地下から選手が出現するという3Dアニメーションの演出が起こります。

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画面をタップすると、その選手のリフティングが始まります。

しかもゲームになっており、タイミングよくタップをすることでリフティングが続くようになっています。

自宅などプライベート空間の目の前であのスター選手がリフティングをしているなんて!というユニークなAR体験を提供しています。

3Dモデルを活用したARゲームはブランドとファンを楽しく繋ぐ非常に有効なマーケティングです。日本でもどんどん増えていって欲しいですね!

事例⑧adidas Originals(アディダスオリジナルス|スポーツシューズ編)

スポーツブランドとしては世界的に認知度の高いブランドadidas(アディダス)。

そのadidas(アディダス)のアパレルラインがadidas Originals(アディダスオリジナルス)です。アディダスオリジナルスは2001年からスタートしたライン。ロゴマークの「トレフォイル(三つ葉)」が特徴的です。

こちらは同ブランドの台湾のアカウントから配信されているフィルターです。

ほっぺたにブランドのロゴが表示され、複数の背景から好みのものを選択して壁紙の切り替えを楽しむことができます。

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事例⑨RIPNDIP(リップアンドディップ|スケートボーダー向けアパレルブランド編)

こちらはスケートボーダーに人気のアパレルブランドのARマーケティングの事例です。

RIPNDIPとは「スケートスポットで技をMakeしてすぐにその場を去る。」ということを表す言葉であり、RIPNDIPはスケートカルチャーと共に成長してきたブランドです。もう格好良いですね。

このアイコニックな猫ちゃん、ブランドを知らない方もどこかで見たことあるという方もいるのではないでしょうか。日本では原宿にSTOREをオープンしています。

公式Instagramのフォロワー数は134万人。世界に誇る大人気ブランドとして多くフォロワーを抱えており、かつARの種類も非常に多いです。

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そのうち、より特徴的な二つをいかに解説していきます。

①スプリング

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こちらのARではRIPNDIPのアイテムで使われているであろう春らしい花柄と、メガネが表示されます。

特に空間中に出てくる花にはアニメーションがついており、その独特の世界観をより一層楽しむことができます。以下のリンクから試してみてください。サムネイルからもユニークさが溢れ出ています。

②ARゲーム

こちらはゲームのARです。

余談ですが、Facebook社のAR審査は倫理・モラルに対して時に厳しい態度を取るため「うんこ」のオブジェクトが(少なくともこのAR審査時には)審査基準をクリアできたということがわかります。

こちらのARフィルターはタップすると障害物をジャンプして超えていくゲームになっています。

人気のネコのキャラクターが、OLLIE(オーリー = スケートボードと一緒にジャンプするスケボーで最も代表的な技)を繰り出しながらゲームを進めていく演出は、ブランドのファンを喜ばせる演出ではないでしょうか。

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事例⑩国内事例:Bリーグ×ソフトバンク

こちらは国内の5Gのプロモーションの一貫として展開されたARの事例です。

河村選手などトッププレイヤーの一流の技を間近で見られるソフトバンク社が提供するARアプリです。

専用アプリのハードルはありますが、こういった目の前で選手が見ることができるARはファン心を掴みますし、どんどん事例が増えて欲しいです。

まとめ

バスケ、野球、サッカー、どのスポーツでも海外はARマーケティングの事例が先行してますね。

そして、企業側もスポーツを活用したブランディング、マーケティングを活用しており、スポーツチームのみならずスポンサー側を巻き込んだAR施策はますます重要になりそうです。

ARを活用したマーケティングは日増しに重要になっており、スタジアムへの誘客や、SNSでの認知拡大には今後必須のアプローチとなるでしょう。

株式会社OnePlanetは、ARマーケティングの企画から開発、分析やレポーティングまでワンストップでの提供が可能です。先行する海外のARマーケティング事例について、常に情報を収集・発信し、成果を生む方法を研究しています。

ARを使った広告やプロモーションにご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。