昨今、Apple Vision Proの発売など大きな盛り上がりを見せる「AR」の領域。既存のビジネスとARを組み合わせて独自の新しく事業を立ち上げてサービス提供し始めた企業も登場してきました。
インクジェットプリントサービス事業を軸に成長してきた株式会社ビーアンドピーは、既存のプリントサービスにARを組み合わせた「プロモーションAR」「ノベルティAR」という2つのAR事業を展開しています。
ビーアンドピーのAR事業:https://www.bandp.co.jp/ar/
「リアル領域」と「デジタル領域」を融合させたビジネスモデルへの転換に挑戦するビーアンドピー社の「AR事業」について、その取り組みの背景や他社のARとの違い・独自性などをインタビューをさせていただきました。
目次
AR事業の立ち上げ
まず、ビーアンドピー社では、なぜAR事業を立ち上げたのでしょうか?
競合にはない独自の価値の創出
(北川)プリントってどこでも出来るんですよね。どこでも出来るのであれば、他の会社にも声がかかってしまうので、当社だからできる領域を探していました。
当社の取り組みの中でリアルとデジタルの融合を大前提として掲げ
AR制作の内製化
プラネターというAR制作ツールを導入し、プラネターを運営するOnePlanet社のサポートも受けながら、自社でAR制作を外注せずに内製できる体制を作っていきました。これによって、既存のプリントサービスにARを組み合わせたビーアンドピーならではの独自のソリューションを立ち上げていきました。
当初はARも3Dも知識がなく苦労しましたが、ARをお客様へどんどん提案し、その度にデモARの制作を重ねていったので、それを乗り越える過程がトレーニングとなり、徐々に内製化に成功していきました。
ARの活用したビーアンドピーの2つの新規事業
(北川)具体的には、ビーアンドピーでは二つのAR事業を展開しております。まず一つ目が「プロモーションAR」。プロモーションARというのはイベントとか展示会などに特化した使い方、使いやすさを目指しています。
そして、もう一つが「ノベルティAR」。イベントなどで配布されるチラシや、ノベルティが動き出したら面白いよね、というところからARの技術をノベルティに付与させた新しいサービスとして、皆さまにご提供しております。
1日限定のイベントで1箇所で展開するような「プロモーションAR」とは異なり、ノベルティは配布する数が多いので価格を気にされたり、1週間だけだとちょっとつまらないし、1ヶ月、半年使いたいというお客様もいます。そういったニーズに対して、 プロモーションARとは違った価格や利用期間を提案させていただいています。
いずれのニーズにしてもやっぱりコストを下げてARを体験してもらいたいので、異なるニーズに対して一律の商品として提供するのではなく、価格帯であったり利用期間であったり、うちの方でニーズに応じた商品設計をして「プロモーションAR」「ノベルティAR」の2つを異なるARサービスとしてそれぞれ事業展開しています。
ARにより生まれた変化:独自の価値
ARを新しい事業として提案するようになって、どのような変化が生まれましたか?
従来の課題「定番化」にARをプラス
我々の仕事はイベント、展示会などが大きく占めています。特にイベントになるとフォトスポットを作りたいとか、そういった話は前から頻繁にいただいているのですが、やはりありきたりなものなど、(お客様への提案が)定番化してしまっていました。
そこで、既存のプリントサービスにARをプラスして、より多くのお客様に楽しんでいただく。そこからまた写真とSNSみたいな繋がりもできてくると、お客様に非常に喜んでいただけるので、そういった提案をするように心がけています。
それが短期間で、1日だけでも使えますというご提案をするとお客様も、リーズナブルにできて気軽にやってみようかとなるので、まずはそこから入っていければなと思っています。
他社にはないビーアンドピーならではの価値
(田邊)ARをプラスすることによって、「ビーアンドピーはこんなこともできるんだ」「提案が面白いね」みたいに言っていただけることがすごく多くなりました。
元々私はデジタルというよりは、リアル領域の印刷の方をメインに営業しているのですが、他社様と競合した際に、今度は価格勝負だねとか、納期を頑張りますとしか言えなかったのが、「これもあるからどうですか」という引き出し、武器が増えたような感じで、心強く営業に行かせていただいています(笑)。
ARと既存事業のシナジー
(北川)今まではプリントの仕上がりの綺麗さでの差別化が多かったのですが、デモARを作って持ってくと、反応がみんな笑顔になるんですよね。「すごい!」っていうあのテンションを見れるので、「ビーアンドピーってこんなことできるんだ」って言ってもらえるようになったのが一番嬉しいですね。
そこから「デジタルサイネージができるの?」「グッズは作れるの?」「印刷までできるの?」「什器も作れるの?」「何でもできるね!」と広がっていくのも、ARの力かなと思います。
今後の展望
(北川)この先5年10年考えたときに、もう少し何か今のうちから手を加えておきたいなと。印刷と組み合わせる。やはりQRコードも印刷してないとできないし、印刷してあるものが動くってすごく面白いと思うんですよね。そういうプリントとARを組み合わせた体験を皆さんにぜひ提供していただきたいと思っています。
イベントのお手伝いをしているビーアンドピーだからこそ、イベントの中でどういうふうに使えば面白くなるとか、他の印刷会社とかARのシステム会社が思いつかないようなところをお手伝いできれば、当社ならではになるのではないかなと思います。
ARって、まだまだこれからの分野だと思います。そしてデジタルの世界もこれからどんどん広がっていくと思うんですよ。「リアル」と「デジタル」を融合した新しい分野に関して、ビーアンドピーはリーディングカンパニーでありたいなと思っています。
ビーアンドピー社へのARのお問合せ
イベント会場や展示会などでARを導入したい方や、ノベルティにARを付与したいという方は、ビーアンドピー社のAR事業へお問合せください。印刷とARを組み合わせたベストなご提案をさせていただきます。
株式会社ビーアンドピー AR事業:https://www.bandp.co.jp/ar/