ARエフェクト

ARエフェクトとは

ARイメージ

AR(拡張現実)を使ってみたいけどやり方がわからない場合や、ARグラスを持っていない場合でも、スマートフォンさえ持っていれば問題はありません。

スマートフォンで使える機能である「ARエフェクト」の内容と使い方について詳しく解説します。

まず、ARについて振り返りながら、ARエフェクトとは何かについて理解していきましょう。

AR(拡張現実)のおさらい

AR(正式にはAugmented Reality)は、日本語では「拡張現実」と訳されます。

現実世界をベースにしながら、そこにコンピュータグラフィックスや映像、テキスト、サウンドなどのデジタルコンテンツで作られた仮想世界を重ね合わせた現実です。

現実世界がベースであるため、スマートフォンとカメラさえあれば使える気軽さから、現在も大人気の「PokemonGo」や「ドラクエウォーク」、カメラアプリの「SNOW」といったように、すでにエンターテイメントの世界を中心にARアプリは多数導入されています。

ARエフェクトの概要

ARエフェクトとは、スマートフォンなどで撮った写真や動画にARによるエフェクト(デジタルコンテンツによる加工)をのせることができる機能です。

顔やその動きを認識し、動きに合わせた加工や動作、環境の変化に同期した動きを加えるなど、対象となる写真や動画の中の現実に対し、連動したオブジェクトや動きを加えることができることがARエフェクトの特徴です。

かつて、プリクラにおいて撮った写真を加工するという経験をしたことがある方もいるでしょう。

しかし、ARエフェクトはそれとは大きく異なり、ただスタンプを載せたり書き込みをするということにとどまらず、まるでその加工自体も実際に撮影したときにあったのではないかと思えるような広がりがあります。

開発元

それでは、ARエフェクトを開発しているのは一体どんなプレイヤーなのでしょうか?

Sony Mobile Communications

まず、日本発で有名なのはSONYの中でXperiaスマートフォンをはじめとするモバイル事業を手掛けるSony Mobile Communications社が提供するその名もずばり「ARエフェクト」というアプリです。

ARエフェクト

SONYが独自に開発した顔認識テクノロジーとSmartARエンジンが、写真や動画の中の人や環境を自動的に認識しARによるデコレーションを可能にしています。

Facebook

一方で、Facebookはメッセンジャーアプリにおいて、カメラ通話時に使用できるARエフェクトが早くから提供していました。

Spark AR Studio

画像引用元:Spark AR Studio

 

加えて、2019年には、「Spark AR Studio」というソフトウェアを発表し、誰でもInstagramのストーリーやFacebookの広告向けに、画像や動画にARエフェクトを載せることが可能になっています。

使えるスマホの機種・スペック

ARエフェクトは、個人が楽しく使える機種としては、スマートフォンやタブレットなどがまず挙げられます。

Android OS端末は、「ARCore」と呼ばれるARプラットフォームが搭載されている必要があり、Androidのバージョン8.1以降が対応機種となります。

対応機種は、こちらのGoogleのARCoreの開発者向けサポートページにて確認することができます(随時更新されます。)。

 

一方で、Apple社の製品では、iPhoneや、iPad、iPod touchなどが対象となります。

iOSは、バージョン11以降に標準装備がされています。

 

また、「ARkit」「Reality kit」というAR開発向けのプラットフォームがリリースされており、これらを用いることでARエフェクトを提供可能にするアプリを開発することができます。

ARKit3.5

画像引用元:ARkit

画像引用元:RealityKit

 

さらに、前述のFacebookのARエフェクト編集ソフトウェアである「Spark AR Studio」は、Windows、Mac OS版がリリースされており、また再生用アプリである「Spark AR Player App」は、Android、iOSの両方に対応しています。

Spark AR Player

画像引用元:Spark AR Player

ARエフェクトの活用事例・アプリ

スマホでARの活用

では、ARエフェクトを実際に使って実際にどのようなことができるのでしょうか?

実例を用いて説明していきましょう。

写真編

初めに、ARエフェクトを写真にかけるケースについて見ていきます。

SONYのアプリ「ARファン」では、カメラアプリ内のモードから「ARエフェクト」アイコンを選択し、用意されているテーマの中から好きなものを選ぶだけで画像の中の人物を自動的に認識し、その場でエフェクトをかけてくれます。

オブジェクトとして恐竜を写真内に配置したり、ダイビングして画面全体が海の中にいるようなデコレーションをしたり、マスクでは顔に漫画やミュージカルのキャッツのような装飾できたりします。

 

また、メッセージ型のテーマなどでは、文字を埋め込んで送付することもできます。

これらは「ARテーマ」と呼ばれ、バリエーションは随時追加されています。

さら、3Dオブジェクト・ツールが用意されており、単品のオブジェクトを写真の中に配置したり、ペンやブラシツールを使えば画面に描いたり、フリックして効果をつけたりということもできます。

動画編

SONYアプリの動画バージョンでは、上記の恐竜が動き、海の中では魚が行き来し呼吸の泡が上っていくような、実際の動きが伴った加工が施されます。

また、それらに加え、雪の結晶やスプレーなどさまざまな効果音も付けることができます。

動画を撮る前に好きなエフェクトを選択しておいたり画面の中に文字を書いたりしておくと、その動画の動きに合わせて文字のサイズが変わったり裏から見えたりするなど、現実世界に合わせた動きが行われます。

 

