Scandit

コロナウィルスの影響で「非接触需要」が高まっています。

非接触を実現するために企業が新たなマシーンを調達するとなると、金銭的なコストが高く、またユーザー側のオペレーション負荷も高まる可能性があります。

そこで、スマートフォンをベースに非接触を実現するテクノロジーに注目が集まっています。

2020年5月26日(火)、企業向けバーコードスキャナーおよびARソリューションを提供するスイスのスタートアップ「Scandit」 は、シリコンバレーのベンチャーキャピタル会社である「G2VP」が主導するシリーズCの資金調達で8,000万ドルを調達したことを発表しました。

この資金調達で、Scanditの累計調達額は1億2,300万ドル(約132億円)となりました。

この記事を読むとわかること
  • Scanditの非接触技術とはどのようなものか
  • その技術が、アフターコロナ・withコロナの未来を考える事業者にとって、どのように役に立つのか

    なお、こらの記事は「Scandit raises USD $80 million in Series C funding to help expand its AR business offering」(英語)を日本語に訳し、修正を加えたものです。

    元記事へのリンクは、この記事の一番下にあります。

    スマートフォンで非接触を実現するScanditのテクノロジー

    Scandit

    画像引用元:Scandit

     

    Scanditは、2018年7月の資金調達ラウンド以降、経常収益を3倍にし、優良企業の顧客数を2倍以上に増やし、グローバルチームのサイズを2倍に増やしたと述べています。

    新しい資金調達により、同社はAPACやラテンアメリカなどの新しい市場での成長をさらに加速し、北米とヨーロッパでのScanditの拠点と事業を拡大することができます。

    また、企業がコンピュータビジョンとARを使用してコアビジネスプロセスを変革できる新しい方法を開発するための継続的なR&Dもサポートします。

     

    Scanditのプラットフォームは、コンピュータービジョンおよび機械学習のプラットフォームにバーコードスキャン、テキスト認識、オブジェクト認識、ARを組み合わせたものです。

    そのプラットフォームが提供される対象は、おなじみのスマートフォンからドローン、ウェアラブル、ロボットまで、カメラ付きのスマートデバイスなど幅広いです。

    Scanditのソフトウェアは高速で正確であり、光の悪い中やどのような角度でも、損傷したラベルでもスキャンできると述べています。

     

    Scanditのテクノロジーは、現実の世界と関連するデジタル情報の融合を可能にします。

    Scandit Augmented Reality for iOS Devices from Scandit on Vimeo.

     

    小売、輸送、ロジスティクス、製造業などの組織は、Scanditのコンピュータービジョンテクノロジーを使用して、モバイルショッピング、セルフチェックアウト、在庫管理、配達証明、資産追跡、メンテナンスのためのモバイルアプリやWebサイトを制作し、ビジネスを強化しています。

    ヘルスケアでは、Scanditはデジタルヘルスをサポートし、ヘルスケアワーカーはスマートフォンを使用して患者ID、サンプル、医薬品、消耗品をスキャンします。 

    事業拡大の背景はコロナウィルスによる非接触需要

    リードVCであるG2VPのジェネラルパートナーは、Scanditの技術について次のように述べています。

    「Scanditのプラットフォームは、レガシーなハードウェアを必要とせずにエンタープライズクラスのスキャンソリューションをすべての従業員と顧客のポケットに入れます。」

    「物理的な世界とデジタルの世界の間のこの架け橋は、世界がオンラインでの購入と配送、分散型サプライチェーン、レジのない小売へのシフトを加速するにつれて、ますます重要になります。」

    コロナウィルス後の社会(アフターコロナ)では、ソーシャルディスタンスの必要性により、企業が従業員と顧客のためにより安全な非接触環境を構築することを求めており、個人のスマートフォンでのコンピュータービジョンの需要が加速しています。

    小売業者や運輸・物流会社は、急増する自宅消費の需要とそれに伴う何百万もの宅配に対応するために、迅速なスケールアップを求めています。

    Scanditは、顧客がこれらのサービスを強化することを支援しています。

     

    ScanditのCEOは、次のように述べています。

    「コロナウィルスは、日常生活にデジタルを融合させる必要性を高めています。」

    「日常生活で触れるあらゆるものに対して、ARでリアルタイムかつインタラクティブに情報を重ね合わせて表示させることは重要性を高めています。」

    「スマートフォンは、強力なコンピュータービジョンのソフトウェアと組み合わせることで、そのようなデジタルとリアルをよりシームレスにしていく世界を実現する、パーソナルなツールです。」

    「私たちの新しい資金調達により、さらに多くの企業が「非接触型ビジネス」の新しい需要に迅速に適応し、新しい通常の状況が何であれ、成功するためのより良い位置付けをすることができます。」

    Scanditの顧客には次のようなところがあり、毎年1億件以上で数百億件のスキャンを実行しているとのことです。

     

     

    Scanditのクライアント例
    • セブン-イレブン
    • アラスカ航空
    • カルフール
    • DPD
    • FedEx
    • インスタカート
    • ジョンズホプキンス病院
    • ラポステ
    • リーバイシュトラウス&Co
    • マウントシナイ病​​院
    • トヨタ

    まとめ

    アフターコロナ、withコロナの社会では、スマートフォン一つで非接触に情報を表示させる重要性が増しており、それらを実現するためにスマートフォンベースのAR体験は極めて重要です。

    「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、企業が非接触で情報の追加表示をさせたい商品をマーカー(ARのトリガー)にして、追加表示させたい情報を3Dコンテンツとして空間表示させるお手伝いをしています。

    ARのビジネス活用を検討していましたら、お気軽にご相談ください。

     

    参照記事:Scandit raises USD $80 million in Series C funding to help expand its AR business offering