AR技術の優れた点は、現実世界に通常は存在しないはずの物体を表示し、まるでそこにいるかのような体験が可能な点です。
表示するオブジェクトは必ずしも現実には存在しないものである必要はなく、例えば3Dの動物を表示することも可能です。
ただ、こういったことができるとは言われても、わざわざ自分で3Dグラフィックを作ってまで体験したい人はわずかです。
そこで、今回は私たちにとって身近な動物である犬や猫などをARで表示し、気軽にその技術を体験できるARアプリなどについて紹介していきます。
目次
ARで動物を表示するGoogleの無料検索サービス
ARで犬や猫といった動物を実際に出現させることのできるサービスとして、一躍話題となったのがGoogleのAR体験サービスです。
その概要について紹介しましょう。
原寸大の動物が自宅に登場
GoogleのAR体験サービスが開始されたのは、2019年の6月です。
スマホで特定の動物の名前をGoogleで検索することで、検索結果の上位に3D表示の項目が現れます。
ユーザーはこの項目をクリックすることで、スマホのARカメラを起動し目の前にARの動物を登場させることができるという仕組みです。
出現する動物の縮尺は自由に変更することができますが、最大の強みの一つがこれらの動物を全て原寸大で表示することができるというところにあるでしょう。
犬や猫といった、私たちにも馴染みのある動物であれば、原寸大で表示してもさほどインパクトはありません。
しかし、クマやウミガメ、トラなど、普段は動物園や水族館でしか見ることのできない生き物たちをも、原寸大で表示することができます。
自宅のような見慣れた光景に突如として実寸大の巨大な動物が出現する様子は、一度体験すると忘れられないインパクトをユーザーに与えてくれます。
29種類の動物と触れ合えるAR体験
Googleが検索結果に表示するAR動物の数は、全部で29種類にものぼります。
哺乳類はトラやパンダにヒョウ、ウマ、オオカミ、アライグマにハリネズミと、種類の幅は豊富です。
また、ニシキヘビやアリゲーター、ホオジロザメなど、魚類や爬虫類などからもラインナップされており、インコやワシ、コウテイペンギンといった鳥類も揃っています。
中でも豊富な種類を揃えているのが、イヌ類です。
ロットワイラーやゴールデンレトリバーといった大型犬から、フレンチブルドッグにパグ、ポメラニアンといった小型犬まで、豊富に揃います。
この理由としては、Googleが会社として「犬好き」を公言している背景が要因にあると言われています。
Googleが定める行動規範を読むと、プライバシーの取り扱いやユーザーへのサービス提供の姿勢のあり方に加え、彼らが犬好きの企業(Dog Combany)であることも掲げる文言が記されています。
このようなジョークめいた行動規範をもしっかりと行動に移している点は、逆説的にGoogleの規範意識の高さを表すサービスであるとも言えるでしょう。
まだある犬や猫の動物たちと遊べるARサービス
ARで犬と触れ合えるサービスは、Google検索にとどまりません。
最近ではAR関連アプリも増加傾向にあり、動物を取り入れたサービスも多く見られます。
ここでは、登場がうかがえるサービスを2つほど選び、どのようなアプリなのかについてご紹介していきます。
ヴォン太のラジオ たいそう だい1(ワン)
公式サイト:ヴォン太のラジオ たいそう だい1(ワン)
一つ目のアプリは、「ヴォン太のラジオ たいそう だい1(ワン)」です。
こちらは、ARコンテンツの体験のために専用アプリを導入する必要のない「アプリフリー」のARであり、スマホから直接サイトを訪れることで、すぐにARを体験することができるようになっています。
サイトを読み込むと、ヴォン太と呼ばれる二足歩行の犬がカメラ映像内に登場し、ラジオ体操を踊ってくれます。
このラジオ体操にはユーザーも参加することができ、ARのキャラクターと実際の人間が一緒に踊り、まるで同じ空間に存在しているかのような映像を記録することができます。
SNS共有機能も充実しているため、撮影した画像や映像を保存してすぐにSNSへアップロードといったことも可能です。
ARでしっかりと動物と触れ合うということはできませんが、どのようにARを活用すれば魚居のかについて理解を深めるのには最適のアプリです。
丹波市ホームページ「3D観察広場」
公式サイト:3D観察広場
丹羽市が提供する「3D観察広場」では、自然豊かな丹波市の動物を3Dで閲覧することができます。
イノシシやフクロウといった動物の、既存の剥製から200枚近くの画像データを収集し、これらを合成することによって誕生した非常に精巧な動物の3Dデータに仕上がっています。
GoogleのARサービスなどが提供する3Dの動物たちは、基本的にはあくまで特徴を抑えるにとどまっているグラフィックにすぎません。
しかし、丹波市で公開されているこれらの3Dグラフィックは、まるで本物の剥製を見ているかのような質感と細部へのこだわりを持って再現されています。
新型コロナウィルスによる自粛期間のために、実際に剥製を見ることができない子供たちのために誕生した当該プロジェクトは、サイトから誰でも閲覧することができます。
一般的なARの3Dグラフィックの多くは質の低いものが多いのですが、こちらの3Dを見ればARのポテンシャルの高さをしっかりと体験することができるでしょう。
ARと動物の組み合わせが魅力的な理由
このように、動物を用いたARアプリやサービスはいくつも登場しています。
そもそも、ここまで動物がARで登場する機会が増えているのにはどのような理由があるのでしょうか?