一方で、動画のARエフェクトとしては、「Leo AR」というアプリも人気です。

Leo AR

このアプリは、動物や恐竜、象など12のカテゴリーのオブジェクトを選び自由に配置します。

制作した動画は、動画撮影時にさもそのオブジェクトを撮影していたかのような滑らかでイマジネーションがあふれる映像に変換することができます。

ビジネス活用

それでは、ビジネスの世界でARエフェクトをすでに活用している企業をご紹介します。

 

まずは、D2Cでも有名なメガネの製造・販売会社「Warby Parker(WP)」です。

WPは、店舗での販売以外の機会として自宅でメガネを試着する試みの他に、もう一つ自社独自アプリによるスマートフォンでのARエフェクト試着を提供しています。

これは、アプリで自分を撮影しながら、そこにWPの販売するメガネを装着してバーチャル試着を可能にするARエフェクト機能が提供されているのです。

顧客は自宅でくつろぎながら興味のあるメガネを無限に試すことができるため、購買につながりやすくなるのです。

 

また、FacebookのSpark ARリリースに併せ、Instagramで人気のアカウントも続々ARエフェクトを使ったストーリーを発表しています。

 

例えば、カーダシアン姉妹末っ子で事業家としても有名なカイリー・ジェンナーは、自身のブランドカイリ―・コスメティックスにて、いち早くARエフェクトを導入しました。

顔写真を撮ると、その顔認識によりブランドの口紅の色を試して比較していくことができます。

どの色が自分により似合うかを実際に購入する前に自分の顔で試せることは、化粧品マーケティングにとっては非常に重要です。

お気に入りを見つける手助けをして購買につなげやすくなるだけではなく、購入した後にやっぱり似合わないといったリスクを下げることができるため、顧客満足度を高めることができます。

 

また、アディダスでは撮影したアディダスの靴をビンテージやレトロっぽさを出せるようなARエフェクト機能が人気です。

世界中で大人気の歌姫兼実業家のリアーナは、自身の設立したアフリカやラテンアメリカの貧困や緊急発生した新型コロナウィルスなどの対策を支援するClala Lionel Foundationと、その資金集めイベントであるダイヤモンド・ボールの認知度向上にARエフェクトを活用しました。

セルフィ―動画に合わせてダイヤモンドの冠をのせることができたり、銀の猫の耳やアイシャドウ、口紅などエフェクトをつけることができるという機能でした。

これにより、このイベント基金への認知度が高まり高額な資金調達にも成功するなど効果をもたらしています。

 

その他、ディズニーはセルフィ―に耳を着けることができるARエフェクトをリリースしました。

また、NBAは写真の中に選手のダンクシュートシーンを埋め込むことができるなど、大手企業・組織も続々と続いています。

リアーナ同様に、直接的な商品の販売では必ずしもなくても、ファンを増やすための施策としても効果的に導入されています。

 

InstagramはそのままECサイトとして買い物ができる機能が加わり、ミレニアルズ以下の世代を中心に世界中で爆発的な人気を誇っています。

そのため、ARエフェクトを導入する際に活用するSNSプラットフォームとしての魅力が続いていくものと想定されます。

ARエフェクトのインストールの仕方

スマホでARを利用する

ARエフェクトの活用事例までご覧いただいたところで、次にどのようにして使うのかについて紹介しましょう。

基本的には、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールする形で利用します。

そのため、各デバイス別に参考のリンクをお伝えします。

Appleユーザ

その他、App storeで、「AR effects」と検索してみてください。

Androidユーザ

その他、ARエフェクト対応アプリはこちらから探せます。

Xperiaユーザ

SONYのARエフェクトアプリは、Xperiaにはデフォルトでプリインストールされています。

そのため、改めてダウンロードやインストールを行う必要はありません。

その他のアプリは、同じくGoogle Playからダウンロードを行ってください。

【番外編】ARエフェクトがいらない場合の削除方法

スマホNG

先ほどお伝えしたように、SONYのARエフェクトアプリはXperiaにはデフォルトでプリインストールされています。

不要な場合においても、残念ながらアンインストールすることはできません。

 

しかしながら、表示をさせないという方法はあります。

次の手順によって、アプリは非表示にすることができます。

ARエフェクトを非表示にする手順
  1. 「設定」→「アプリ」→「ARエフェクト」→「無効にする」を選択する
  2. 「データを削除し、アプリを無効にしますか?」→「はい」を選択する
  3. 「アプリを出荷時の状態に戻しますか?」→「はい」を選択する

このアプリは使用メモリの容量が大きく、継続して長くアプリを使うと発熱するなどの症状もGoogle Playに報告されています。

Xperiaユーザーいらないと感じる場合は試してみてください。

また、ARが使いたくなったらいつでも同じ画面から有効にすることで再開できます。

まとめ

ARを気軽に楽しめる「ARエフェクト」とそのアプリについて紹介しました。

Android、iPhoneともに対応機種をお持ちの方であれば、この瞬間からでも楽しむことができます。

ARはまだ使われ方が限定的ではありますが、Instagramやその他アプリを通じて、世界中での認知度・利用度が高まっています。

そのため、ビジネスへの活用が今後ますます広がっていくことは間違いなく、ミレニアルやZ世代をターゲットにするビジネスを中心に感度の高い企業が続々と参入・活用しています。

Appleからは、近々ARグラスが新しくなって再び登場するという噂も聞こえてきており、活躍の場はスマートフォンのみにとどまりません。

 

弊社OnePlanetでも、ARエフェクトのビジネスへの活用方法や、効果的なマーケティング手法についてこのサイトで発信するとともに、個別にご相談を承っています。

AR・ARエフェクトをビジネスに活用したいとお考えの方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。