
この記事は、スポーツ業界でInstagramのAR機能を取り入れている海外事例をご紹介します。
目次
スポーツ業界のAR導入事例①NBA
現在、InstagramとFacebookのストーリー内カメラで使用できるAR機能があります。顔や空間を現実拡張するオリジナルARフィルターを制作・公開し、実際にInstagram内のカメラに載せることが出来ます。
この機能は2019年8月に一般公開された新しいものですが、それまではクローズドで一部のブランドやクリエイターに限定したテスト運用がされていました。そのテスト期間にいち早くInstagramARを導入したのがNBAです。
NBAチームMavericksのポイントガードであるDennis Smith Jr.選手の巨大な壁画が実際に設置され、その壁画を画像として認証すると、同選手のAR(拡張現実)を介したスラムダンクを見ることができる、というものです。2018年のものですが、めちゃくちゃ格好良いのでぜひ一度ご覧ください。
ARは広告の次のフロンティア
この事例について、マーベリックスのCMO(最高マーケティング責任者)であるJerome Elenez氏は当時、
「私たちは拡張現実でこれほど大きなことをした最初のチームであり、そのことをファンに誇りを持ってもらいたいです」
とチームプレスリリースで発表しました。また、クリエイティブ制作会社側でも
「スポーツ業界はデジタル時代の消費者とのコミュニケーションに、広告の次のフロンティアを模索しています。今回の取り組みは、スポーツチームがARを使用してファンと交流するより創造的な方法の1つです。」
と述べています。
確かにこのARが自分の友人のInstagramのストーリーを介して表示されたら「自分も現地の壁画を見に行って、ARを体験してみたい」と感じる人もいるのではないでしょうか。
残念ながらNBAチームMavericksの公式アカウントで先ほどのARは現在は使えなくなっていますが、別のARが使えるようになっていました。頭の上にランダムに選手のイラストが表示されるルーレットのような機能があり、ファンとのコミュニケーションに活用されています。

選手の顔を知るファンからすると、「xx選手が出た!」というストーリーの投稿が多く溢れたのではないかと想像します。ぜひ一度覗いてみて下さい。
スポーツビジネスにおける先進的なARの活用方法であり、日本のスポーツチームも参考にできるポイントがありそうです。ファンとのコミュニケーションの在り方にARを当たり前のように活用する時代は、もう間も無くやってくるでしょう。
ARの正しい活用に向けて
ちなみに上記のMavericksのランダムにキャラクターを表示させるARと全く同じフォーマットで、ポケモンのキャラクター占いのようにして展開しバズったARもあります。
AR活用には業界別や、フィルターの演出別に、成功しやすいフォーマット、パターンがあり、弊社ではその部分の研究を進めています。
私たちは必ずしもバズることを成功とするのではなく、正しくブランドの楽しさを伝え、良い形でファンとのコミュニケーションにAR活用ができている事例を、ブランドにおけるAR活用の成功と定義しています。
先述の壁画アートとなると大がかりですが、例えば自分たちのホームのどこか何かしらアイコニックなマーカーを用意し、それを認証すると発生するARを自社のInstagramアカウントで用意しておく。そのARを楽しむファンが撮影した動画をストーリーにアップし、熱量がその周囲へと伝わっていく。
このような導線があれば、自分たちのフィールドへと新規ユーザーが足を運んでくれるきっかけにもなります。
既存のユーザーやファンの楽しみをARで拡張し、その熱量を起点に新たな認知拡大を行うアプローチ手法は、広告の次にくるARならではの新しいファンとのコミュニケーションの在り方になりそうです。
元記事:Mural of Mavericks’ Dennis Smith Jr. Comes to Life in Dallas
ARを活用したマーケティング・プロモーションにご興味がある方
本メディア「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetは、ARエフェクトの開発、ARを活用したキャンペーン拡散やブランディングにおいて、企画から開発・拡散・分析・レポーティングまで1つの会社でワンストップに提供しており、様々な業界での多数の実績を有しています。
ARコンテンツやInstagramのAR機能のビジネス活用を検討していましたら、お気軽にご相談ください。
<関連記事>
2022年、注目のARエフェクト制作会社4選
【AR導入インタビュー】プロスポーツチーム「広島ドラゴンフライズ」が最先端のARコンテンツに投資する戦略とは