理由①:ペットを仮想的に飼育できるから
一つは、スマホを通じて誰でもペットを仮想的に飼育できるというメリットが挙げられます。
GoogleのARサービスなどはその典型ですが、今やスマホで動物の名前を入れるだけで、誰でも気軽に原寸大の犬などの動物を呼び出せるようになりました。
それも、ARを通じて自宅などの身近な環境へ思いのままに登場させることができるため、実際にペットを飼育しなくても動物との触れ合い体験を擬似的に楽しむことができます。
ペットを飼えない不動産物件に住んでいたり、近くに動物園や水族館がない地域に住んでいたりと、動物が好きでも触れ合えない事情を抱えている人は少なくありません。
2次元のペット育成ゲームも良いかもしれませんが、ARで動物を現実世界に呼び出せるサービスがあると、これまで以上に臨場感のあるふれあい体験を誰で楽しむことができます。
理由②:動物の生態を間近で観察できるから
これまでは一部の人間や研究者でしか体験できなかった動物を至近距離でた観察するといった取り組みも、容易に行うことができます。
精巧に作られた3Dグラフィックの動物がARで今後も多く作られるようになれば、ARを介して多くの人が動物を間近で楽しむ機会を世界中で得ることができます。
図鑑のイラストや写真、そして動物園などでは体験することのできなかった至近距離での観察が、ARでは好きなだけできるようになります。
教育分野におけるARの活躍は、非常に期待できる側面です。
AR向けに動物を作成できるサービス
最後に、ARで動物を生成し楽しむことができるサービスを紹介しましょう。
Amazon Sumerian
公式サイト:Amazon Sumerian
Amazon Sumerianは、Amazonが提供するデベロッパー向けの3D、AR、VR作成キットです。
誰でも簡単に次世代の資格技術を体験し実際に作成できるキットとして提供されており、運用環境の整備も早期に実現することができるでしょう。
Amazonのウェブサービスを他にも運用している場合はそれらとの親和性も高いため、導入は簡単に行えます。
Apple ARKit
公式サイト:Apple ARKit
Appleが提供するARツールのARKitです。
Apple純正のツールなのでiPhoneやiPadなどとの親和性は高く、これらのデバイスにおけるアプリ運用に特化した製品となっています。
Appleのデベロッパー向けツールを運用した経験のある人にとっては、使いやすいツールと言えます。
COCOAR
公式サイト:COCOAR
COCOAR(ココアル)は誰でも簡単にARコンテンツを作ることができるWebサービスです。
すでにAR化したいコンテンツを持っている場合に使うことができます。
アプリを使ってコンテンツをスキャンするだけで簡単にAR化を行うことができるため、ARがどのようなものかを試してみたい方におすすめです。
まとめ
ARを使った動物関連のコンテンツは、徐々に増えてきています。
Googleのサービスを始めとして、スマホですぐに体験できるサービスもあるため、まずはこういったものから試してみるのが、理解への近道です。
私たちOnePlanetはARを使ったコンテンツ制作や情報発信に特化したサービスをお届けしています。
ARの活用方法など、お気軽にご相談ください。