2020年6月30日、Google社はARグラスを製造するカナダのスタートアップ「North」を買収したと発表がありました。
この記事では、GoogleのARグラス企業買収についてレポートしていきます。
- GoogleがARグラスのスタートアップを買収した背景は「ハードウェアと次世代コンピューティング技術の買収」と説明
- それはGoogleが一度撤退したハードウェアへの取り組みを諦めていないことを示唆する内容
- North社の提供してきたARグラスは終了へ
GoogleのNorth買収の背景
Googleは、North買収の背景について「North社の技術的専門知識が、ハードウェアの取り組みとアンビエントコンピューティングの未来に役立つ」と述べました。
アンビエントコンピューティング(Ambient computing)とは…
IOT(モノのインターネット)を通じて情報の収集と操作を行いながら私達人間の指示に従うのはもちろん、指示を行わなくてもこれまでの行動パターンや予測機能により、デバイスやシステムを人間の代わりに操作する”コンピューター”を指します。
この買収でGoogleが支払った金額は明らかにされませんでした。
North社のARグラス「Focals」は終了へ
そして、買収によりNorthが提供してきたARグラス「Focals」はスマートグラス機能を終了すると発表しました。つまり、昨年第1世代のペアに最大$ 1,000を費やしたユーザーは、すぐに使用できなくなってしまうということです。
これはARグラスを購入したユーザーにとっては残念な出来事ですが、技術的に新しいデバイスにはこのような出来事が起きうるということが現実でしょう。
Northは2019年1月にFocals 1.0を発売し、発売から1か月以内に価格をほぼ半額の599.99ドルに落としました。メガネには小さなレーザーが付いており、ユーザーの目の前に画像を映し出します。
FocalsはBluetoothを介して装着者の電話にペアリングし、通知を表示し、指示を提供し、Uberを呼び出すことができます。昨年12月に同社は第2世代の開発に焦点を合わせるためにオリジナルバージョンの作成を中止すると発表していました。
ですが、今回の買収によりもはやそのデバイスのリリースは計画していないとNorthは述べています。
GoogleはARグラスへの野望を継続するか
NorthがこれまでARグラスの販売を手の届く価格で提供してきた道のりは容易ではありませんでした。
Northは会社を存続させるために2019年には150人の従業員を解雇しています。
買収後もNorthはGoogleのカナダの拠点に留まる予定です。
Glassは7年前、最初にGoogleグラスを発売した際には商業的な成功を収めることができず、そこから消費者向けのARヘッドセットの製造販売をあきらめているように見えていました。
今回のNorth買収がその製品開発を再開させるかどうかまでは不明ですが、そのIPや専門知識はおそらくGoogleのARグラス開発にとって有効なシナジーとなりうるでしょう。
まとめ
世界中のテックジャイアントはスマートフォンの次のデバイスと目されるARグラスの開発に投資を集めています。
「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、ARグラスを活用した新しいユーザーエクスペリエンスの開発にも挑戦しています。
ARのビジネスの研究/開発を共に進めるパートナー企業様を探しておりますので、次世代型ユーザー体験の開発にご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。
参考記事:Google buys AR glasses company North(英語)