Nrealだけじゃない!シリーズAで1,860万米ドル調達した中国のARグラス「MAD GAZE」とは?

この記事では、2013年に設立された中国のARグラスのスタートアップ「MAD GAZE」を紹介します。

同社は2020年2月にシリーズAで1,860万米ドルを調達したと発表しました。それ以前では1,200万米ドルを調達した2019年のプレシリーズAも含め、総額30Mを調達しています。

またエクイティファイナンスと並行して、クラウドファンディングも行なっています。

画像からもNrealによく似ていることもあり、国内でも先行して販売されている「Nreal」との比較もしながら見ていきましょう。

ARグラス「MAD GAZE」とは

「MAD GAZE社のARグラスとは一体なに?」という方は、実生活での活用イメージを伝えるこのプロダクト紹介動画をご覧ください。

デスクに折りたたみのキーボードを開き、目の前にバーチャルなスクリーンが登場し、そのまま通話まで出来ちゃう、といった未来のAR体験が提示されています。

このようなスマホの2Dスクリーンをグラス型デバイスを使って空間に表示させる体験を「ミラーリング」と呼びます。写真や動画、ゲームなどを大画面のバーチャルスクリーンで見たり、楽しんだりできる技術です。

リアル空間にバーチャルコンテンツが当たり前に存在するようになるグラス型デバイス時代には、スマホのスクリーンをバーチャル表示するだけではなく、もっとリッチな空間体験ができるようになります。

今回の資金調達でAR技術の研究開発に投資するとのことでしたので、今年1月のCESの状態からのアップデートに注目ですね。

MAD GAZEとNrealとのARグラススペック比較

スペックの中で目を引くのは、約85gの軽量を売りにするMRデバイス「nreal light」をしのぐ75gという重量です。

また、ARグラスの体験において重要な視野角も nreal light の52度に対して53度という非常に分かりやすいスコアとなっています。ありがとうございます。

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SLAMを搭載しており、HoloLensやMagic Leap Oneと同様に空間認識を行う点も nreal light と同じです。

接続型も nreal light と同じUSB-Cを採用しています。これはスマートフォンへ接続して使用するものと考えられます。

価格は一部ではまだ不明とのことでしたが、HPを見ると日本円59,800円と69,800円でスペック違いの2種がプレオーダーできるようになっていました。

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nreal light が499ドル(約54,000円)なので、若干nreal light より高めの設定ですがほぼ同じ価格帯です。全ての項目においてNrealを明確に意識した様子が見て取れます。

ソフト

MAD STOREというApp Storeのようなプラットフォームでは、MAD GAZEの提供するデバイスで使える様々なアプリが販売されており、ほとんど全てがFreeで楽しめるようになっています。

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初期のApp Storeもこんな感じだったのでしょうか。これからどんなARアプリが出てくるのか、スマホの次のハードウェアで展開されるソフトウェアの市場を考えるとワクワクしますね。

MAD STOREではカテゴリー × デバイス軸でアプリが整理されており、当該デバイスで使えるアプリが表示されます。

まだGlowは対応しておりませんが、この中からすぐに使えるものがGlowの初期のコンテンツとなることでしょう。

Consumer向けARグラス以外の事業

①エンタープライズ:
もともとMAD GAZEはエンタープライズ向けにビジネス展開しており、後発でコンシューマ向けのハードウェア市場に参入しました。HPではConsumerとEnterpriseの両方にハードを提供していることがわかります。

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②スマートウォッチ:
さらにHPへアクセスするとTOPにスマートウォッチのポップアップが出てきますので、同社の最中力事業はARグラスよりもスマートウォッチなのかもしれません。

こちらの時計は、世界初のジェスチャーで操作するスマートウォッチ「MAD Gaze Watch」という商品で、動画を見ると概要が理解できます。

①指や手の甲をタップ
②手の平を返す
③時計を軽く振る(ノック)
④指パッチン(フィンガースナップ)

上記の4つで操作できるようになっています。すごいですね。ちなみにARグラス「Glow」の操作は

①ハンドジェスチャー
②音声認識
③タップコントロール
④スマホコントロール

の4つなので、操作に関するテクノロジーはデバイスを横断して知見が溜まっていそうです。

スマートウォッチは現在進行形でINDIEGOGO(キックスターターと並ぶ米国2大クラウドファンディング サービス)で資金を集めており、2020年3月17日時点で1780万円が集まっています。

まとめ

MAD GAZEはコンシューマー、エンタープライズ、ARグラス、スマートウォッチなど、事実として多角的にハードウェアを展開している会社です。

対抗しているように見えるNrealのHPを見ると、Nrealは逆に「ARグラス」の一点に選択と集中している様子であり、経営戦略の違いが見て取れます。

この記事では、中国のARスタートアップ「MAD GAZE」とNrealの違いを簡単に解説してみました。

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