Snapは2022年3月、パリを拠点とするニューロテック企業である「NextMind」の買収を発表しました。
Snap社内で開発されるARグラス「Spectacles」をはじめ、先端技術を研究する部門である「SnapLab」の内にNextMindは参画する形となり、長期的にARの研究を推進していくとのことです。
今回の買収で特に目を引くのは、NextMind社が「ニューロテック」という技術を扱っている点です。これは、過去にSnapが買収してきた企業群とは異なる領域です。
この記事では、SnapのNextMind社の買収について深掘りしていきます。
ニューロテックとは
ニューロテックとは、脳のニューロンから言葉をとったもので、脳科学を活用したテクノロジーやサービスの総称です。
脳(Brain)とテクノロジー(Technology)を組み合わて、「ブレインテック」とも呼ぶこともあります。
近年はその技術研究が著しく進んでいる分野であり、注目が高まっています。
「脳の働き」を明らかにしようとする研究だけでなく、その研究成果とIT技術を組み合わせたサービス開発の段階にまで発展してきており、すでにこれまでに無かったさまざまなサービスが生まれています。
今回の記事で紹介する「NextMind」社は、そんなニューロテックを扱う企業です。
参考:脳とITを繋ぐニューロテック・ブレインテックとは?具体例やAR・メタバースとの関係も解説
仕組み
同社では以下の画像のように、独自のハードウェアを頭の後ろに装着し、脳から電子信号を読み取ることでコンピューター上の画像を制御するサービスを提供しています。
NextMindは開発するヘッドバンドを通じて着用者の思考(脳内の電子信号)を取得し、その電子信号を使用して画面上のインターフェースと対話できるようにする仕組みを構築しようとしています。
NextMindセンサーのあるヘッドバンドから電子信号から人の意図を理解し、その情報をAR/VRヘッドセットと組み合わせていくことを想定しており、そのため同社はAR技術で世界的に先行するSnap社によって買収されたと考えられます。
ニューロテック(脳で考えていること)と、ARグラスやVRゴーグル(空間に表示させるデジタル情報)が連動した体験ができるようになると、何かしらのコントローラーを使用しなくても、考えるだけでものごとを操作できるようになりそうです。
まさにSF映画のような世界ですね。
ARやVRなど、3D空間にバーチャルな情報を表示させるテクノロジーの未来を「メタバース」と呼びますが、このようにメタバースの未来のUI・UXは、ニューロテックとの関わりによって作られていくかも知れません。
まとめ
この記事では、Snap社の最新のニューロテック企業の買収を簡単に解説してみました。
ARグラスやメタバースの未来がますます楽しみですね!
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Snapchatってそもそも何だっけ?という方は、以下の記事にその歴史などがまとまっているのでおすすめです。
参考:Snapchatって何?今さらだけど気になる人のために考察まとめ記事を書いてみたら、Facebookとの戦いの歴史だった