SnapchatのAR

スマートフォンアプリ「Snapchat」を開発する「Snap Inc.」は2020年6月11日(木)、Snap Partner Summit 2020をオンライン開催しました。

この記事は「ARtillery」のSnapに関連する記事を参考に、Snapが多くのクリエイター・開発者を惹きつけている理由について考察をしていきます。

この記事を読むとわかること
  • SnapchatとはどのようなSNSなのか
  • Snapchatがもっとも注力している「AR」とはどのようなユーザー体験なのか
  • SnapchatはARを活用してどのようなブランドから、どのようにマネタイズをしているのか

Snapchatが加速させるAR投資

画像引用元:App Store

 

Snapchatは日本ではメジャーなSNSではありませんが、世界では毎日2.3億人のユーザーに利用されています。

その始まりは、2011年にシリコンバレーにある名門スタンフォード大学の学生3人によりローンチされた若年層向けのSNSです。

最初はpicaboo(ピカブー)という名称でした。

「写真が数秒で消える」というアイデアや、その後Instagramに模倣されることになる「Stories機能」など大ヒット機能を多く生み出し、Facebookから繰り返し機能をコピーされながらも、若年層からの支持を集めて大きく成長しています。

 

そんなSnapchatは、自社のことを「カメラカンパニー」と形容し、かねてより「AR」への投資を加速させ続けています。

Snapchatアプリ内では、ユーザー向けに提供されているARを「レンズ」と呼びます。

スマートフォンのレンズ越しの現実世界にバーチャルな視覚情報を重ねることで、リアルとバーチャルが融合した体験を提供するという意味合いです。

このARレンズがSnapの競合差別化・競争力の源泉となり、Snapchatのユーザーエンゲージメントおよび収益力を牽引する存在となっています。

 

Snapchatを追いかける形でFacebook/InstagramもAR機能の拡充を急いでいます。

また、TiktokのAR参入もニュースになりましたが、それでも先行者として参入したSnapchatの方がARによる収益力を高めていると言われています。

Snapはユーザーにとってすでに普及している「日常的な写真投稿」にARを追加し、さらに楽しくさせるアプローチでARを導入していきました。

そのため、ユーザーへのスムーズなAR普及を実現できたのです。

クリエイターフレンドリー

100万を超えるレンズ

2020年6月11日(木)に実施された「Snap Partner Summit 2020」でも、レンズの進化とアップデートにステージタイムの大きな時間が投じられました。

同イベントでは、これまでに100万個のレンズが作製されていると発表されました。

これは2018年にクリエイターによって制作されたARレンズの数10万個、2019年第3四半期の50万個に続き、SnapのARクリエイターが加速度的に増加し続けていることを示しています

 

また、Snapのプラットフォーム内にクリエイターがARをリリースするためのソフトウェア「Lens Studio」の一連のアップデートも発表されました。

たくさんのアップデートの中からより注目すべきアップデートをピックアップすると、「Snap ML」と呼ばれるマシーンラーニング機能が挙げられます。

この「Snap ML」と呼ばれる機能を使用すると、開発者は独自の機械学習をSnapの中に組み込むことができるようになります。

 

Snap MLの発売パートナーには、靴の試着ARアプリ「Wanna Kicks」が有名なWannabeや、人工知能で写真を芸術作品に加工するアプリ「Prisma」などの有力企業が参加しています。

ARで先行する有力企業がSnapの新機能に参加していることは、魅力的なレンズの作製がユーザーを引き付け、結果としてSnapの収益源となる広告主を引き付けることを裏付けています。

 

これから、あらゆる業界のブランドはより没入度の高いブランドエクスペリエンスをARで作製し、AR体験に慣れ親しんだ大規模なSnapchatのユーザーへとリーチするようになるでしょう。

TikTok

現在、TikTokもプラットフォームで活用できるレンズのリリースを控えていますが、ローンチされると大きなシェアを獲得する可能性があります。

その他にも多くの注目すべきアップデートがあります。そのうち特にARマーケティングラボが注目したアップデートはまた記事にして発信していきます。

関連記事:【2020】SnapchatのARカメラのアップデート紹介|最新テクノロジーによる「Scan機能」で400種の犬種を識別

 

まとめ

日本ではあまり馴染みのないSnapchat(スナップチャット)ですが、今後国内でもその影響力を延ばす可能性は十分にあります。

そんなSnapの魅力が伝わるように、2020年6月11日(木)のPartner Summit 2020の内容の中からより身近に感じられやすいテーマを一部を抜粋してシェアしました。

他にも多くの魅力的なアップデートがあるため、また発信をしていきたいと考えています。

 

「ARマーケティングラボ」を運営するOnePlanetでは、Snapchatが提供しているようなブランド向けの特別なARエクスペリエンスを開発・提供しています。

ARのビジネス活用を検討していましたら、お気軽にご相談ください。

 

参考記事:Data Dive: Snap Breaks the Million-Lens Barrier(英語)

関連記事①:未来の広告、スナップチャットのランドマーカー機能について|Snapchat Landmarkers AR

関連記事②:Snapchatって何?今さらだけど気になる人のために考察まとめ記事を書いてみたら、Facebookとの戦いの歴史だった