テレビCMのように企業から消費者へとPUSHするタイプの広告フォーマットを避ける消費者心理は拡大し、AR/VR/ゲームなどの遊びの体験の中に自然に溶け込むような広告フォーマットには大きな事業機会があると言われています。
この記事では、バーチャル体験の中のスペースやオブジェクトを広告枠にしていく次世代型の広告プロダクトを開発するスタートアップ「Admix」の資金調達ニュースをご紹介しながら次世代の広告について解説をしていきます。
- Admixとはどのような企業か
- 実際にゲームの体験の中に広告枠を埋めるのにどうすれば良いのか
- AdmixのCEOは事業のXRやゲームに溶け込む広告の未来をどう考えているのか
なぜゲーム内広告の需要、そしてAdmixの狙いとは
ソーシャルゲームやモバイルゲームの需要の高まりは、ゲーム内広告の目覚ましい成長を後押ししています。
ゲームのユーザーが増えれば増えるほどゲーム内のスペースには広告価値が生まれ、冒頭の画像のようにAirbnbのような企業はゲーム内のスペース(=広告枠)に広告を出稿するようになってきています。
実際のプロモーションコンテンツをインタラクティブなゲーム体験の中にシームレスに統合する機能(ゲーム内の看板、コマーシャル、カットシーンなど)は、プレーヤーの没頭している体験を中断することなく、広告主が製品やサービスを紹介することができるため、優れたプロモーションの機会となります。
ロンドンを拠点とするアドテックの新興企業であるAdmixは2020年6月、シリーズAの資金調達ラウンドの一環として約7.5億円を調達したと発表しました。この資金は、Admixが独自に開発したゲーム内広告プラットフォームの開発に使われます。
実際にゲーム体験の中に広告枠を埋めるためには
実際にAdmixを活用して企業の広告情報をゲーム体験の中に埋めようとした場合、どの程度の工数が必要になるのでしょうか。
ゲームエンジニアは、UnityやUnrealの互換SDKを使用することで広告対応の看板やポスターに広告情報を掲載することができます。
ドラッグアンドドロップという簡単な操作でシンプルな2Dゲームから複雑なVR・AR体験まですべてに広告掲載をすることは可能です。
前項のプロモーション動画に出演するエンジニアは「Admixをわずか30分でゲームに統合できた」と述べています。これほど簡単にゲーム内のスペースを広告枠に変えられることは、画期的な発明と呼べるでしょう。
Image Credits:Admix
ゲームが広告チャネルのメインになっていく
AdmixのCEOサミュエルフーバー氏はTechCrunchで以下のように語っています。
「ゲームに広告を配置するというコンセプトは新しいものではありませんが、私たちのソリューションのスケーラビリティは革新的であり、ゲームメーカーやストリーミングプラットフォームに瞬時かつ一貫した収益をもたらします。」
「これは、15億人が毎日世界中でゲームをプレイしているという事実と相まって、ゲームが真に主流の広告チャネルになっていることを意味します。」
Admixは現在、200人のエンジニアと連携してNational GeographicやUberなど月間500以上の広告主からのキャンペーンを進めているとのことです。
ゲームやAR/VRなどの体験の中の広告枠が広告主にとって非常に価値あるものであることが理解できます。
まとめ
バーチャル体験の中のオブジェクトやスペースを広告枠にしていく次世代プロダクトを開発するスタートアップAdmixの資金調達を解説いたしました。
AR/VR/ゲームの体験の中に溶け込む「邪魔にならない広告」には大きな事業機会があります。
「ARマーケティングラボ」の運営会社OnePlanetでは、今後ますます重要性が高まるAR体験の中にブランド広告が溶け込む新しいプロモーションを提供しています。
InstagramのAR機能や、ARを活用した自社ビジネスの新しいプロモーションを検討していらっしゃる企業/ブランド様は、ぜひお気軽にご相談ください。