
この記事では、開発者向けにWebARの開発キット(SDK)を提供するロンドンのスタートアップ、Zappar(ザッパー)のアップデートについて紹介させていただきます。
以下、30秒サマリーです。
- 今回リリースされたユニバーサルAR SDKにより、開発者はJavaScriptやC++のAPIと同じように、Three.js、Unity、A-Frameなどのフレームワークを横断してZapparのARコンピュータービジョンライブラリにアクセスできるようになります。
- これにより、ユニバーサルARは顔、画像、ワールドトラッキングAPIを提供する唯一のWebAR SDKになります。
目次
Zapparの画期的なSDK「ZapWorks」がリリース
世界をリードするWeb ARプラットフォームおよびクリエイティブスタジオであるZapparは、最高クラスのコンピュータービジョンライブラリが、さまざまなプラットフォームおよび言語のSDK(ソフトウェア開発キット)として利用可能になったことを発表しました。
この革新により、開発者はUnity、JavaScript、Three.js、A-Frame、およびC / C ++を使用してアプリとWeb環境の両方に魅力的なARを作製できるようになり、テクノロジーへのアクセスをさらに加速させることができる用意なりました。
ZapparのCTOのConnell Gauld氏は次のようにコメントしています。
「Universal ARのリリースは私たちにとって画期的な瞬間です」
「昨年最初にWebARオファリングをリリースして以来、私たちは可能な限り多くのユーザーにARを提供するための媒体としてのWEBブラウザに興奮してきました。そしてこの度、コンテンツ開発者は初めて、彼らが最も精通するARプラットフォームやあらゆるクリエイティブツールで、私たちのコンピュータービジョンを利用できるようになりました。これらのイノベーションは、ARを民主化するというZapparのミッションを大きく飛躍させました。」
新しくリリースされたSDK「ZapWorks」の魅力とは?
Zapparが提供するユニバーサルARは、モバイルWebブラウザーでアクセスするために、
- 顔
- 画像
- ワールドトラッキング
といった主要なARトラッキングタイプの3つすべてを、開発者に提供する初の統合SDKです。
これらの3つのトラッキング機能は、現在提供されているARエクスペリエンスにおいて大きなシェアを占めています。
開発者は、追加のサードパーティライブラリを使用せずに、希望するトラッキングタイプを初めて選択できるようになりました。
特に、Zapparは、人気が爆発し続けているJavaScript 3Dプラットフォームである「Three.js」を使用してコンテンツを作製する開発者の可能性に大きな期待を持っています。
ライブラリは先週、npmレジストリに375,454回のダウンロードがありました。
毎月100万人を超える開発者がパッケージを試しているため、ユニバーサルARを使用したブラウザーベースのAR体験は、広範な開発に大きな可能性をもたらします。
また、Zapparは開発者が自分の体験をできるだけ早く作製できるように役立つ「サンプルリポジトリ」と「ブートストラッププロジェクト」のセットも提供しています。
ここで重要なことは、ホスティングと公開がZapparのCMS(ZapWorks)と統合されていることです。
ライセンスはZapWorksのプランに含まれており、エンタープライズ層のユーザーが利用できるカスタムドメインを介したWeb ARのセルフホスティングが含まれます。
Webを介して提供されるARに対する消費者および企業の需要は、増加し続けます。
Gartnerによれば、1億人の買い物客が2020年末までにARを閲覧するようになるとのことです。
Zapparの顔トラッキング活用事例
イタリアのAR開発会社であるViewtooは、コロナ禍においてマスクが安全に使用されていないこと、正しい使用方法がわからないことを課題と捉え、正しいサージカルマスクの使い方HOW TOをZapparを活用したWebARにて提供しました。
こちらのURLから実際に体験することができます。
このように専用のアプリなどインストールすることなく、ユーザーのスマホやパソコンからすぐに使うことができるWebARで顔のトラッキングを提供できていることは画期的と言えるでしょう。
WebARで高精度な顔のトラッキングを提供できているのは8thwallやZapparなど、まだ世界でもAR技術に先行した数社のみです。
こちらのマスクの事例について詳しく知りたい方は、以下の記事の中でより詳細に記載されていますのでご覧ください。
医療分野でのAR技術活用事例8選!診察、手術、学習における利用に期待
新SDKを導入したパートナーのコメント
早期アクセスパートナーのVRCraftworksは、すでにプロジェクトでユニバーサルARをテストしており、同社のマネージングディレクターは以下のように述べています。
「three.jsのユニバーサルARの初期テストでは、特にブラウザーを介したフェイストラッキングで、非常に印象的な結果が得られました。」
「私は、特定のプロジェクトに必要なものに基づいてプラットフォームを選択できる柔軟性に興奮しています。その一方で、製品の品質だけでなく、公正な価格設定と開発者サポートへの取り組みにも常に感銘を受けてきたZapparとより頻繁に連携できるようになりました。 」
通常、ユニバーサルARは何十億もの接続デバイスが市場に出回っているときに登場します。
ですが、現状はどうしてもiOSとAndroidに分割されてしまいます。
そのため、開発者は一つのオペレーティングシステム、またはプラットフォームに制限されることなく、一度構築してすべての場所に作品を展開できる統合ソリューションを必要としています。
ユニバーサルARは、今日急速に変化するARキャンペーン作製の世界で必要とされている「可能な限り幅広いアクセシビリティ」と「クロスプラットフォーム」の両方を開発者へと提供します。
開発者はこちらの「ZapWorks」から始めることができ、ライブラリを直接ダウンロードしたり、NPMからインストールしたりできます。
Zapparのテクノロジーにより、世界中のブランドや代理店、ライセンスパートナーが革新的でカスタマイズ可能な市場をリードするARおよびWeb ARソリューションを、モバイルWebおよびネイティブアプリに展開できます。
パートナーにはこちらがあります。
- Nestle
- セブンイレブン
- Beiersdorf
- Kellogg’s
- Rovio
- The Coca-Cola Company
このテクノロジーにより、PwCブランドは2分以上の長い滞留時間や、アプリケーション内での1回のエンゲージメント率が40%を超えるなど、並外れた統計が可能になることを発見しました。
まとめ
Web ARのプラットフォームとして、Zapparの展開は注目に値します。
AR技術は変化が著しい業界ですが、海外の最新のAR技術情報に常に触れていることは、日本のAR産業を立ち上げていく上でとても大切なことです。
ARマーケティングラボを運営するOnePlanetでは、国内でのAR普及を加速させるために専用アプリを必要としない「WebベースでのARソリューション」を積極的に提供しております。
Zapparや8thwallなどの開発環境を活用したリッチなARアプリケーションの開発だけでなく、コンテンツをアップロードするだけで簡単にWebARを開発できる「ロケーショナー(LocationAR)」というWebAR開発ツールも提供しています。また、ARグラスを用いた先進的なユーザー体験の開発や、いま話題のメタバースに関するサービスの提供も行っております。
もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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