Apple Vision Pro アプリのUnity開発について

UnityがApple Vision Proアプリ開発をサポート

Unityは、Apple Vision Pro向けのアプリ開発をサポートすることを発表しました。今回は、Apple Vision Proの開発でサポートしているUnityの機能を中心に、開発のポイントについて説明します。

開発できるアプリのタイプ

Apple Vision Proを使用して、3種類のアプリを開発できます。各タイプについて説明します。

Immersive

Immersiveは現実世界と3Dコンテンツをシームレスに融合させる没入型アプリです。

Webブラウザやメモアプリなど、複数のアプリを同時に使用できる Shared Space 上で動作するアプリを開発できます。これを「Bounded volumes」と呼びます。

また、空間上で 1 つのアプリだけが使用できる Full Space 上で動作するアプリも開発できます。Unity が提供している AR Foundation や Hands package などの機能にアクセスできます。これを「Unbounded volumes」と呼びます。

Fully Immersive

App

Fully Immersiveは、現実世界を遮断し、空間を完全なデジタル世界に変えます。Immersiveとは異なり、完全に没入型のアプリです。

完全没入型 (Fully Immersive) のアプリは、体の位置や周囲の環境を認識します。また、ハンドトラッキングをサポートしており、XR Interaction Toolkit を使用することで、物体をつかんだり、移動したりといった操作を容易に組み込むことができます。

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サポートしている機能 – Immersiveアプリ –

Unityが開発した「PolySpatial」を使うことで、Apple Vision Proに対応したImmersiveアプリの開発を実現しています。ここでは、サポートしている機能を説明します。

メッシュレンダラー

メッシュレンダラーとスキンメッシュレンダラーがサポートされており、リグが入ったキャラクターとアニメーションも利用できます。ポストプロセスやカスタムレンダーパイプラインは使用できません。スプライトは3Dメッシュに変換されます。

シェーダー

URP(Universal Render Pipeline)のLitシェーダー、Simple Litシェーダー、Complex Litシェーダーをサポートしています。Built-in Render PipelineのStandardシェーダーもサポートしていますが、URP(Universal Render Pipeline)を推奨しています。Shader Graphもサポートしています。

パーティクル

Unityのパーティクルは、visionOSが採用しているレンダリングフレームワークであるRealityKitと互換性があるパーティクルであれば変換されます。ただし、RealityKitと互換性がない場合、ベイクされたメッシュとして変換されます。

UI

UnityのUIシステム、UI ToolKit とuGUIに対応します。

入力について

Bounded volumesは、Look & tapとBluetoothデバイスのみをサポートします。Unbounded volumesは、Head pose、手の情報、visionOSが提供しているARKitにAR Foundationを使ってアクセスできます。

デバイスプレビュー機能

Unity Editor上でシーンプレビューをApple Vision Proで確認できます。モデルの位置やカラーの変更もリアルタイムで反映されます。

サポートしている機能 – Fully Immersiveアプリ –

Fully Immersive アプリは、AppleのMetalレンダリング機能を使うことで、VRアプリのような完全没入型の体験を実現しています。また、visionOSのARKitにもアクセスできます。

インタラクション

Fully Immersive アプリにインタラクションを追加する場合、XR Interaction Toolkitのハンドトラッキングを追加することで、既に作成したプロジェクトを簡単に移行できます。また、Apple Vision Pro のジェスチャーの情報は、Unity Input Systemを使用することで取得できます。

Unity Hands Packageを使用すると、カスタムインタラクションのために必要な手のジョイントデータを取得できます。

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Unityのバージョン

Apple Vision Pro Unity

新しいプロジェクトを始める場合は、Unity 2022 LTS (2022.3.5f1以降)  を使用する必要があります。既存のプロジェクトがある場合は、Unity 2022 LTS (2022.3.5f1以降) にバージョンアップしてください。

Windowed アプリ

2023年7月21日にリリースされたUnity 2022.3.5f1は、Apple Vision Proのアプリ開発をサポートしています。ただし、先程紹介したImmersiveやFully Immersiveのアプリの開発はサポートしておらず、Window上に表示されるWindowed アプリのみサポートしています。(Shared Space上で動作するアプリ。)

Unity Editor で Apple Vision Pro (visionOS) のアプリのビルドから実行までの手順を、以下の記事にまとめました。

https://note.com/st_one/n/n35f9dbac0fa6

ベータプログラムについて

UnityでApple Vision Proの開発をサポートするベータプログラムがあります。これは、ImmersiveやFully Immersiveのようなアプリ開発をサポートしているベータプログラムです。以下のURLからベータプログラムに申し込むことができます。

https://create.unity.com/spatial

Unity PolySpatialの開発について

Unity PolySpatialを使ったApple Vision Proアプリ開発については以下にまとめています。

https://1planet.co.jp/tech-blog/applevisionpro-unity-polyspatial

まとめ

以上、Apple Vision Pro の Unity開発についてまとめてみました。

本メディア「ARマーケティングラボ」を運営する株式会社OnePlanetでは、ARグラス および 空間コンピューティングデバイスを活用した開発ついて豊富な実績を有しています。ご興味がございましたら、お気軽に相談ください。

引き続き、Apple Vision Pro に関する最新情報を発信していきますので、宜しくお願いいたします!

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